2021年12月1日、ロンジェ®琉球風水アカデミーの風水空間デザイナー®養成講座で毎月行っているグループコンサルティングの開催日でした。

毎月、第一水曜と第一日曜に開催しているのですが、水曜日のメンバーは全員インテリアコーディネーター。そして、目標達成に特化した脳科学の専門家、SBTスーパーブレイントレーニング1級コーチ、ポジティブライフコーチの金子晶美さんにゲスト参加いただきました。

グループコンサルティングでの学長ミニレクチャーの内容

・琉球民家の台所・水回りの風水

・現代住宅のキッチンの風水(既存住宅のメンテ、新築設計手順、間取り図のチェック法)

・脳科学(楽しくできる工夫をする)

・風水鑑定報告書とインテリア提案書の違い

現在、講座コンテンツ(全12回)のフルリニューアルを行っています。今回は第3回の講座(前半)をリニューアルした講義を行いました。内容を一部抜粋して、解説いたします。

琉球民家の台所・水回りの風水

300年前の琉球民家の分析を行い、そこから琉球風水のエッセンスを読み取る内容です。当然ですが、300年前は、電気もガスも水道もありません。沖縄は、暑い日差し、頻繁にやってくる台風、冬の厳しい北風など、自然条件の厳しい土地です。人工的にコントロールができない時代は、自然と調和することで、快適な暮らしを作り上げてきました。その考え方の軸となったのが、本場中国より伝わった「風水思想」だったんです。

水道管がありませんから、排水経路を何かしらのかたちで設計する必要がありました。琉球民家の場合、住宅の奥側と右側の敷地を高くして、手前と左側の敷地を低くしました。そうすることで、緩やかな土地の傾斜による排水ルートをつくりました。こうすると、汚水が母屋の下を通ることなく排出されます。

今では、台所にコンロとシンクがあるのは当たりませんです。しかし、昔は、火を扱う場所と水を扱う場所は別でした。火の安全を重視して、台所は別棟で建てられていましたし、井戸は外にありました。しかし、火と水の場所は離れていても、生活動線が近くなるように設計されています。

また、冷蔵庫のない時代ですから、食品を保管する冷暗所が必要でした。「日当たりがいい」とは住空間でポジティブな意味としてとらえられます。しかし、空間に必要な機能を考えると、常に日当たりがよければいいわけではありません。住宅の向きや配置によって、光の入り方や風の入り方が変わります。「こういう空間の使い方をしたい」という要望があれば、それに対し、まずは、空間の機能に合った光や風の流れるところを見つけだします。そこからさらに、人の手によってよりよいエネルギーが入るように建物を設計するのが、琉球風水の知恵です。

人工的に住環境を快適する方法がなかった時代。だからこそ、人と自然が調和することで、安心、安全に生活するためのアイデアが、いくつもいくつも湧き出てきたのではないでしょうか。

受講生からは、「琉球民家は見たことはあるけど、なんとなく雰囲気やデザインを見ていただけでした。こんな風に自然と調和する知恵が詰まっているのがわかり、現代の家づくりにも、この考え方を生かしていきたいと思いました。」という感想がありました。

現代住宅のキッチンの風水

現代住宅の各空間の風水が、今回のリニューアルで最も大きく変化しています。これまでは、既存住宅のメンテを中心にお伝えしてきました。今年からは、新築住宅を設計する際の設計フローを体系的に解説しています。また、間取り図を見て、風水が良いか悪いかを判断できるように、間取り図のチェックポイントも講義内容に取り入れています。

キッチンは、基本的に造り付けの家具や設備でできています。既存住宅でできる風水の実践は、掃除・片付けなどのメンテナンスとちょっとした彩りです。IHの普及もあり、本物の炎を扱う機会も少なくなったかもしれません。しかし、風水の五行の考え方では、「電気」は「火」に属します。火の安全に対する配慮が必要なことは、電気が主流になった今も変わりません。コンセントのホコリによるトラッキング現象など、電化製品から出火して火災になることもあります。令和2年消防庁防災室発表の火災状況の報告書によりますと、電気機器が出火原因の火災は1年間で1633件ありました。コンロの火の安全に意識を向けるのと同じくらい、電気製品のメンテナンスも大事であるということですね。

風水的視点から心豊かな暮らしを実現するアイティムのおすすめは「食器」です。日常使いの頻繁に接するものほど、理想の自分のイメージに近い上質なものを選ぶことです。1日何度も五感で接するものなので「その食器を使うのにふさわしい人間である」ということを無意識にインストールする最強アイティムです。最初の一歩にお勧めなのは、ティーカップ。たった一つでいいので、お気に入りのカップ&ソーサーを手に入れるところからスタートしてみてください。

脳科学「楽しくできる工夫をする」

講座のフルリニューアルの大きな追加点が、脳科学のメソッドをレクチャーに取り入れていることです。脳科学の専門家の金子晶美さんにサポートいただいています。

当初は、脳科学は奥が深いので、自分でレクチャーするのは難しいのではと思っていました。しかし、今年2月から少しづつ勉強をはじめ、金子さんとの意見交換を重ねるプロセスの中で「自分でやってみよう」と思うにいたりました。脳科学のレクチャーも、読んで、聞いているだけのレベルでは、わかったつもりになっているだけでした。しかし、「自分の言葉でレクチャーする」という体験を通して、ようやく自分の知恵になってきた感があります。アウトプット、大事ですね。

風水は、占いとかおまじないと思われている方も多いと思います。私自身も、風水の実践でおきる様々な不思議な出来事を説明できませんでした。でも、今は、脳科学でほとんどのことが説明できるのではと感じています。風水で作り上げる環境は、人の無意識に働きかけ、潜在意識そのものを変えてしまう力があるということです。脳科学による裏付けがあれば、風水を運命を変えるツールとして使いこなしていくことができます。建築やインテリアを単なる物質レベルでとらえているのは、もったいないですね。

今回の脳科学の講義では、脳科学の基礎理論とともに、難しいこと、きついと思うことを楽しくできるための工夫するためのレクチャーを行いました。

私たちの行動を決定づけているのは、実は「意思」ではなく「感情」なんです。感情をコントロールできれば、行動を変えられるわけです。今回は、「感情をコントロールする方法」について、レクチャーしました。脳の仕組みがわかれば、感情もコントロールできるんですね。

ロンジェ®の講座では、最終的に「風水鑑定報告書」と「建築・インテリアデザインの提案書」を書き上げるのがゴールです。これは、決して簡単なことではありません。なので、途中で挫折しないよう、目標達成マネジメントを行うことで、なんとかやり抜いて欲しいと思っています。私たち人間は、「正しい」ことをよりも「楽しい」ことしか続けることができません。そのためにはとらえ方が大事で、風水を学ぶ上で必要なマインドは「難しい」=「楽しい」と思えることなんです。

私が風水を続けていられるのは、ご依頼いただく案件が全て「難しい」からです。風水のご相談は、現代の建築・インテリアの技術力で解決できなかった案件です。なので、「南向きのきれいな四角形の敷地」といった好立地条件の方から相談がくることはありません。しかし、ご相談の難易度が高ければ高いほど、それを解決した時の達成感が爽快なんです。なので、難しい依頼が入ると同時に、すでに難題を解決した時の爽快感のイメージが浮かび上がってきます。難しい依頼がくると、ドーパミンが放出するという構造ができあがっているので、仕事が楽しくなるんですね。

では、この状態にどうやって持ってこれるかというと、答えはシンプルです。知識を学んで、経験を積むだけです。知識があって、経験があるから、自信がもてるわけです。難しいことにチャレンジして難題をクリアする楽しみを知っている方、建築・インテリアという難しくも魅力的なアートの創作活動を楽しめる方に、琉球風水は究極の楽しみとなるでしょう。

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東道里璃【Lily Todo】 株式会社ロンジェ 代表取締役 立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士 著書「琉球風水で叶うナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」(ガイアブックス刊) 東洋哲学の陰陽五行、琉球王朝の風水思想を、働き方・暮らし方・生き方に活かす「陰陽ライフスタイリスト講座」を主宰。宇宙の法則「陰陽論」を、脳科学・色彩心理学・西欧伝統インテリア・ライフデザインと統合。オリジナルの”陰陽ミキサー”を使った再現性の高い「陰陽バランス調整法」を提唱する。女性経営者、社長夫人など、会社経営に関わる女性の悩みやストレスに寄り添う。人間関係や心の在り方はお金には換算できないが、失った時の損失は計り知れないことから、会社と家庭の双方における、関係者との関わり方、室内環境の調え方、役割、心得など、陰陽の調和の取れた理想のライフスタイルへと変革するための支援を行っている。 「幸せになるには原理原則があります。他人を変えることはできませんが、自分を変えることはできます。古代中国から伝わる宇宙の法則「陰陽論」で人生のバランスを取り、新しい生き方の扉を開きませんか」 特典付きニュースレター「陰陽ライフスタイル通信」配信中 https://longe.jp/newsletter/