ロンジェ風水アカデミー、学長の東道里璃です。
今日は、風水を使う上で最も大切な、学びのマインドについてお話したいと思います。
私が沖縄で指導を受けた風水の師匠に、最も感謝していること。それは、一度も「答え」を教えてくれなかったことです。では、一体何を教わったのでしょうか。
それは、答えを出す時の「考え方」でした。
当時住んでいた間取り図を使い、丸い形のホールケーキをカットするかように、羅盤を使って間取り図を八つの区画に分け、各部屋にその方位と運氣を書き込みました。さらに、その部屋の運氣を上げるために、どんなものを置くか、どんな色を使うかを書き込んでいきました。
これまでにも、学校で習った風水を自宅で実践してきたつもりですし、大学院で研究論文を書いてきた経験から、物事の本質を追求する姿勢で風水の勉強をしてきたつもりでした。私の作った鑑定報告書を師匠に見せると、「まずは、この内容を自分でやってみなさい」と言われました。
私は、自分の書いた通りにやってみようとしたのですが、実際のところやる気にもならなくて、ほとんど何もできませんでした。その理由は、私の書いた風水アドバイスとは、風水の教科書に書いてある正解と思える情報を、ただ当てはめて書いただけのものだったからです。
インテリアの風水実践には、それなりの時間、労力、コストがかかります。それだけのエネルギーを使って実践するのに、価値のある内容にはなっていませんでした。「なぜそれをすると人生が良くなるのか」という説得力は、全くありませんでした。
さらに致命的だったのは、住む人、つまり自分の人生に寄り添った提案にはなっていなかったことでした。
「自分ですらできないような風水のアドバイスする人に、他人の風水のアドバイスなどできるはずがない」
これが、師匠からの初めての風水指導でした。
風水鑑定報告書を書いたら、添削をしてもらえるのかと思っていたら、大間違いでした。この時、いかに自分の風水の知識が薄っぺらいものであるかを痛感したのは、言うまでもありません。
◆ 「ブレない考え方の軸」が必要
「教科書もない。カリキュラムもない。答えもやり方も教えてもらえない」
これが、私の風水師としての修行のスタートです。しかし、風水理論の質問に関して、師匠はとても丁寧にご指導下さいました。また、私が風水スクールの受講生に対するアドバイスで悩んでいる時、答えを教えてもらうことはありませんでしたが、師匠からは解決法を導き出すための「考え方」を教わりました。
私が今こうして、風水の学校を運営し、アドバイスをさせていただけるようになったのは、「問題に対する答えや、小手先のノウハウではなく、問題を解決するための”考え方”を教わった」ことが、とても大きいと感じています。
やり方や答えを教えてもらえなかった状況で私がやってきたこと。それは、まず第一に風水理論と哲学の文献で、徹底的に知識をインプットしていきました。 次に、得た知識をスクールのテキストや新聞コラムの連載で文章にまとめ、アウトプットしていきました。
スクールのテキストとして書いた以上、講義でその内容に関して、受講生に何を質問されるかは予測がつきません。ですから、講義の前には、自分で書いたテキストの内容から質問が出た時に、完璧に答えられるように準備しました。講師として生き残っていくためには、「知識武装」することしか対策はありませんでした。
風水のアドバイスができるようになるためには、基礎知識をインストールしない限りに何も始まりません。 さらに、風水実践のアドバイスは、クライアントの人生に寄り添ったアドバイスでないと何の意味もなしません。
同じ間取りであっても、同じ悩みであっても、一人一人の状況や要望によって、その人にあった解決策は違います。マークシートの試験のように、ただ一つの答えが用意されていない状況では、何よりも「ブレない考え方の軸」が必要であると感じました。
◆型がなければ「形なし」に?
ものごとの学びの始まりとは、合気道の「守破離」でいうと「守」の段階です。個別にカスタマイズした答えを常に求められる風水の世界では、まず基本の型として、風水理論と風水哲学をインストールする必要があります。
型が身についていれば「型破り」もできますが、型をそもそも持っていない状態で風水を使うと「形なし」になってしまいます。今では私も「守破離」の「離」の段階までくることができましたが、もちろん、よちよち歩きの「形なし」が風水のスタート地点です。
風水は気軽に読める本もたくさん出版されていて、置物やラッキーカラーなどを使って、わかりやすく伝えられてきた一面があります。しかし、本物の風水とは数千年にわたり語り継がれてきた「宇宙の本質」ですので、簡単に習得ができるものではありません。
「風水がちょっと気になる」
「手っ取り早くテクニックだけ知りたい」
と思われている方は、置物やラッキカラー、掃除片付けなど、簡単な風水のノウハウが書かれた本を、手に取られることをお勧めします。
建築・インテリア設計のような、大きい財産を左右するプロジェクトに風水を取り入れたいとお考えの方は、建築・インテリア設計の実績がある風水を選び、風水の哲学と理論、そして実践法を、基礎から体系的に学んでいくのが一番の近道です。
東道里璃 (とうどう りり)
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