ロンジェ琉球風水アカデミー、学長の横川明子です。

2019年10月31日、早朝、ビーチでアーシングしているとき、首里城が燃えていると連絡が入りました。言葉を失い、一日中涙が止まりませんでした。

じっとしていることができず、午前中に首里城へ向かい、首里城背後の上ノ毛から、首里城の方向を眺め、御嶽で祈りを捧げることで、心を落ち着かせました。帰り道、龍潭の前を通ると、そこには多くの人がカメラを構えており龍潭の向こう側にある首里城正殿から、煙が立ち上っているのが見えました。目の前の現実を受けいれることができないほど、ショックなできごとでした。

無意識に、何か大切であると感じているけれど、実態がよくわからないものがあります。なくなってしまった時に、初めて氣づき、喪失感だけが残る。今回の首里城の焼失で多くの人が感じていることではないでしょうか。

これをきっかけに、首里城に込められていた想いや哲学というのを、風水理論から読み解いてみることで、私たちの潜在意識にあった何らかの喪失感というのが何なのかというのを、本質的な部分から考えてみたいと感じました。

首里城の風水についての資料は、琉球王朝時代の歴史編纂書「球陽」に、ほんの2ページ程度、書かれているのみです。それ以上の風水については、何一つ書かれていませんが、もっともっと、いろいろな思いが込められて造られた城であると感じています。

300年前、当時の王府の三司官であった蔡温が、なぜ、首里城をそこから動かしてはいけないと語ったのか。その理由は、首里城のある土地の形状そのものが風水的に良いのではなく、首里城を取り囲む周辺環境の風水が良いことでした。

首里城を護っているのは、四方の山々と樹木、川であり、これらがうやうやしく、まるで王に拝礼するかのような情があることが、首里城が首里城であるための条件でした。首里城を取り囲む空間の氣を満たし、守ることは、国家の盛衰に関わると考えられていました。

当時、蔡温が唯一、大きな改善を指摘しているのは、浦添市の城間から那覇市の泊にかけての区間が、山々や樹木が無く、へこんでいるため、ここから氣が漏れると言っています。氣が漏れでないよう、この凹んだ区間に、松を植えて、氣の流出を防ぐように言っています。

私は、首里城に何度も通い、首里城の展望台とも言える、西のアザナや、東のアザナから周辺環境を見渡してきました。

【首里城正殿の背後、東のアザナより】

そして、「果たして、今、蔡温が、この風景を見たら、何と言うのだろうか。。。」と、いつも思ってきました。風水師として、これでいいのか」と、怒られているような気持ちになっていました。

つまり、今回の首里城の火災には、いろんなメッセージが含まれていると感じる中で、その一つは、私たちが首里城を守るための景観を、自ら壊していませんか?ということにも気づかないといけないといことです。

経済的発展にフォーカスしすぎて、緑を伐採し、海を埋め立て、美しい沖縄の象徴である大切な自然環境を破壊していませんか?

聖地のエネルギーを守る力を沖縄本土から無くしてしまっているのは、一体誰ですか?という問いかけも、今回の首里城焼失から受け取ったメッセージの一つです。

蔡温が首里城の風水を良いと評価しているのは、それは先人たちが、周辺環境を守ってきたからです。

しかし、現代に生きる私たちは、周辺環境の重要さに氣づかず、樹木を切り倒し、川を汚し、海を埋め立て、そして、この現実が、結果的にアイデンティティーの喪失につながっているように感じます。

そういうメッセージも含まれた出来事であり、根本的な何かを考え直すきっかけを与えてくれてたのではないでしょうか。

今回の首里城焼失はいろいろな隠喩があるように感じています。ここ数日は、深い悲しみを味わいましたが、今は、これから始まる未来に大きく期待しています。

1709年の首里城焼失後、1715年に首里城が再建され、その後、琉球王朝を代表するような多くのスターたちが生まれました。今回の焼失をきっかけに、首里城に、令和のエネルギーが加わり、新しく生まれ変わることで、新しい沖縄が発展していくためのきっかけとなる出来事なのかもしれないと前向きに捉えています。

宇宙が用意した時間と空間の中で、宇宙的な視点から首里城を見ていくことで、様々なメッセージを受け取ることができると思います。そして、今、それをやるべきタイミングなのだと感じています。

首里城と向き合うことは、価値観の明確化や、自分自身の内側に気づくという意味で、ライフデザインにもつながります。

2011年に東京から沖縄に移住し、風水を学ぶために首里城に100回以上通った経験から、首里城に秘められた風水メッセージを読みとくということを行いたいと考えています。

以前からお知らせしていました、ロンジェの年末イベントは、12月12日木曜日、万国津梁館で開催することが決定いたしました。

2019首里城から学ぶ琉球風水と幸福人生デザイン1dayセミナー@万国津梁館』

【写真:2016年 琉球風水1dayセミナー@万国津梁館より】

2020年に開校を予定しているロンジェ琉球風水アカデミーの開校記念のイベントとして、数か月前から企画していたのですが、今回は、首里城の焼失から、私たちが何を学び取ることができるか、考える機会にしたいと思います。

第一部は、「首里城の風水と宇宙の本質」をテーマに、私、横川明子が講演を行います。

第2部は、ゲストに、一般社団法人絵本メンタリング協会代表理事の仲宗根敦子さんをお迎えし、「琉球風水と幸福人生デザイン」をテーマに、スペシャルトークセッションを行います。

お申込み受付は、来週火曜日、11月12日10時スタート。11月20日までの間、お申込みを受け付けます。お申込み受付開始まで、しばらくお待ちください。

このセミナーの収益の一部を、首里城再建のために、寄付させていただきます。

セミナーの詳細ページはこちらをご覧ください。

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【首里城の風水思想をあなたの家に】 株式会社ロンジェ 代表取締役 東道里璃 琉球風水師・風水空間プロデューサー 立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士 著書「琉球風水で叶うナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」ガイアブックス 風水空間デザイン®を実践的に学ぶロンジェ風水アカデミー学長。オンラインとリアルのハイブリッドスクール。 風水空間デザイン®は、宇宙の原理原則✖️脳科学で、理想の自分になれる空間を設計します。建築・インテリアのプロも認める風水です。 東京世田谷で生まれ育つ。高学歴・アナウンサーという職業で、表面的には幸せに見えた。しかし、家族の他界や、落馬して骨盤を骨折しうつ病になる。 幸せそうに見えて不幸な人生から、心の幸せを求めて風水に出会う。風水の実践から思考習慣が変わり、心の幸福度が上がることを体感する。 しかし、一般向け風水書籍の知識の寄せ集めによる新築住宅の設計は失敗する。大地震を機に東京から沖縄に移住。建築設計に通用する王朝時代の伝統風水術に出会い、琉球風水師になることを決意。 その風水術は、建築・インテリアの専門家に注目され、セミナー参加者は1000人を超える。沖縄建築賞の最高賞を受賞歴をもつ一流建築士とのコラボ設計は新聞の一面を飾り、住宅の専門紙で多数の風水コラムを執筆。 幸福感に満たされ理想の自分になれる「風水空間デザイン™️実践会」を主宰し、建築・インテリアの設計者を風水空間デザイナー®️へと育成。一人でも多くの人が美しく心地よい住まいで暮らすことができるよう、新築を控えた人たちや住宅業会の関係者が風水を実践して学ぶコミュニティを運営している。 「首里城の風水と宇宙の本質」講演動画をプレゼントしています。