学長の東道里璃です。
私の著書、「琉球風水でナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」の発売を記念し、200冊の寄贈準備を行っております。
教育関係機関、行政機関、公的機関へ寄贈できればと考えております。特に、これから世界へと羽ばたく建築・インテリア業界への就職、転職を希望している若者の支援になることを願っております。
以下の画像をクリックすると、「はじめに」や「目次」などの試し読みができます。
10年後、風水設計の専門家を育てるために
本の出版を機に、「この世に生を受け、命が尽きる前に成し遂げなくてはいけないことは一体なんだろうか」という本質的な問いかけをしました。それは、10年後、20年後の世界を見つめ琉球風水設計ができる専門家を育成することであると感じました。多くの施主様が、風水の良い家を手に入れたいと願っています。しかし、安心して風水設計を依頼できる場所が見つからないために、悩まれています。
琉球風水設計のスキルは、風水の専門知識に加え、自然と一体化する天人合一思想という哲学、脳科学、心理学といった人の感情に関わる科学、その上、土地、建築、インテリア、暮らしの住まいに関するハードとソフト両方について専門家と対話ができるレベルの知識と経験が必要です。これらを施主様が全て理解し、設計会社へ要望を出すというのは、大変むずかしいことです。風水の専門家の育成には、哲学を学び、実践して自分のものにしていくまで、10年、20年の月日がかかります。10年後、琉球風水設計ができる専門家を育てられる道の一つとして、本書が少しでもお役に立つことができる方法はなにかと考えました。
オンライン検索で大学のシラバスを調べてみると、風水学が一般教養のなど科目に入っている学部があります。建築学、環境学、文化人類学、生活科学などの領域で、取り扱われていることが多いようですね。風水と相性がいいのは、「東洋哲学」と「デザイン系」です。「東洋哲学」は、生き方そのものです。自然と調和して生きることを思想の軸としている方にとって、風水はとても魅力的です。そして、風水設計の特長は、「右脳」と「左脳」のバランスの良さから生み出される「デザイン系」の思考力です。芸大や美大などで培われると言われている「アート思考」で、直感でゴールを映像でイメージし、その完成図を論理的に言語化できる能力が風水設計には必要です。感覚だけのデザイン力や、論理的思考力にかたよった考え方ではなく、アーティストとして、頭で考えず直感でイメージを下ろし、イメージできたと同時、それを論理的に現実にしていく力が風水設計力です。
一般教養の一つとして風水哲学を学ぶことで、経済性や効率性だけに偏らないあり方を知るきっかけにしていただければと思います。
寄贈の対象は、学校や公共団体、教員や学生の皆様
寄贈の対象は、以下の通りです。
・大学、大学院、専門学校、高等学校
・建築・インテリア関係の公的団体
・建築・インテリア学校の教員・学生
・役場の都市計画課など
・集落の自治会、図書室など
・沖繩の郷土資料を扱っている場所
昨年、甥っ子が医学を道を志し、北海道大学へ進学いたしました。「風水空間デザインの教科書」をプレゼントしたところ「がっつり読みます!」と力強い返事が届きました。学生さんでは、大学生、大学院生くらいがちょうどいいかなと思います。また、ロンジェの受講生の方で、30代前半でインテリア業界へ転職するため、インテリアの専門学校に通いながら、ロンジェを受講された生徒さんがいらっしゃいます。無事、東京の一流のインテリアデザイン会社に就職が決まり、現在、第一線で活躍しています。転職を目指して勉強している方も、あなたの夢を叶えるために、ぜひ、本書をお役立ていただけますと幸いです。
教育機関や公的機関などの団体様を基本といたしますが、教員、学生の方に限り、個人でのお申込みを受付させていただきます。メッセージの内容で判断させていただきます。2023年1月31日を申込み締切といたします。書籍のお届けは、2023年3月を予定しております。対象の方で、書籍の寄贈をリクエストされる方は、以下の画像をクリックし、寄贈リクエストフォームよりお申込みください。
世界の風水事情
寄贈への思いは、日本在住5年の北欧の建築デザイナーの方よりメッセージを頂いたことでより強くなりました。日本に住み、日本には風水がないのを不思議に思っていたそうです。日本で生活するために日本の伝統文化を深く理解するため、かなり勉強されているようでした。以下のようなことをおっしゃっていました。
私は驚きしました。そして、私が求めている世界と琉球風水とイギリスには、どうも深い関係を感じます。これまで世界20カ国の土地をめぐってきた中で、私が建築に興味を持ったきっかけは、3つの建物との出会いでした
- バリ島(ウブド)フォーシーズンズホテル【アジアンリゾート・バリモダンと呼ばれるスタイルの建築で、東南アジアの風土に西洋のホテル文化が持ち込まれた】
- ニュージランド(クライストチャーチ)でイギリス人マダムと暮らしたイングリッシュガーデン付きのイギリス住宅【ジョージアンスタイル】
- シンガポールのラッフルズホテル【イギリス人が東南アジアの風土に自分たちの装飾文化を持ち込んだブリティッシュコロニアルスタイル建築】
この3つの建築に憧れてたどり着いたのが、琉球風水でした。イギリスの装飾文化とピクチャレスク美学が東南アジアの風土と融合する美しさを、再現性高く体現できる唯一の方法が琉球風水の美意識なのだと思います。
この本を出版させていただいたガイアブックス社はイギリスやドイツの書籍の翻訳本がメインです。私が参考文献として大切にしているリリアン・トゥーさんの風水の専門書はガイアブックスの編集長にお聞きしたところイギリスで出版された本の翻訳でした。書籍の表紙を手掛けて下さった深山桂子さんからもイギリス留学時代に風水のことを知ったとお聴きしました。そして、イギリス在住のロンジェ受講生のインテリアデザイナーからも、イギリスの風水住宅の情報をいただきました。
風水の歴史をたどると、最も大きな出来事は、毛沢東の文化大革命です。1966年〜1977年の出来事で、実は、意外と最近のことです。宗教が徹底的に否定され、風水師は虐殺の対象となりました。この時、中国から台湾、香港、シンガポールへと風水師は逃げのびました。この時、香港はイギリス統治下にありましたので、文化大革命により中国→香港→イギリスという経路をたどり、イギリスへ風水が伝えられたと考えられます。
それ以前には、1700年代中期、ヨーロッパはアジア諸国との貿易の拡大し東洋の美に憧れた「シノワズリ」スタイルが大流行しました。シノワズリのモチーフでは、ドラゴンや鳳凰も使われており、中国風の建築も見られます。この時期に、見た目のデザインだけでなく風水思想まで伝わったかどうかはわかりません。ただ、シノワズリは大人気を博したことから中国の伝統文化は、ヨーロッパの芸術とも相性は良い部分があるのは確かなようです。ウィリアム・モリスのファブリックにも、ピーコック&ドラゴンの模様があります。
歴史的に技術が最高潮に達した時代の風水術が「沖縄」に
日本で風水の本はたくさん出ているにも関わらず海外の建築家から見て「風水がない」と思われてしまう日本。平安時代の日本に伝わったのは、風水術が発展する前の古典的な風水です。しかし、その1000年後の18世紀には、中国から最先端の風水術が琉球に伝わっています。沖繩には、歴史的に風水の技術が最高潮に達した時代の風水が存在します。しかし、残念ながら、琉球王朝は消滅し、国家公務員であった風水師は失職。その後、戦争を経て沖縄はアメリカ統治下となり、沖縄から風水師は消えていきました。経済性や効率性が優先される国やライフスタイルの西洋化を推進するためには、東洋思想は都合の悪い存在です。自然を人間が支配するという西洋の考え方と、自然との調和を優先する東洋思想とは、価値観が違うからです。しかし、これからの時代、陰と陽が調和するように、東洋の思想と西洋の技術は融合する時代に入ります。
これから世界へ飛び立つ若者たちに、琉球王朝時代の風水術を伝えたい。そんな気持ちを強く抱いきました。お知り合いで必要とされる方がいらっしゃれば、お声がけいただけますと幸いです。書籍の寄贈に加え、学校等での講演のご相談にもご対応いたします。リクエストがございましたら、メッセージ欄へお書きくださいませ。あなたからのメッセージ、お待ちしております。
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東道里璃 (とうどう りり)
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