琉球風水とはどんな風水なのか?
初めてお会いする方に、ほぼ100%ご質問いただきます。
風水スクールの第1回の講義での解説を、動画でご覧くださいませ。
テキストでも、お読みいただくことができます。
さて、風水というと、どんなイメージを持ちでしょうか。
風水のイメージは、色々あると思いますが、どちらかというとやはり方位を中心にした、
ラッキーカラーとか開運アイテム、そんなイメージを持ちの方も多いのではないかと思います。
私はこれまでに自分自身の新築の家づくりで、2回の失敗経験があり、どのようにしたら良い家に住むことができるのか考え続けてきました。
一戸建ての新築住宅に住んだにも関わらず、家を全く好きになることができなかった経験があります。
そして、1年近く、建築士と設計のプランニングをしたにもかかわらず、家が建たなかった経験があります。
その経験を通して、新築であればとか、住宅として建築基準法をクリアしていれば、それがイコール、心地よい暮らしとなるわけではない。
建築のプロと一緒に家を建てれば、必ず良い家が建つわけではないということを経験しました。
2度目の家を設計する際に、出会ったのが風水でした。
風水とは何か、まったくわからない時、書店に並ぶ風水の本を、片っ端から読んでいきました。
しかし、風水師によって書いてあること全く違い、何を信じていいのか、わからなくなりました。
ある一定の方角に、決められた間取りがこないと、良くないことが起きるというような、恐怖をあおるような本は、信じないことにしました。
風水の考え方以前に、人の不安をあおる書き方をすること自体、人間として信用できないと思ったからです。
「これを実践すると良くなる!」と前向きな考え方で、インテリアのテイストが、相性の良い先生を選び、学校に通いました。
東京でならった、その風水の実践は、とても楽しく、インテリアや、暮らし方の風水を取り入れ、どんどん家が整ってきました。
もともと、お片付けやお掃除が苦手で、親から独立して、自分の家をもつことになっても、どうやってメンテナンスしていいかわからなかったんです。
そういう状態の中で、「風水が良くなる」という希望をもつことで、住宅を整えることを学びました。
そして、風水の哲学をインストールし、家を整えるという行動を通して、人生に、すごく大きな変化がありました。
意識や考え方がどんどん変わり、家を整えることで、氣づきの連続がおきるようになりました。
その風水の威力に感激し、住宅を設計してみようと、自分なりに取り入れてみました。
しかし、風水の方位鑑定が優先された時、せっかく快適に作った生活動線が崩され、風水を設計に取り入れると、
何か住み心地の良さが後回しになってしまうような気がしたんです。
東京で習っていた時には、『風水は、既存住宅の暮らしを整えることができても、住宅設計には通用しない。』
そう思いました。
住宅設計に強い風水ってあるんだろうか?
そんな疑問を持ち続けていました。
そして、ご縁があって、沖縄に移住し、私が初めて住んだ場所は、沖縄本島ではなく、離島の集落でした。
人口70名程度の小さな集落にある、築180年の琉球民家で、敷地面積が200坪ありました。すごい広さでしたね。
沖縄に風水があるということは、その時点で、詳しくは知らなかったんです。
知人に進められて読んだ、沖縄の風水の本は、間取りと方角が決められており、例えば、「北西の方角に水回りが来ないと家族に良くないことが起きる」ようなことが書かれていました。
「日本の家相の沖縄バージョンのよう」と感じ、このレベルの風水が沖縄の風水であるのなら、学ぶ必要はないと思いました。
しかし、その民家で一年暮らしていくことを通して、住宅そのものに風水を感じ、そしてその住宅がある集落に風水師の足跡を感じていました。
集落にも、風水が取り入れられているように感じました。
もし、その感覚が当たっているのであれば、集落を作るというのは個人レベルではないので、何か行政レベルで風水が、取りいれられていた歴史が、もしかしたら沖縄にあるんじゃないかというふうに感じました。
そこで調べてみると、風水の歴史がありました。
王朝時代に、王府は留学生を中国に送り、そして戻ってきた留学生がその風水術をもとに、王城、集落、民家、お墓に、風水を取り入れていました。
沖縄本島だけでなはく、離島にいたるまで、風水師による集落設計は、広範囲にわたっているようでした。
首里城の風水に関しては、「球陽」という琉球王朝の歴史編纂書に、当時の王府のトップ役人である蔡温が、首里城の風水鑑定をして、「非常に良い」と判断した報告書が残っています。
300年前のことです。
古典の風水の文献で読んだ、古来からの伝統風水術が、現実レベルで使われ、住宅や集落、そして王城が出来上がっている。
『なんて高度な風水が、存在する土地に来たんだろう。』気付いたときは大きな大きな感激でした。
琉球風水は、方位よりも、形から生じる氣の流れを整えることに、優先順位を高くしており、物質的な形をつくる建築設計に強い。
ただ、沖縄にも、日本の家相のように、方位に固定された概念で、間取りの吉凶を占う風水も、実際ありましたので、琉球風水といっても、人によって、鑑定法は異なります。
風水を住宅に取り入れるには、大きく分けて2つの方法があります。
それは新築住宅の建物の間取りをつくっていく、設計のための、物質的な風水。
そして、既に出来上がった住宅の中で、自分の生活習慣レベルで風水を整えていく、行動的な風水と、大きく分けて2つあります。
琉球風水は、建築設計に強いのが特徴です。
形から生じる氣の流れを整える鑑定法をメインに、方位鑑定を3種類使い、判断する内容によって、鑑定法を使い分けます。
このように、新築住宅設計の場合、窓や壁の位置を自由に決めることができるので、安心してぐっすり眠ることができる配置に、ベッドをレイアウトした上で、窓やドアの位置を決めることができます。
担当の建築士さんと、「構造的に理想的などちらか」、施主様に「どちらの使い方、より使いやすいか」、をヒアリングしながら、決めていきます。
インテリアにおいては、私の琉球風水では、陰と陽のバランスをとることで、住む人の心に寄り添った色や柄を選び、現実レベルで、調和のとれた心地よい空間づくりをしています。
日本の一般的に知られている風水は、八方位の運勢に合わせて、置物や色をえらび、開運を願うものであったり、間取りと空間の方位で吉凶を判断するもので、八方位の運気が中心です。
琉球風水には、「西は黄色で丸いもの」といった、一つの問いに対して、一つの答えが存在する方法論はありません。
「自然との調和」をコンセプトにしており、科学的で、再現性のある理論により、意図的に目には見えない心地よい空間をつくります。
住宅の外側の自然環境や、住む人の心の状態に合わせ、完全オーダーメイドのカスタマイズにより、調和を取り、氣の流れを整えることが、琉球風水の大きな特徴です。
東道里璃 (とうどう りり)
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