ロンジェ琉球風水アカデミーの2023年12月の活動を、マンスリーレポートとして報告いたします。
風水空間デザイン®︎講座1級の内容や、伝統工芸品を主役にしたデコレーション術セミナーの舞台裏、受講生の実践や相談に対する私からのフィードバックなどを、一部抜粋して報告いたします。
このレポートを読んでいただくと、テーブル装飾については、やちむん、琉球漆器、琉球の染め物である紅型(びんがた)など、上質なハンドメイドの工芸品を、現代のテーブルスタイルでハイセンスに活用するための考え方と方法がわかります。風水を取り入れた家造りについては、理想の家を実現する土地探しヒントなどがわかります。
住まいも暮らしも人生も、より美しく、より心地よく。自然と調和する学び、実践法として、風水空間デザイン®︎をお役立てください。
12月の全体講義の内容を紹介
12月の講義では、琉球ガラス村様からのご依頼で11月に開催した「伝統工芸が主役! 琉球風水デコレーション術」の講義動画を見ていただくと同時に、準備段階からの舞台裏についてお話しました。
セミナー本番の講義内容はもちろんですが、準備過程の中にもデザインのヒントがいっぱい詰まっています。ロンジェの受講生はむしろ、その過程を知ることを楽しみにしていらっしゃる方が多いかもしれません。
世の中で数多くのイベント・セミナーが行われていますが、今回のようにセミナールームに壁紙とモールディングを施工し、自宅からマントルピースを持ち込んで講座を行うというケースは究極に稀だと思います。私も人生初の体験でした。いろいろな偶然が重なって実現したことですが、ご協力いただいた琉球ガラス村様には、感謝の気持ちでいっぱいです。
インテリアコーディネート成功のコツは「色味」「トーン」「スタイル」の統一感
テーブルコーディネートの最初のプロセスは、使用できる商品を把握することです。テーマは、2024年を司どる「三碧木星」に設定。五行の「木」の氣と相性のいい緑色をメインカラーにして、何を主役にするかを考えることがスタートでした。
風水では何かと話題になるのが「色」。九星、八卦、五行をテーマにしてコンセプトを設計すると、赤、青、緑などの「色味」が最初に決まります。そして、スタイルの世界観を表現するのはトーンです。例えば、カーテンの色味だけに風水を取り入れたら、なんだかちぐはぐなインテリアになったという経験がある方がいらっしゃるかもしれません。その理由は、色味だけ取り入れて、部屋全体のトーンの統一感がとれていないためです。
私はカラーコーディネートをする際、「ディープトーン」を中心に使っています。ディープトーンは、沖縄の光とオリエンタルなスタイル、そして私の肌の色にも合っているので、得意としているトーンです。ひと口に緑といっても、明るさや鮮やかさの違いでさまざまなトーンがあります。テーマカラーを設定する時は、色味だけでなく、どのトーンにするかまで最初の時点で決めることが統一感を生む大切な要素です。
テーブルアイテムを選ぶ時の基準も、色味とトーンです。色味があっていれば、トーンがずれていても同類色で調和します。逆にトーンが合っていれば、色数が多くてもぶつかり合わず、調和します。今回のセミナーの準備段階では、色味が緑で、トーンがディープのテーブルアイテムを100枚近く写真に収めておきました。
テーブルをつくるために必要なアイテムは、「食器(お皿)」「折敷・プレート」「センターピース」「テーブルクロス」「テーブルナプキン」「ナプキンリング」「カトラリー」「グラス」「フィギュア」「花・植物」です。全てのアイテムの色味、トーン、スタイルを合わせることが統一感のポイントになります。
テーブルコーディネートができると、インテリアコーディネートもできる!
私はインテリアからテーブルコーディネートの世界に入りました。テーブルアイテムをインテリアアイテムに置き換えると、腑に落ちることが多いです。
- 食器(お皿)➡ 家具
- カトラリー ➡ 家具の取っ手・ドアノブ
- グラス ➡ ガラス(窓、照明など)
- 折敷・プレート ➡ 床
- テーブルクロス ➡ 壁紙・カーテン
- テーブルランナー ➡ アクセントファブリック
- テーブルナプキン ➡ クッション
- ナプキンリング ➡ タッセル
- センターピース・フィギュア ➡ アート、置物、花
- 花器 ➡ 花器
- ダイニングテーブル ➡ 家、部屋
私がテーブルコーディネート講座を開催しようと思った理由は、ロンジェの受講生にはインテリアコーディネートに苦戦している方が多かったからです。
インテリアコーディネートがなかなか上達しない理由の一つは、「実践経験をつめないこと」だと思います。家具の買い替えや、壁紙、床の貼り替えなどは、そう頻繁にすることではありません。ですから、自分でインテリアのデザインを考えて実践する機会は、ほとんどないという方が多いでしょう。
テーブルコーディネートには工事が必要ありません。インテリアに比べれば予算もぐっと抑えて楽しむことができます。実際に自分がプランした世界を、現実的にかたちにできるのが大きな魅力です。テーブルアイテムは先ほど触れたように、インテリアに対応します。テーブルコーディネートができるようになれば、インテリアコーディネートもできるようになります。
インテリアでは「家具」が主役で、テーブルは「食器」が主役です。主役が決まればそれに合わせて脇役を選び、主役を引き立つように全体を調和させる。私はこんなイメージでテーブルをつくっています。
伝統工芸品やテーブル用品はどこで買えるの?
伝統工芸が主役のテーブルとなると、どのようなお店でアイテムを探せばよいのか迷うと思います。今回のセミナーでは、主催者の琉球ガラス村様が伝統工芸品を全般的に扱っていらっしゃったため、主役の食器、グラス、花器、フィギュアなどは、琉球ガラス村様の店舗にある商品を使わせていただきました。
折敷やプレート類は、テーブルコーディネートの専門店にあります。私は家庭で日常遣いできることをテーマにもしているので、手頃な価格で販売されている合成樹脂の漆器を使用しています。カトラリーは食器の専門店でも取り扱っています。
テーブルクロスは、私は専門店に発注。ダイニングテーブルのサイズに合わせ、撥水加工の生地で制作しています。テーブルナプキンは紅型のハンカチを巻き付けました。全体のアクセントとなり、テーブルの上で際立ちます。こちらは、紅型の工房や染物屋さんで調達します。布物は実物と合わせて選ぶことがとても大事なので、工房には主役の食器を持っていきます。
テーブルアイテムは、一箇所では揃いません。商品のリサーチも各ショップに2回、3回と通います。商品の解説を丁寧にしてくださり、トータルコーディネートをするために力を貸してくださるようなお店と、長くお付き合いできると良いと思います。
今回のコーディネートでは使用しなかったのですが、通常、主役となる食器=伝統工芸品は陶磁器「やちむん」です。読谷村にある「やちむんの里」や那覇市壺屋に工房が集まっており、店舗を併設しているところも多いです。また、実店舗やネットで、やちむんのセレクトショップもあります。
私がテーブルコーディネートを完成させるために走り回った過程を聞いた受講生からは、「テーブルコーディネートにトライするのが、なんだかとても楽しみになりました」という意見がありました。 受講生の何名かには、セミナー本番でセッティングを手伝ってもらいました。コーディネートアイテムが決まっている状態であれば、テーブルコーディネートは並べるだけでできるので簡単に感じたようです。ロンジェの受講生には、自分でデザインすることを楽しみにしている方が集まっています。テーブルコーディネートの準備をプロセスを知ることで、新しいインテリアデザインの楽しみを見つけてくださったようで、私も嬉しくなりました。
受講生の実践課題より〜 風水の土地探し
自宅を新築、自分に合う土地を見つける
自宅の新築に向けて、風水空間デザイナー講座1級でコンセプトとプランの設定に取り組んでおられるAさん。「家を新築する土地が、現在所有している土地でいいのかわからない。別の土地に建てることも考えてみたい」とのお話しがありました。個別コンサルティングでは、こちらのご相談に対して、ディスカッションいたしました。
◇ ◇ ◇
学長 東道里璃からのフィードバック
理想の暮らしがイメージできた! 四神に守られた土地
土地選びでは、インスピレーションが重要な判断基準になります。その土地に立った時に、直感的に理想の間取りのイメージが描けるか。幸せな理想の暮らしがイメージできるかどうかが基準です。
私が今の家に出合った時は、即決でした。家の中は修繕が必要なところが多々ありましたが、修繕はできます。しかし、立地は修繕できません。立地が良ければ即決です。その土地に立った時、周辺環境を含め、理想の暮らしをイメージすることができました。そして、実際に暮らしてみると、イメージした以上の嬉しいことがたくさん起きています。
大人になってから5回、引っ越し。良い土地、合わない土地、いろいろ経験しました。ライフステージによって、土地との相性も変わります。自分に合わない土地、家の一番大きな特徴は、「人生が行き詰まったような気持ちになる」「理想の未来、暮らしがイメージできない」状態になることです。しかし、そんな時には一体どこに引っ越していいのかもわからない状況でしょう。
こういう時にこそ、風水術をご活用いただければと思います。琉球風水での土地探しは、はじめに巒頭(らんとう)法という風水鑑定法を使います。土地の形から氣の流れを看る、土地探しに強い鑑定法です。日本地図をバードビューで見て、地形から風水的に良さそうな土地を探していきます。私が南城市に引っ越したのも、沖縄本島をバードビューで見て、土地の形から決めました。
私の場合、東四命の運気をもっており、南向き、東向きの立地と相性が良いので、南向き、東向きの立地を選んでいます。これは、八宅周書法という風水鑑定法によるもので、生年月日から相性の良い運気を算出するものです。
拙著『風水空間デザインの教科書』をお持ちの方は、第一章の個別運勢方位の項を見ていだだき、ご自身の生年月日から東四命か、西四命かが算出できれば、相性の良い向きもわかります。
Aさんと一緒にグーグルマップを見ながら、今のお住まいの近くで「風水的に良さそう」という地域を探し、土地勘のあるAさんに、どんな印象の場所か聞いてみました。すると、都会からちょっと離れたリゾート地のようなところで、ビューも良く、人気があって、Aさんも以前から「いいな」と思っている土地だとのお話しでした。
さらに、Aさんのご自宅から見たその土地の方位が、Aさんにとって吉方位に入る時期を調べました。吉方位を出すときは、九星気学の移動に関わる風水鑑定法を使います。すると、2024年はその地域がAさんにとっての吉方位に入る月が多く、土地を見に行くにも、短期滞在するにも、引っ越しするにもとても良いことがわかりました。土地は縁をつなぐことからスタートするので、「吉方位の月に、その地域に旅に出ることからはじめてみては」とアドバイスいたしました。
また地図を見て、Aさんのご自宅周辺には、聖地がたくさんあることもわかりました。聖地のある方位も、2024年は頻繁に吉方位に入るため、その聖地への旅もおすすめしました。定期的に聖地へ行き、啓示をいただくことをライフスタイルに取り入れていくのは、皆様におすすめです。旅に出れば、気持ちもリフレッシュ。新しい土地に行けば、これまでになかったインスピレーションもわいてきます。
風水学は非常に範囲が広いので、受講生の現在の状況に合わせて、必要な鑑定法や考え方を選んでコンサルティングを行っています。引っ越しされる方は、方位を氣にされる方も多いですが、吉方位だけを見て、巒頭法から土地の風水を見ていないケースをたくさん見てきました。方位もいい、巒頭もいい土地であれば理想的です。しかし、例えば引っ越しの時期がずらせない場合、吉方位と巒頭のどちらを優先すればいいでしょうか?
優先するのは「土地の巒頭法」です。吉方位を取れず、方位取りの風水ポイントが一時的にマイナスになったとしても、別の実践によって全体の風水ポイントをプラスにしていくことができます。しかし、土地から受けるエネルギーは変えることができません。
土地や家の風水が悪い場合、改善にかかる手間、精神的労力、コストは膨大です。プラスのエネルギーを受け続けるか、マイナスのエネルギーを受け続けるか。土地の風水は、エネルギーの質と量が正比例するため、長い時間をかけて決定的な違いが出てきます。引っ越しをする時は、優先順位をつけるなら、方位よりも土地の巒頭に重きを置いていただきたいと思います。
家を造る時、リフォームする時には「環境学」としての風水術が必要になります。一方、出来上がった後に運を呼び込んでくるには「行動学」としての風水術、掃除や片付け、インテリア、言霊などライフスタイルの風水の実践が必要です。環境学と行動学の風水を両方実践すると、相乗効果が高まります。
ロンジェではこれまで、方位取りのための旅行風水の講義は行ってきませんでしたが、Aさんへのアドバイスをきっかけに、今後は方位学もしっかり体系化したレッスンにしていこうと考えています。
【お知らせ】「沖縄人気作家の食器コーディネート体験」プログラム開催
テーブルコーディネートのアイテムを探すためには、いくつかのお店に何度も足を運ぶ必要があります。しかし、旅のお土産にやちむんなどの伝統工芸品を購入したい方は、いくつもの店に足を運ぶ時間はないですよね。沖縄県内に住んでいる方でも、もっとスムーズに揃えられたらと思う方も多いでしょう。
そういったニーズにお応えできるよう、ロンジェでは、やちむん、漆器、紅型などの伝統工芸品を組み合わせたトータルコーディネートを体感できる「沖縄人気作家の食器コーディネート体験」プログラムを、2024年からスタートします。このプログラムでは、私、東道里璃のこだわりで選んだ大人気作家さんの食器を、日々の暮らしで使えるセットにしてご提供。伝統工芸品のある暮らしを、体験していただくことができます。
本ブログでもやちむんのセレクトショップなどをご紹介しておりますが、人気作家さんの食器が家族分、トータルで揃うお店はほぼありません。人気作家さんになると、入荷も1年から2年待ちというケースもあります。
そこでロンジェでは、普段使いに必要なセットを、人気作家さんへ食器の種類、サイズ、容量などをリクエストして制作いただき、見本として展示します。そして、あなたに必要なアイテムをロンジェが承り、作家さんへ発注。3ヶ月ほどでご自宅へお届けします。
お客様にとっては、トータルイメージを固めた上で安心してお買い物でき、その時点で在庫がない商品であってもオーダーを承ることができます。また、作家さんにとっても、確実に売れる分を、時間に余裕をもって作る環境をご提供できるため、精神的な安心感を得ながら制作に取り掛かることができると考えました。
やちむん、紅型、漆器、琉球ガラス、テーブルクロスなどすべて取り扱っておりますので、ワンストップでお買い物が可能です。また、体験プログラムでは、伝統工芸品の解説や、テーブルクロスなどの各アイテムの選び方、テーブル装飾の腕がワンランク上がるセッティング方法などもレクチャーいたしますので、安心してご購入し、ご自宅で活用いただけます。
取り扱いが決定している作家の皆様とアイテム
■やちむん
南端ポタリー 新里竜子さん
https://www.instagram.com/nantan_pottery/
”しのぎ”や”透かし”の技法を使った繊細な曲線美。ため息が出るほどの芸術的なやちむん。セレクトショップへの作品入荷は、1年から2年先という大人気の作家さんです。ロンジェのリクエストで毎日の食卓セットを制作いただき、受注生産のご承諾いただいております。
玉城焼 稲福哲男さん/沖縄県伝統工芸士
琉球王朝最高の聖地・斎場御嶽近くにあるコマカ島の海と、海面のきらめきを表現した大人気シリーズ「コマカアイランドブルー」は、南城市セレクション受賞。ハンドメイドの迫力ある存在感。売れに売れて、窯出ししたものを隠しているというお皿を、こっそりご購入いただけます。
■琉球漆器
ぬりトン 森田哲也さん/沖縄県伝統工芸士 首里城の修繕、再建を担う漆職人
https://nuriton.jimdofree.com/%E4%BD%9C%E5%93%81/%E6%BC%86%E9%83%A8/
王家の食器や装飾品に使われた錫(すず)を贅沢にも全面に塗り上げた、シルバーゴールドのモダンスタイルの汁椀。洗練されたニュートラルカラーで、どんな色の食卓にも調和します。新里竜子さん、稲福哲雄さん制作のやちむんにも、もちろんピッタリ合います。
普段は首里城の修繕作業でお忙しく、どこのセレクトショップにも出していないという幻の汁椀。サンプルを見られるのも、オーダーできるのもロンジェだけです。
テーブルコーディネートは実物を合わせることが重要なため、作家の皆様との打ち合わせは東道里璃が直接、工房へ伺い、ディスカッションしております。実際に合わせるテーブルアイテムの数々を持参。眼の前に並べて解説した上で、デザイン的なリクエストをお伝えしています。
ありがたいことに、上記の一流作家の皆様の工房は、会社のご近所です。作品ができあがった時も、私が工房へ伺って商品を検品して引き取り、やちむん、漆器、紅型などのアイテムを一つにまとめて、お客様の元へ発送させていただきます。
「沖縄人気作家の食器コーディネート体験」
日時:2024年1月 11日(木)、12日(金) 、13日(土)、14日(日)
各日①10〜11時 ②13〜14時 ③15〜16時 3回実施
※13日は15時のみ。13日、14日の募集は締め切りました。
体験会の詳細は、以下のページをご覧ください。
▼お申し込みはこちらから
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
東道里璃 (とうどう りり)
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