ロンジェ®︎琉球風水アカデミー学長の東道里璃です。

ロンジェ®琉球風水アカデミー5月の活動を、マンスリーレポートとして報告いたします。

風水空間デザイン®︎講座第4回の講義の内容や、受講生の実践や相談に対する私からのフィードバックなどを、一部抜粋して報告いたします。

このレポートを読んでいただくと、住宅や日常生活の風水を改善する基本的な考え方、安心してぐっすり眠れる寝室づくりのコツ、理想のインテリアデザインを成功させるためのヒントなどがわかります。

今回は、理想のインテリアを見つけた時の分析の方法を3STEPで解説しています。理想のスタイルの分析をすることで、自分の好みを言語化できますよ。

住まいと人生をより美しく、心地よくする実践法として、ロンジェ®の風水空間デザイン®︎をお役立てください。

心地良さを生み出す間取りの考え方 5月の全体講義の内容を紹介

2023年5月は、風水空間デザイン®︎講座2級、3級の第4回(全6回)、琉球風水の軸となる理論「四神相応」と「寝室」をテーマに、オンラインで講義を行いました。

風水には、2つの流派があります。物の形から生じるエネルギーの流れを看る「形勢派(けいせいは)」と、方位を看る「理気派(りきは)」です。一般的に知られているのは、方位を看る理気派ですが、風水空間デザインの考え方の軸である琉球風水では、形勢法8割、方位2割で風水判断を行います。

形勢派は、巒頭(らんとう)派、龍象徴主義という別名も持っています。巒という字は、山の連なりという意味。山の連なりから龍の勢いを看ています。自然の一部として自分を自然の中に置いて、地球と一体化するように大地を見つめていくことが、形勢派の姿勢です。

巒頭では、龍穴=パワースポットを構成する要素が4つあります。「龍(りゅう)」「穴(けつ)」「砂(さ)」「水(すい)」です。

まず、「龍」とは大地や山の起伏。「穴」は、霊気が集まる場所、いわゆるパワースポットです。そして「砂」は龍穴を抱く周辺環境で、「水」は川や道路です。

「龍」とは、山に流れる地脈で龍の勢いによって山の峰の形が造られます。遠くに見える風景で、「その風景に出会いどう感じるか」を看る情緒的な世界観です。風水で景観を看る時は、まず遠くを看て、近くを看る。そして近くを看て、遠くを看る。全体と部分を行き来しながら看るのが風水師の景観の見方です。

人は美しいものや、きれいなもの見た時、脳内から幸福ホルモンが分泌されます。逆に、汚いもの、苦しいを見てしまった時はストレスホルモンが出ています。ですから、私たちが無意識に目を向ける場所が、心を癒やしてくれる風景=美しい風水景観なのかどうかは、とても重要です。

そして「穴」は、龍の起伏の中のどこに位置しているかを看るものです。「砂」は龍穴を抱く周辺環境(近景)のことで、山や建物の形を看ていきます。首里城ほどの規模なら、山や海などを看ていきますが、住宅の場合は近くの建物や壁、室内なら家具や窓、ドアなどが影響してきます。

「砂」を看る時に大事なのは、「氣の質」も看ることです。現代の私たちの日常には、デフォルトのまま生活していると身の回りに有害物質があふれています。水の質、空気の質をしっかり看ていくことも形勢法の一つです。そして最後は「水」。風水で水は流通をあらわし、財を象徴します。

「龍」「穴」「砂」「水」それぞれが司るものは、運気と大きく関わっています。「龍」が司るのは「地位や繁栄」。これは立地条件です。そして「穴」は吉や凶、立身出世を意味する。「砂」は健康や寿命、これはクオリティーと大きく関わっている部分です。そして「水」はお金、貧富を表します。

「龍」「穴」「砂」「水」すべてをバランスよく整える。これが形勢法の基本的な考え方です。

「四神相応」は、パワースポットをつくり出す形勢法の基本的な概念です。

真ん中に龍穴があって、背中に「玄武」、前方に「朱雀」、左腕に「青龍」、右腕に「白虎」、この4つの聖獣に囲まれた空間は、守られた安心感のあるパワースポットだという考え方です。

4つの聖獣はそれぞれに役割を持っています。「玄武」は守り。背中を厚く守って、その人のバックサポートをしてくれます。「朱雀」は先見の明を持っていると言われています。遠くを見通す、時間軸で未来を見通す生き物ですから、前方が開けて見通しがいいと、朱雀はいきいきと仕事をしてくれます。

そして左腕の「青龍」は、高くて勢いのある、龍が躍動するような山。右側の「白虎」は丸く、なだらかな山。いつでも飛び出していけるように低く構えて、守っています。

受講生からは、「龍、穴、砂、水については以前、別の読み物で見たことがあったが、近景と遠景、クオリティー、健康寿命などを表すという点は初めて聞きました。勉強になりました」「先日四国に行った際に回ったお寺が、四神相応に基づいて建てられていることに気づいて感動しました。背後に玄武があって、朱雀、青龍、白虎に囲まれている。それがわかって、すごくよかった」などの感想がありました。

寝室は光穏やかで落ち着く場所へ

琉球民家のプライベート空間は、「裏座(うらざ)」と呼ばれます。住宅の裏側、来客の動線や視線にさらされない奥まった場所にあり、北側を向いているのが特徴です。直射日光が届きにくく、とても穏やかな氣が流れていて、寝室や産室として使われていました。琉球民家の裏座から現代住宅に応用できるエッセンスは次の3つです。

私の自宅は、築50年の鉄筋コンクリート造の平家ですが、琉球民家と同じ間取りになっているため、裏座を寝室として使っています。静寂な環境であることが、眠り心地に大きく影響することを改めて実感しています。

寝室は人体に例えると自律神経で、健康運と愛情運を司ります。健康運を高めるためにも、安全で快適に眠ることのできる環境を整えることが重要です。

理想的なベッドの配置は、扉の対角線上に置き、ベッドの頭は壁につけること。窓はベッドサイドにあるのがベスト。光や風などの動的な氣の影響を受けないため、落ち着いて眠ることができます。

ただ、日本の一戸建て住宅の場合、部屋の二面が窓になっている場合が多く、ベッドのヘッドボードを壁に向けることはなかなか難しいのが現状です。

窓にしかベッドの頭が向けられない場合、窓が二面あるなら、できるだけ静かなほうを選んで頭を向けてください。また、寝るときは遮光カーテンをしっかり閉めることで、氣の出入りを穏やかになります。 眠りの質を高めるための、寝室の氣の流れを整える手順は次の通りです。

天井の梁やエアコンが頭上にあると、氣が圧迫されて眠りの質が落ちます。柱も、張り出した角がベッドに向かっていると鬼角になります。鬼角が寝ている身体に向かっていると、安心感が得られないのに加え、その鋭い氣が当たる部分に不調が出ることもあります。寝姿を映し出す鏡もNG。鏡から跳ね返る強い氣が身体に当たると、落ち着きません。

寝室で特に気を配っていただきたいのは、寝ている身体の安全性です。寝ている身体の上にあるぶら下がり照明、ベッド脇の背の高い家具は、地震の時に照明が落ちてきたり、家具が倒れてくる可能性があるため、無意識に安心感が得られません。

ロンジェの兵庫県在住の受講生のお話では、阪神・淡路大震災の時、寝室で家具の下敷きになって亡くなられた方が多かったそうです。私自身、東日本大震災を体験しましたが、寝室に置いていた本棚から、本が凶器のように飛んできました。

便利であることより、お洒落であることより、なによりも命が大切です。寝室に置く家具は最低限に。どうしても置く必要がある場合は、チェストなど腰より下の高さに抑えてください。安心して穏やかに眠る寝室環境を整える知恵として、琉球風水をお役立てください。

受講生の実践課題より〜インテリアスタイル分析

理想のインテリアにぴったりの家具を選ぶ

サロンの施術室で使っている場所を、私の書斎として模様替えするため、理想の家具のイメージ写真を集めてインテリアスタイルを分析しました。先生に教えていただいた「コロニアル」「クラシック」などのスタイル名で検索。それぞれのスタイルの細かい違いは、まだうまくつかめていないのですが、自分が素敵だな〜と思う家具がいくつか見つかりました。

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学長 東道里璃からのフィードバック「理想のインテリアを見つけたら徹底分析を」

素敵な家具が見つかってよかったですね。細かいインテリアスタイルがまだうまくつかめていないということですが、まずは一つ、自分の理想のイメージのインテリアを見つけてみてください。そして、それを徹底的に分析してみるのがおすすめです。以下の3ステップでは、分析してみてください。

ブリティッシュコロニアルスタイルであれば、シンガポールのラッフルズホテルの客室は、とてもよいサンプルです。私が建築・インテリアの世界に興味を持ったのは、このホテルとの出会いが大きなきっかけになりました。

STEP1 :部屋全体の配色バランスを確認する

部屋全体に使われている色と、配色の比率を見てみてください。ラッフルズホテルの場合、ホワイト70%、ダークブラウン25%、ダークトーンの赤や青が5%程度の比率です。

STEP2:家具の色を分析する

家具の木材の色は、インテリアイメージを決定づける要素にもなっています。木材の素材や色を見てみましょう。ロンジェのスクール生は、私の好みと近い方が多いので、クラシック系の方はマホガニーとチーク。モダン系の方はウォルナットやホワイト家具を好む方が多いです。

Colors spectrum.【色相環】

上の色相環でわかるように、実は、「茶色」という純色は存在しません。茶色は何かしらの純色にグレーを混ぜていくと、色が濁って茶色になります。木材は「茶色」ですが、どの純色にグレーを混ぜた色なのか、木材の茶色のアンダートーンを見抜くことがポイントです。それがわかると、色の統一感が取れたインテリアをつくることができます。

STEP3:家具のデザインを分析する

家具のデザインは脚の形に特徴が出ることが多いです。装飾があるか、ないか。装飾があれば、曲線的か、直線的か、どんなシェイプかを見てみましょう。好みの家具の特徴がつかめれば、自分の好みのインテリアスタイルがなにかも判断がつくことが多いでしょう。

ずっと使い続けたいお気に入りの家具をシリーズで揃えていきましょう

家具はインテリアの主役です。家の一部でもあります。家具選びを間違えると家全体の雰囲気が、全く違ってきます。家具を選びでインテリアが決まるといっても過言ではありません。妥協せずに、お気に入りの上質な家具を選ぶようにしましょう。スタイルを揃えて一つ一つ買い揃えていくと、家を新築する際の設計は楽になります。「ずっと使い続けたい」と思える上質な家具を統一感をもって揃えておくことで、新築設計時の造り付けの家具の数も減ります。すると、建築コストも下げることができます。

インテリアのトータルコーディネートがうまくできない理由の一つに、家具の予算の見積もりが甘いことが挙げられます。特に、エレガントやクラシックなスタイルは「上質感」がポイントです。デザイン的におしゃれに感じたとしても、素材に上質感があるかどうかで醸し出す世界観が異なります。

家具は、全体の世界観のイメージを作り上げて、必要な予算を組んでおくことが大切です。家具の価格相場を把握し、 一生モノを一つひとつ揃えていくという感覚でいれば、安心して家具の購入ができますよ。

快適に使えるデスク選び、レイアウトのポイントは?

受講生からのご質問

Q. 書斎のデスク選びで迷っています。自分が使い心地が良いと感じるサイズと、空間に適したサイズがなかなか合いません。どちらを優先すべきでしょうか?

A. デスクは必ず、空間に入る大きさに合わせて設計しましょう高さもとても重要です。

デスクは、ご自身が使いやすい理想のサイズがあると思います。しかし、空間のサイズと調和をとることが快適に過ごすポイントです。デスクワークする空間の大きさが決まっている場合は、自分が使いたいサイズよりも、部屋のサイズに合わせます。なぜなら、デスクで空間がいっぱいいっぱいになってしまったら、収納スペースや快適な動線が確保できず使いづらくなってしまうからです。

デスクを決めるポイントは2つ。

  1.  デスクの大きさは、空間のサイズに合わせ、収納スペースを確保した上で決める
  2.  椅子とデスクの高さは、自分の身長に合わせる

風水では、自分がいる位置の前方にある広く開けているスペースを「明堂(みょうどう)」と呼び、ここは財運がとどまるスペースです。デスクの前にも明堂があるのが理想的ですが、壁に向けて壁付けでデスクを置くケースも多いと思います。その場合、デスクの奥行きは90cm確保して、前方に圧迫感がでないようにしてください。前方に圧迫感がると、アイデアが出てこなくなります。ゼロから一の発想が浮かんでくる環境は、前方が広く開けた空間です。

椅子と背後の壁の間は、動線が100cm取れると理想的です。スペースがない場合も、80cmは確保してください。デスクの前に収納がある場合、デスクの前のラインと収納との間の動線は60cmは確保してくあさい。部屋の寸法をしっかり計測し、自分の理想のサイズのデスクを置いたパターン、空間のサイズに合わせたパターンなど、2〜3種類ほどレイアウト図面を作ってみると良いでしょう。

デスクの高さについては、人間工学の観点からデスクと椅子の高さを身長に合わせると、長時間デスクワークでも疲れや腰の痛みもなく、集中して続けることができます。日本の既製品のデスクの多くは、日本人男性の平均身長170cmを基準に造られています。女性には高すぎるケースが多いんです。ちなみに私は身長150cmなので、椅子の高さは36cm、デスクの高さはPCのキーボードを打つ時に肘が直角になる60cmにしています。まずは、身長から椅子の高さを出して、椅子の高さに合わせて机の高さを決めます。書斎は仕事場ですので、50年以上使うつもりで、一生モノをオーダーメードで制作するのがお勧めです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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東道里璃【Lily Todo】 株式会社ロンジェ 代表取締役 立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士 著書「琉球風水で叶うナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」(ガイアブックス刊) 東京世田谷区出身。成蹊大学経済学部卒。財団法人日本道路交通情報センターに入社し、JARTIC道路交通情報キャスターとしてNHKテレビ、J-waveなどに出演。夢を叶え、充実した人生であったが、忙しい生き方に疑問を抱く。「自然が好き」という価値観に素直に生きることを決意し、退職してニュージーランドへ。1年間、スクーバダイビング、スノーボード、トレッキング、アフタヌーンティーの旅に出て、東京の経済優先の価値観が音を立てて崩れる。「豊かさとは一体なんなのか?」を自分に問いかけるきっかけとなる。帰国後、立教大学大学院へ進学。在学中、乗馬の練習中に落馬して骨盤を骨折し2ヶ月入院。うつ病になるも、なんとか修士論文を書き上げ異文化コミュニケーション学修士号取得。卒業後、新築注文住宅の設計で風水との運命の出会い。しかし、設計は失敗。理想の未来を描けない東京の土地を離れ、2011年沖縄の離島へ移住。沖縄が東京から南西方位にあり、引っ越しのタイミングに風水的大吉方位だったので、風水の効果とやらを実験してみたかった。沖縄最初の新居は、築180年の琉球民家。離島の集落で王朝時代の風水集落に出会い、人生の使命を見つけたと確信して琉球風水師に転身。過去の新築住宅設計失敗の理由を徹底分析。2012年、親族も友人も誰も知り合いのいない宜野湾市で、琉球風水スクールを立ち上げる。ブログによる情報発信が新聞編集者の目に留まったことを機に、沖縄タイムス系新聞コラム通算80本以上執筆。有名企業・団体からの依頼でセミナー講師を務め、参加者の数は1000人以上に。新築住宅や商業空間の現場でも風水デザインを監修。2022年『琉球風水でナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書』出版。現在、聖地の点在する南城市の風水集落に住み、オンライン&対面のハイブリッド型のスクール、ロンジェ琉球風水アカデミー運営。少人数制の個別対応で、受講生に寄り添い、ひとりひとりの価値観にあった土地選び、家選び、室内装飾、生き方を一緒に考えている。県内の大学でも非常勤講師を務める。 「生き方に迷ったら、リセットボタンを押してみよ。人生はゲームさ。何度でもリスタートできるよ」 特典付きニュースレター「琉球風水インテリア通信」配信中 https://longe.jp/newsletter/