写真左:東道里璃 写真右:玉城焼窯元の稲福哲雄さん

こんにちは、東道里璃です。

沖縄本島南部の南城市の海をイメージして、沖縄工芸品を使いテーブルコーディネートをいたしました。沖縄工芸品が主役の英国式テーブルコーディネートによる沖縄オリエンタルスタイルのインテリアです。沖縄工芸品テーブルコーディネートのレクチャーと体験イベントも行いました。海をコンセプトにした東西折衷スタイルづくりの参考になさって下さい。

沖縄工芸品と英国式テーブルコーディネート

今回のコーディネートで使用しているアイテムのご紹介です。

やちむんは稲福哲雄さんの玉城焼(たまぐすくやき)

今回のテーブルコーディネートの主役となる沖縄工芸品は、南城市玉城(たまぐすく)にある玉城焼の窯元、稲福哲男さんのやちむん。沖縄県工芸士でいらっしゃいます。コマカアイランドブルーというシリーズで、世界遺産「斎場御嶽(せーふぁうたき)」の前に浮かぶ無人島、コマカ島周辺の美しい青をイメージしたお皿です。沖縄南城セレクションを受賞した南城市を代表するやちむんです。お皿の表面には、海面の光イメージしたキラメキがあり美しい輝きを放ちます。南城市玉城玉城に工房があります。

琉球漆器は工房ぬりトンの森田哲也さんの汁椀

琉球漆器は、首里城の漆の施工にも関わられていらっしゃる、沖縄県工芸士の森田哲也さんの汁椀です。森田さんの汁椀は3種類ありまして、その中から錫(すず)を使ったゴールドシルバーの汁椀です。錫を使った漆製品はシルバー寄りになるものも多いのですが、森田さんの汁椀はゴールド寄りの色が出ていて、上品な輝きがあります。沖縄県産木を使用されており、本漆の3回塗りで制作されています。沖縄県では漆は取れないそうですが、高温多湿の気候が漆の制作には適しています。琉球漆器は、琉球王朝時代から続く格式高いハンドクラフトで、経済産業省指定の伝統的工芸品にも指定されています。

プレイスプレートは漆器の折敷

テーブルコーディネートでは、一人一人のテーブルにプレイスプレートというマットを敷きます。その上にお皿を載せます。日本では折敷や、ランチョンマットなどが使われています。英国式テーブルコーディネートのセッティングで東洋の雰囲気が出すのに欠かせないのが「漆器」です。しかし、漆器は高額でメンテナンスも手間がかかることから、日常生活に気軽に取り入れるのが難しいアイテムでもあります。フォーマルな非日常の食卓ではなく、日常の食卓に取り入れるため、気軽に利用できる漆と合瀬樹脂の合成塗料で制作された折敷を取り入れています。テーブル中心にあるセンターピースの三段トレイも合成漆器です。

テーブルナプキンは紅型(びんがた)

沖縄の染め物の生地といえば、紅型です。紅型は、琉球王朝時代の王族の衣装や琉球舞踊で着用されたもので、大変手間のかかる工程を経て制作される作品です。今も、着物や帯の生地として制作されていますが、伝統的な工法で作られた手染めの紅型は高額で、テーブルトップで利用できるようなものではありません。テーブルウエアとしての商品もほとんどないため、今回はコットンにシルクスクリーンプリントで制作された紅型柄のハンカチを、テーブルナプキンに巻きつけています。稲福哲男さんのお皿は海がテーマですので、紅型の柄も海の中をテーマにしました。カラフルな色使いの紅型は、テーブルトップに素敵なアクセントになります。

テーブルクロスは撥水加工で乾きやすく

沖縄も日本も、食卓の歴史をたどると、畳の部屋で一人用の脚付きお膳で配膳されていました。テーブルが使われ始めたのは、大正時代にちゃぶ台が普及してからです。よって、テーブルクロスの歴史や文化がありません。しかしながら、現代住宅では、多くの人がダイニングテーブルを使用しています。食事の土台となる文化が大きく変わっています。食卓をつくる土台は西洋に習い、テーブルの上の食器に東洋のアイテムを使っていくことで東西折衷スタイルを作っていきます。

テーブルクロスにはいろいろ種類がありますが、こだわりたいのは、「色」「素材」「サイズ」です。自分が住んでいる家のインテリアの中で、相性のいい色のトーンがある程度決まっています。テーブルクロスは色味よりも、トーンを一定にすると、季節やイベントに合わせて様々な色味を選ぶことができます。私の場合は、オリエンタルスタイルと相性の良い、ディープトーンのテーブルクロス4色と、淡いホワイト・ベージュ系の色を揃えています。

素材は、できるだけ生活の中に天然素材を取り入れたい気持ちがありますが、テーブルクロスはポリエステルを使用しています。ダブルサイズのシーツ程の大きさがあるので、洗濯後に乾きやすいとメンテナンスが楽です。天気のいい日には1時間程度で乾いてくれるようなものが気に入っています。また、テーブルクロスには食べ物のシミが付きやすいので、なるべく汚れがつきにくいよう撥水加工もしてあると便利です。

サイズは、ダイニングテーブルに合わせてつくると美しいです。垂らす部分を長めにするとエレガントな印象になります。テーブルの端から20〜30cmほどが目安です。テーブルサイズの縦と横に60cmプラスしてサイズを出してください。カジュアルなスタイルではれば、垂らす部分を10cm程度にすると良いでしょう。

今回は、海がテーマですので、テーブルクロスは深海のイメージでディープブルーを選びました。ダイニングテーブルのサイズD900mm×W1700mmに対し、テーブルクロスは1500mm×2400mmのサイズを掛けています。テーブルコーディネートに適したダイニングテーブルのサイズは、D900mm×W1600~1800mmです。私は自宅はもちろん、仕事でもテーブルコーディネートをするので、ダイニングテーブルがD900mm×W1800mmを想定して、テーブルクロスは1500mm×2400mmで揃えています。

その他、ナプキンリングや箸置きなどは、これから沖縄工芸品で商品を揃えていきたいと思っています。

コンセプト設計は、スタイルとテーマを決める

さて、テーブルコーディネートは、見本を見ただけではなかなかできるようにはなりません。インテリアコーディネートと同じく、基礎的な考え方を知っておくことが上達への近道です。あなたのお気に入りの食器をさらに輝かせるために、最適なコーディネートしてみませんか。

なにかをトータルにデザインするときは、コンセプトの設計からスタートします。ビジネスの事業計画を立てたり、インテリアコーディネートをする時もコンセプト設計が重要ですが、テーブルコーディネートも同じです。ただ、事業計画やインテリアに比べてテーブルは規模が小さいので、全く経験のない方でも、基礎を学べば比較的簡単にできるようになります。

私の場合は、東西折衷の沖縄オリエンタルスタイルを基本にしています。今回は、食器を主役にコンセプトを設計しました。

テーブルコーディネートに寓意(ぐうい)をこめて

スタイルは「オリエンタル」、食器は「沖縄工芸品」、テーマは「海」がコンセプトです。なお、風水的な考え方を、モチーフや色に取り入れています。「魚」は、富、子孫繁栄、調和を表す吉祥のモチーフです。また、金の箸は収入源を増やす縁起ものとしての意味を持ちます。テーブル全体では、青は自然界の「水」を表しています。五行の水の気は、内側の美しさを磨く、知性を高めるなどの意味を持ちます。モチーフ、物、色などには、それ自体が何かしら関連する意味を含んでいます。これを寓意(ぐうい)と言います。装飾性に加え、寓意が込められていると、飾り付けの楽しみも広がります。

テーブルコーディネートの考え方とやり方の基本

テーブルコーディネートは、何も知らなくても、身体で感覚的に体感できます。インテリアコーディネートも、テーブルコーディネートも、直感的な判断が大きいです。アイテムを合わせて見た瞬間に「ぴったり!」や、「なにか合わない」など、誰でも感覚的に捉えることができます。感覚的になにかを感じた時に、論理的に頭がで理由がわかると、デザインは楽しくなり、上達します。なので、体験前にレクチャーで理解を深めておくと、感覚を裏付けする自信が持てます。

スタイルが決まると色が決まる

テーブルコーディネートの肝は、スタイルと色です。自分の好みのスタイルがわかっていると、相性の良い色は決まっています。沖縄は光が強いので、鮮やかめの色がインテリアにも似合います。しかし、大人の落ち着き感も欲しいので、色のトーンは、鮮やかだけど落ち着きもあるディープトーンが中心です。トーンを一つ決めておくと、季節に合わせて色味をカラフルに楽しんでも、インテリアはまとまります。

今回は、コマカアイランドブルーの青は、少し明るめの青でしたので、同系色のダークブルーのテーブルクロスを選び、全体的に落ち着きのある世界になっています。お皿の質感に落ち着きがあります。スタイルは、色、素材、モチーフにより生み出されるので、全体的な雰囲気を合わせることでまとまりがでます。

お皿やテーブルクロスの色を実際に合わせてみる

ある程度候補が決まったら、実物を合わせて見ることです。この段階になると、私も緊張感の連続です。食器に場合は、ものが小さいのでインテリアや建築と違ってサンプルの取り寄せなどもできないことが多いです。ネットでリサーチをして情報を集め、実際に店舗へ行って確認します。食器を探すのがこれほど大変とは想像もつきませんでした。テーブルコーディネートを始めてから、沖縄県内のショップや工房を走り回っています。

講義の後に、テーブルセッティング体験

最初に、テーブルコーディネート考え方、やり方を頭に入れて、その後、実際にセッティングしてみるとテーブルコーディネートがどんなものなのか体感できます。私が行っている「沖縄工芸品のテーブルコーディネート体験」では、レクチャーの後に、セッティング体験を行ってます。

テーブルコーディネーターの必需アイテムは、メジャーです。丁寧に測りながらレイアウトしていきます。きれいに並べてるつもりだけど、まとまらないと感じていた方は、メジャーを使ってみると解決できるかもしれません。

以上、テーブルコーディネートのコンセプト設計、デザインの考え方とやり方、そして、体験の様子をお伝えしたしました。東洋の香りがする食器を現代のテーブルライフでおしゃれに楽しむために、お役立ていただければと思います。

ご紹介したテーブルウエアの工房、及び、購入ができるお店

玉城焼(たまぐすくやき)沖縄県工芸士 稲福哲雄さんのやちむん工房&ショップ

沖縄県南城市玉城玉城90−4 不定休 

玉城焼WEBサイト

工房ぬりトン 沖縄県工芸士 森田哲也さんの琉球漆器工房

沖縄県島尻郡八重瀬町字仲座834-2 

工房ぬりトンWEBサイト

※工房では食器販売を行っていないため、取扱店舗は上記HPよりご確認ください。本記事で紹介した汁椀は、当店にて受注生産にておお買い求めいただけます。「沖縄工芸品テーブルコーディネート体験」で、是非、実物をご覧ください。

城間びんがた工房

沖縄県那覇市首里山川町1丁目113

テーブルナプキンに巻き付けた紅型ハンカチを上記工房で購入できます。店舗へ直接お問い合わせください。

沖縄工芸品セレクトショップ 璃盆(りぼん)【テーブルクロス・テーブルナプキン】

東道里璃プロデュース 沖縄工芸品テーブル装飾セレクトショップ 「璃盆」(りぼん)

沖縄県南城市玉城玉城107

テーブルクロスは撥水加工済みで、サイズはオーダーメイド対応です。お手持ちの食器と合わせて色をご確認いただけると安心です。「沖縄工芸品テーブルコーディネート体験」にご参加いただきますと、全6色のテーブルクロスに、あなたのお手持ちの食器を合わせてコーディネートの確認ができます。

次回「沖縄工芸品テーブルコーディネート体験」は2024年3月頃

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東道里璃【Lily Todo】 株式会社ロンジェ 代表取締役 立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士 著書「琉球風水で叶うナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」(ガイアブックス刊) 東京世田谷区出身。成蹊大学経済学部卒。財団法人日本道路交通情報センターに入社し、JARTIC道路交通情報キャスターとしてNHKテレビ、J-waveなどに出演。夢を叶え、充実した人生であったが、忙しい生き方に疑問を抱く。「自然が好き」という価値観に素直に生きることを決意し、退職してニュージーランドへ。1年間、スクーバダイビング、スノーボード、トレッキング、アフタヌーンティーの旅に出て、東京の経済優先の価値観が音を立てて崩れる。「豊かさとは一体なんなのか?」を自分に問いかけるきっかけとなる。帰国後、立教大学大学院へ進学。在学中、乗馬の練習中に落馬して骨盤を骨折し2ヶ月入院。うつ病になるも、なんとか修士論文を書き上げ異文化コミュニケーション学修士号取得。卒業後、新築注文住宅の設計で風水との運命の出会い。しかし、設計は失敗。理想の未来を描けない東京の土地を離れ、2011年沖縄の離島へ移住。沖縄が東京から南西方位にあり、引っ越しのタイミングに風水的大吉方位だったので、風水の効果とやらを実験してみたかった。沖縄最初の新居は、築180年の琉球民家。離島の集落で王朝時代の風水集落に出会い、人生の使命を見つけたと確信して琉球風水師に転身。過去の新築住宅設計失敗の理由を徹底分析。2012年、親族も友人も誰も知り合いのいない宜野湾市で、琉球風水スクールを立ち上げる。ブログによる情報発信が新聞編集者の目に留まったことを機に、沖縄タイムス系新聞コラム通算80本以上執筆。有名企業・団体からの依頼でセミナー講師を務め、参加者の数は1000人以上に。新築住宅や商業空間の現場でも風水デザインを監修。2022年『琉球風水でナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書』出版。現在、聖地の点在する南城市の風水集落に住み、オンライン&対面のハイブリッド型のスクール、ロンジェ琉球風水アカデミー運営。少人数制の個別対応で、受講生に寄り添い、ひとりひとりの価値観にあった土地選び、家選び、室内装飾、生き方を一緒に考えている。県内の大学でも非常勤講師を務める。 「生き方に迷ったら、リセットボタンを押してみよ。人生はゲームさ。何度でもリスタートできるよ」 特典付きニュースレター「琉球風水インテリア通信」配信中 https://longe.jp/newsletter/