ロンジェ琉球風水アカデミー7月の活動を、マンスリーレポートとして報告いたします。
風水空間デザイン®︎講座2級・3級第6回の講義内容と修了パーティーの様子、受講生の実践や相談に対する私からのフィードバックなどを、一部抜粋して報告いたします。
このレポートを読んでいただくと、安心感があり、笑顔でいられる美しいリビング・ダイニングの調え方、八方位と五行でインテリアを調和させるコツ、インテリアプラン作りのヒントなどがわかります。
住まいも人生もより美しく、心地よく充実させる学びと実践法として、風水空間デザイン®︎をお役立てください。
インテリアのアクセントで運気アップ 7月の全体講義の内容を紹介
7月は、風水空間デザイン®︎講座2級、2級の最終回、第6回の「八方位鑑定」と「現住宅のリビング・ダイニングの風水」をテーマに講義を行いました。
八方位鑑定は、風水の中では一番有名な鑑定法です。八方位鑑定では、空間の方位を把握して、どの空間にどの八卦、五行が入っているかを見て、現状を分析します。現在の空間の中で、「氣が足りないのか」「過剰なのか」を判断することが目的です。そして、現状を把握した後に、氣が足りないところには必要な氣を補い、氣が過剰なところは氣を抑制し、全体の調和をはかります。
1.インテリアアクセントでの利用
住宅デザインで八方位を生かす一番使いやすい方法は、インテリアのアクセントでの利用です。ファブリックのモチーフに八方位のシンボルを入れる、方位と相性のいい色を使う、絵や置物に八方位のシンボルと相性のいい形を取り入れてみるのが、代表的な使い方です。
2.インテリア建材での利用
インテリア建材の素材選びにも活用できます。木材や陶器など、素材の質感が五行に分類できますので、方位と相性のいい素材を空間に取り入れることでも、氣の調和をとることができます。
3.お部屋のコンセプトづくりでの利用
八方位にはそれぞれ象徴する運気があります。その運気を踏まえて、「こんなお部屋がつくりたい!」というコンセプトを考えるのも有効です。
風水空間デザイン®︎では、間取り設計には八方位鑑定を使いません。理由は、間取り設計で方位の運気や空間を固定する考え方を使ってしまうと、氣の流れが調わなくなり、住み心地の良さを犠牲にしてしまうことが多々あるからです。
360度を45度の区画で八等分した「東」「西」「南」「北」「北東」「南東」「南西」「北西」の8つの方位には、それぞれ「象意」があり、その方位に宿る「運気」があります。各方位は五行、時間、季節などと深い関連があり、相性のいい色や形などが含まれています。
方位と連動した五行は、八方位鑑定で空間と方位の相性を診るときのポイントにもなってきます。八方位鑑定を行うときは、八方位の象意を踏まえ、方位の持っている運気に合わせた空間の調え方と、五行の相性をみながら調えていく二種類の考え方があります。 八方位鑑定は、風水空間デザインの4つの鑑定法の中で一番優先順位の低い鑑定法ですが、八方位と五行、2つの象意を活用することで、その方位の持つ運気を活性化し、美しく心地よいうえに、ワクワク感のあるインテリアに仕上げることができます。
陰陽、五行、八卦とは、風水の原理原則です。陰陽五行はワンセットで語られることが多いですが、全く別の考え方です。まず陰陽があって、五行ができて、その次に八卦ができたという流れがあります。
宇宙の万物は、「木・火・土・金・水(もくかどごんすい)」の5つのエレメントに分類できるというのが五行の考え方。それぞれのエレメントは時間や季節、方角などさまざまな意味を含んでいます。
基本的な性質をご説明すると、例えば木の季節は「春」です。時間帯は、朝の日の出の時間からお昼前の午前中の時間。方角は「東」で、素材は「木や紙」を表しています。形は、木のように上に伸びていく「長方形」。「成長や発展」の意味を持ち、人間学からのアプローチから捉えた能力では、「自立」するという意味を持っています。
五行には相性があります。「相生(そうせい)関係」と「相剋(そうこく)関係」です。
相生は生み出す関係です。「木」は、たっぷりの「水」を吸収することで、上に伸びます。「火」は木が風でこすれることで生じます。そして「火」は、燃えた後、灰となって「土」になります。「土」の中に「金」が生まれ、「金」が冷えると「水」が生じます。五行の相関図における一つ前のエネルギーとは氣を生じる存在で、エネルギーを強めてくれる存在になります。
一方で相剋関係とは、破壊する、破壊される関係にあります。右図の「水」と「火」の関係を見て下さい。矢印が向かっているエレメントが破壊されるほうで、「火」は「水」によって消されます。そして「土」は、「木」が育つことによって養分が吸いとられると考えます。「金」は「火」に溶かされます。「金」と「木」の関係では、斧=金によって木は切り落とされると考えます。
破壊されるのもよくないのですが、破壊するときもエネルギーを消耗します。相剋関係は相性の悪い関係性です。
リビングは、家族の愛情を深める場所。人体に例えるならさまざまな栄養分が集まってくる肝臓を表しています。そして食事をする場、お客さまをもてなす場であるダイニングは、健康運、人間関係運を司どり、人体では胃腸にあたります。
LDの風水を良くするエッセンスは、「安心感があって、笑顔でいられる場所」にすること。家族の愛情運、人間関係運が上がるような空間を目指していきましょう。
琉球民家の表座を参考にすると、「窓から見える風景が美しい」「心地よい光と風」というポイントがあります。そして、現代の私たちは必ず家具を置くので、ソファやイスを安心感のある配置にしていきましょう。
LDは、座る場所がポイントになります。ソファの好ましい配置例をご紹介します。
ソファは、座っている人が扉を向いているレイアウトだと、入口から入ってくる人が見えるので、安心感があります。そして、ソファの背後に壁=玄武があることで、守られた環境になります。
逆にソファの背後に入口がある配置だと、人が入ってきても分からず、背後が無防備に。そのうえ悪い氣をダイレクトに背中で受けることになるので、ご注意ください。
ダイニングのポイントは、イスの真後ろにドアが来ないこと。ダイニングチェアの真後ろにドアがある間取りだと、落ち着きません。実際にその間取りに住んでいる受講生は、「家族がダイニングでご飯を食べないんです」とおっしゃっていました。
安心して座っていられない場所に、人は集まらないと言えます。ただ、このような間取りでもパーティションを置くなど対処法はありますので、お部屋をうまく使っていただければ思います。
また、座る場所の真上に梁、座っている場所の前方に鬼角(家具や柱などの尖った角)がなければ、心地よく座ることができます。
人が集まる場所なので、家族それぞれの物も集まってきます。収納システムの構築は、大きなポイントです。暮らし方の面で注意したいのは、テーブルの上にものが出っ放しになっていないこと。テーブルに物が山積みになってしまうと食事をするのも億劫になってしまいます。
人が集まるリビングとダイニングは、ディスプレイにも気を配りたい場所です。西洋の住宅には、各部屋にマントルピース(暖炉)があり、ここがフォーカル・ポイントであり、ディスプレイを楽しむ場所でもあります。寒い国では、暖かさを求めて火に人が集まってくるため、マントルピースが部屋の主役であり、自慢の場所。ここの装飾が、家を調える上では最も重要です。
日本でも、洋風スタイルの住宅に住むのが当たり前の時代ですが、機能性やコンパクト性だけ追い求めて装飾が全くなく、殺風景になってしまっているケースもよくあります。暖炉は必要なくとも、コンソールテーブルやチェストを置いて、アートや鏡を壁にかけ、花やライトで装飾すると、素敵なフォーカル・ポイントをつくることができます。
リビングとダイニングは、美しく彩ることを第一に考えたい空間です。視線が集まるフォーカルポイントをしっかりつくることがポイントです。
今年2月にスタートし、6ヶ月にわたった風水空間デザイン講座2級、3級のレッスン。最終講義を終えた後は、受講生たちと玉城本校のダイニングで修了パーティーを行いました。
神戸在住の受講生も来沖。英国クラシックスタイルの6人掛けダイニングテーブルを、私がパーティースタイルでコーディネート。出張シェフの小島圭史さんをお呼びして、こだわり沖縄食材による極上フレンチをいただきながら、半年間を振り返り、話に花を咲かせました。
受講生の実践課題より〜書斎の現状分析とインテリアプラン
書斎を模様替えするため、理想のイメージに合った商品を扱っている家具、壁紙、カーテンのショールームを見学して、商品サンプルをいただいてきました。サンプルを図面データ上に並べて、書斎のイメージプランも作ってみましたが、理想がまだ絞り切れていないため、入った家具を並べてみただけになってしまった気がします。
現状分析は、どう分析すれば良いか迷いました。現状を一つ一つしっかり分析して、自分が書斎でやりたいことを言語化できれば、インテリアスタイルも必要な家具もはっきりしてくるかなと思いました。
◇ ◇ ◇
学長 東道里璃からのフィードバック「本物の体感+知識のインプットで深める」
ショールームで選ばれた商品サンプルを、ショールームの担当者からロンジェまで送ってもらいましたので、Yさん作り出したい世界が、私にもしっかり見えてきました。
商品サンプルは気に入ったものを選ばれたようですが、壁紙、カーテンの生地、家具などトータルで見てみると、配色やスタイルの統一がまだできていない状況です。ご自身で、どのインテリアスタイルの、どういうところに魅力を感じているのかという点が、まだ明確になっていらっしゃらないのではないかと感じました。
また、現状分析には次の4つのポイントがあり、どれが欠けてもプランがうまく仕上がりません。
- 東洋の風水思想(精神性=スピリット)
- 西洋の装飾美(プラスの美学 インテリアスタイル 思想 歴史)
- デザインのテクニック
- 商品知識
インテリアのプランニングにおいては、1と2が根っこで、3と4は枝葉の部分です。これらがそろって初めて、美しくデザインされた世界が花開きます。
日本では、戦後に日本家屋から洋風住宅へとスタイルが変わり、私たちはその中で暮らしてきました。洋風住宅で「こんな世界に辿り着きたい」というイメージを描くためには、西洋の住宅・インテリアの歴史と文化を知ると、より明確なイメージが描けるようになります。
インテリアスタイルや暮らしの美学については、本物を見て体感することが大切です。西洋の文化と住宅を体感するには、神戸の異人館など、日本の明治初期から大正時代に建築された洋風建築を見学に行かれることをお勧めします。実際の空間を五感で感じ、書籍や講義で知識をインプット。これを繰り返していくことが、インテリアプランづくりの練習になります。
また、色彩理論とインテリアスタイルの歴史を学ぶことで、現状分析も、理想の空間で使いたい色や柄の調和もしっかり決まってくると思います。こちらは来月の講義でレクチャーを行いますので、楽しみになさっていてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
東道里璃 (とうどう りり)
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