ロンジェ®︎琉球風水アカデミー学長の東道里璃です。

風水空間デザイナー®︎養成講座の2022年6月の活動を、マンスリーレポートとして報告いたします。

コミュニティメンバー限定で、毎月開催しているグループコンサルティングや、新聞連載コラム第3回の内容、受講生からの相談に対する私からのフィードバックなどを、一部抜粋してお届けします。

このレポートを読んでいただくと、お部屋をリゾートインテリアスタイルに設る配色のポイントや、風水師の視点から見た沖縄の自然と歴史安眠できる寝室づくりのヒントまで分かります。

自然を感じるリゾートホテルライクな美しいインテリア空間を叶え、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)=生活の質を高める実践として、琉球風水をお役立てください。

琉球風水で叶えるリゾートインテリア  グループコンサルティングの内容を紹介

2022年6月の全体グループコンサルティングでは、ロンジェ®︎が提案している、琉球風水で叶えるリゾートインテリアの配色ポイントと、設計手順について解説しました。

風水のいい空間って、どんな空間だと思いますか?

端的にいうと、リゾートホテルのような空間です。開放感があって風通しが良く、周りには植物があって自然を感じる空間。そこに、インテリアの美しさ=美意識がプラスされるのが、ロンジェ®︎が提案するリゾートインテリアの定義です。

沖縄のリゾートホテルの特徴は、自然を感じるリゾート感に西洋のラグジュアリーな雰囲気をプラスしていること。ロンジェ®︎のリゾートインテリアは、「ナチュラルエレガント」と「オリエンタルクラシック」の2つのスタイルに区分けされます。それぞれのスタイルの違いを、簡単にご説明したいと思います。

あなたはエレガント派? クラシック派?

上の表でまず、注目してほしいのは「カラー」です。家具や建具に使われている木材の色で、「ホワイト」「ナチュラルブラウン」「マホガニー」「ダークブラウン」の4種類があります。ホワイトとナチュラルブラウンの家具だと「ナチュラルエレガント」、マホガニーとダークブラウンの家具は「オリエンタルクラシック」なリゾートスタイルができます。実は、家具の色を決めてしまえば自ずと、空間全体に用いる色のトーンが決まってくるということがわかってきました。

◆ナチュラルエレガントスタイル

ホワイト家具を使うと、フレンチシックなエレガントスタイルになります。ナチュラルブラウンの家具は、文字通りナチュラルエレガントスタイル。ナチュラルブラウンの家具は特に、リゾートに好まれる明るく軽やかな印象を作り出すため、多くのリゾートホテルで使われています。

でも、意外と難しいのがナチュラルブラウンの家具選びです。なぜなら、直線的なラインやカジュアルな造りの家具を選んでしまうと、エレガントな雰囲気に仕上がらないからです。直線的なラインの家具は、ホワイトだとモダンやシンプルに。ナチュラルブラウンだとナチュラルカジュアルスタイルになってしまいます。

木材の色が明るく軽いため、明度や彩度といったトーン(色調)だけでは、重厚感やラグジュアリーな雰囲気が出せません。ですから、ナチュラルエレガントスタイルでは家具や建具の形やデザインがとても重要です。ナチュラルインテリアの難易度の高さは、ナチュラルブラウンのエレガントな家具が見つからないことが、一つの理由かもしれません。

◆オリエンタルクラシックスタイル

マホガニーとダークブラウンの家具は、どちらも暗い色ですが深みと落ち着きがあり、伝統的なイメージです。マホガニーは、純色の赤に黒を混ぜていった赤茶色。ブリティッシュクラシックのスタイルです。一方のダークブラウンは、オレンジ色に黒を混ぜていった色味。マホガニーとダークブラウンでは、ダークブラウンのほうが一つ暗いトーンです。

マホガニー(赤茶)はヨーロッパで伝統的に使われてきた色で、クラシカルなデザインを合わせた家具がたくさんあります。また、バリなどアジアで採れるチーク材は、ダークブラウンに塗って家具に仕立ててきたという経緯があるため、ダークブラウンはアジアンリゾートの雰囲気を持っています。ダークカラーの家具を使うことで、オリエンタルクラシックなリゾートを感じるインテリアができ上がります。

家具と建具のスタイルと色で、さまざまなリゾートスタイルを設えることができます。インテリアをデザインするときはこれまでも、まずは家具のスタイルから決めてくださいとお伝えしてきました。家具のスタイルをさらに突き詰めていくと、木材の色を基準にインテリアのトーンを絞ることができます。

色使いのカギは、グレイッシュトーンとディープトーン

トーンというのは、明度と彩度の陰陽バランスのミキサーです。

上表の一番右側がビビッドトーン、これが純色です。上側に並ぶブライトトーン、ライトトーン、ペールトーンは、ビビッドに白を混ぜることによって、だんだんと薄くなっていきます。逆にビビッドに黒を混ぜていくと、下側に並ぶディープトーン、ダークトーン、ダークグレイッシュトーンというふうにどんどん暗くなっていき、最終的に黒になります。

リゾートインテリアの特徴は、建具や家具に木材が使われていることです。空間やインテリアの陰陽の調和を取るために、よく温かみのある色を選んでくださいねとお話しています。それは温かみという心理的な要素だけでなく、非常に薄いペールトーンではありますが、温かみのある黄色やオレンジをプラスすることで自ずと木材と同系色のトーンになり、調和するということです。

クラシック派、エレガント派、どちらもベースカラーはナチュラルトーンで同じです。違いは、家具の色のトーンだけ。明度がエレガントのほうが高く、クラシックのほうが低い。ナチュラルエレガントなインテリアは、クラシックよりも色の明るさがワントーン高くなります。

色使いは、その国の気候に対する光の色味で変わってきます。

沖縄の作家さんが書かれた琉球王朝時代のストーリーの中に、面白いエピソードがあります。江戸のぼりで琉球から紅型を持参し、江戸で琉球舞踊を披露しようとして取り出したらくすんでいたというお話です。みんなものすごく驚いて、「移動中に紅型がくすんだ」と大騒ぎになったそう。でもそれは、着物そのものがくすんだのではなく、江戸の光でくすんで見えたということのようです。

沖縄の光は強いため、色が鮮やかに見えます。南国はストロングトーンのお花のイメージがありますよね。光の性質から、南国リゾートインテリアスタイルで使う色には特徴があります。逆に捉えれば、その色を使うことによって、リゾート感を出すことができます。

◆ナチュラルエレガントの配色の特徴

ナチュラルスタイルは、自然の穏やかなイメージ。そしてエレガントスタイルは、純色にグレーを混ぜていくようなグレイッシュカラーがポイント。ナチュラルをベースに、エレガントなライトグレイッシュを入れていくことで、上品で優雅なイメージが出てきます。

ナチュラルエレガントなリゾートインテリアのベースカラーは、ペール、ライト、ライトグレイッシュあたりのトーンです。色味を統一したうえで、トーンでグラデーションつけるのが色使いのポイントです。

単なるナチュラル、シンプルで終わらせず、エレガントに昇華させるには、家具のラインや質感が重要です。エレガントな曲線を用いる、直線にモールディングをプラスする、重みのある上質なものを使うことで、ナチュラルエレガントに仕上げることができます。

◆オリエンタルクラシックの配色の特徴

クラシックスタイルのトーンは、ディープ、ダーク、ダークグレイッシュです。マホガニーはダークトーン。いわゆるアジアン家具によく見られるダークブラウンは、ダークグレイッシュトーンというかなり暗いトーンエリアに入ってきます。

ここで注目して欲しいのは、オリエンタルリゾートとクラシックがきれいに重なるトーンがあるという点です。それがディープトーンです。オリエンタルクラシックなリゾートインテリアの配色のポイントは、深みのある色で統一すること。その軸となるのが、純色よりもくすみのあるディープトーンです。

ディープトーンをメインにまとめることで、クラシックな雰囲気を出しながら、アジアンリゾートの雰囲気も醸し出すことができます暖色系でトーンが合っていれば、カラフルな多色づかいでもまとまり感が出て、素敵に仕上がります。そこにクラシックな伝統柄や、曲線ラインの家具を入れることで、オリエンタルクラシックな世界観になっていきます。

ナチュラルエレガントもオリエンタルクラシックも、家具のラインや装飾は重要なポイントです。エレガントな曲線のシェイプの家具、直線+モールディングで重みと上質感がある家具のいずれかを使いましょう。同じメーカーのシリーズの家具で揃えるのが、一番きれいで、簡単に統一感のあるインテリアにするコツです。

受講生からは、「ナチュラルエレガントとオリエンタルクラシックの構成が細かく分析されていて、とても分かりやすかったです。私は、ナチュラルエレガントのライトブラウンが一番好みでした」 「自分の好きな家具のスタイルからインテリアを整えるという方法は、お客様にも説明がしやすく、導きやすいと感じました。私はマホガニーの家具が好きなのですが、リゾートスタイルにするならオリエンタルクラシックだなと思いました」との感想がありました。

『琉球の島は一体の龍』 住宅専門紙で連載コラム

沖縄タイムス副読紙「タイムス住宅新聞」で連載中のコラム「Lily’s スペースジャーニー」。3回目となる今月は、「空間プロデュース力を磨く風水の旅」についてお話しています。

自然を一つの有機体とみなし、その生命を最大限に生かすための手法が琉球風水です。琉球王朝時代の風水師も、琉球の島を一体の龍ととらえ、島全体の自然環境を神聖なる一つの生き物として見ました。

『球陽』の風水鑑定報告書(1713年)を書いた蔡温は、首里城の風水を建物という「点」ではなく、琉球という「島全体」から見て、城を築くのに最もふさわしい場所が首里であると記しています。

全体から部分へ、そして部分から全体へ。住宅を見るときも全体と部分を行き来しながら、家全体を一つの生命体ととらえ、自然と調和した生命力あふれる環境を作ることを大切にしています。 沖縄には、蔡温が見たであろう風景がまだ残っています。同じ場所で同じ風景を見て、同じ感情を味わった時、時を超えて私たちがやるべきことが見えてくるのではないでしょうか。

新聞紙面で、沖縄の風水への旅をお楽しみください。次回のコラムは、7月8日(金)の掲載です。コラムはこちらからお読みいただけます。

▼琉球風水からひもとく 

Lily’s スペースジャーニー Vol.3 WEB版

https://sumai.okinawatimes.co.jp/commons/special/detail/16134

受講生の実践課題より〜氣の流れの鑑定とヒアリングシート

氣の流れ整え、落ち着いて熟睡できる寝室に

受講生のご感想

いま、取り組んでいる課題は、以前はリビングとして設計されていた部屋を、寝室に使用変更するプランニングです。お客さまの希望するインテリアスタイルは、沖縄リゾート。「気の流れが穏やかで、ゆったりとした気分で熟睡できる空間」を望まれています。

間仕切りのないオープンな寝室なので、ベッドの周りを囲うように2か所だけ、間仕切りの設置を検討中。ルーバー形式のパーティションで、通風と明かりを保ちながら、空間を緩やかに仕切るのが、お客様の得たい感情を叶える改善ポイントだと考え、ご提案しています

ヒアリングシートを記入した時点では、パーティションはルーバータイプを考えていました。でも、沖縄という要素を意識すると、ラタン素材がいいのではないかと迷っています。また、パーティションを腰高より上に持ってくるのか、下に持ってくるのかで風の流れ、氣の流れも変わります。パーティションは、1m×1mくらいのサイズを考えています。

琉球風水を学んだことで、氣の流れをコントロールする意識を持つことができるようになったと感じています。落ち着いて眠ることができるベッドの向きなど、氣の流れがよくなる正しい方角に家具を配置するという点も、勉強になっています。

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学長 東道里璃からのフィードバック

ヒアリングシートは、お客様の要望と、なんとなくイメージいることも全て、言葉としてきちんと表現されていて、要望をズレなく共有できていることが伝わってきます。風水的な空間の性質と、そこで過ごしたいお客さまの感情に合わせて、空間の使い方を適切に選ばれているという点が素晴らしいです。

美しいけど心地よさが足りないと感じる空間に多い理由は2つ。一つはレイアウト(氣の流れ)で、もう一つは陰陽バランスです。陰陽バランスの感覚がもともと優れていらっしゃるので、お客さまがお過ごしになりたい感情にあった色使いを無意識レベル、直感レベルで見極められている印象です。

風水は、パーティションの美学だと私は思っています。

必要な場所に、いかに最適なパーティションを設けるかどうかが、氣の流れの設計のポイントです。オープンな間取りは開放感がありますが、寝室など、役割によって仕切ってあげて、落ち着きを重視することがすごく大切です。

壁で閉じ切ってしまうと圧迫感が出てしまうので、デザイン面でのリゾート的な雰囲気と、風の抜けを意識しながら、通気性のあるパーティションで少し囲ってあげるようなイメージがいいでしょう。そう考えると、ルーバーよりもラタンのほうが軽い印象で、既存の建具のデザインとも調和すると思います。

パーティション一つとってもツルツルした素材ではなく、ラタンなど自然素材を用いるという点で、周りの氣がどういうスピードで、どういうふうに流れるかをイメージできるようになられたのかなと思っています。

今回のヒアリングで提案したプランの琉球風水的なポイントは、氣の流れで、お客さまの得たい感情に合わせてきちんとゾーニングや間仕切りができていること。そして陰陽のバランスでは、色使いで落ち着く感情にきちんとまとめている点です。とてもよくできていらっしゃいます。思い通りにいかない部分はあるかもしれませんが、吉方位もある程度配慮した上で設計もされています。

唯一、風水的な色をプラスするとすれば、八方位の象意をどんな風にモチーフ的に取り入れていくかという点です。ファブリックの地模様やコンソールテーブルに置くディスプレイなどに、遊び心を持って八方位の形やモチーフが入ってくると、風水的な説明がより分かりやすくなると思っています。

今回のプランは、「沖縄リゾートを形にする」という一つのトライアルだと感じています。それを一緒につくっていけたらと思っています。

天井の梁 どうカバーすれば安眠できる?

受講生からのご質問

Q. ベッドの上部に天井の梁があり、気になっています。カバーするいい方法はありますか?

A. 天蓋は、風水では無敵と言われる方法です。

ベッド上部の天井に梁や凹凸があると、上部から氣が落ちてきたり、体の上を流れる氣に波ができてしまって、寝心地が悪くなってしまいます。天井は簡単には修正できないので、蚊帳や天蓋を設けるのが一番いいと言われています。お手入れや設置が大変な部分があるので、簡単にはおすすめできないのですが、囲われている安心感はものすごく強いのではないかと思います。

また、ベッドの配置で足元が抜けているというのも、実はよくありません。寝ている身体の目の前に大きな開口部を設け、そこから海など最高のビューが望める造りは、足元から氣が抜けてしまうのであまりおすすめできません。足元も囲ってあげるほうが、落ち着いて眠ることができます。

眠る空間が囲まれている、守られているというのは、ものすごい安心感につながります。人間が眠るときは、基本的に巣穴の考え方です。ちょっと奥まったところに入って縮こまって寝る。広すぎる空間は、落ち着きません。洞窟に暮らしていた原始的な感覚が残っていると言われていて、そこに近い状況を造ることが理想的な睡眠環境です。迷った時は、原始的な感覚に戻ってみると、何が心地いいのかが見えてきます。

次の風水空間デザイナー®︎養成スクールの開校は、2023年1月です。

現在、スクールに関する資料請求を受け付けております。スクール資料をご希望の方は、右下の「風水空間デザイナー®︎養成スクール」をクリックして、ご請求ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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東道里璃【Lily Todo】 株式会社ロンジェ 代表取締役 立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士 著書「琉球風水で叶うナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」(ガイアブックス刊) 東京世田谷区出身。成蹊大学経済学部卒。財団法人日本道路交通情報センターに入社し、JARTIC道路交通情報キャスターとしてNHKテレビ、J-waveなどに出演。夢を叶え、充実した人生であったが、忙しい生き方に疑問を抱く。「自然が好き」という価値観に素直に生きることを決意し、退職してニュージーランドへ。1年間、スクーバダイビング、スノーボード、トレッキング、アフタヌーンティーの旅に出て、東京の経済優先の価値観が音を立てて崩れる。「豊かさとは一体なんなのか?」を自分に問いかけるきっかけとなる。帰国後、立教大学大学院へ進学。在学中、乗馬の練習中に落馬して骨盤を骨折し2ヶ月入院。うつ病になるも、なんとか修士論文を書き上げ異文化コミュニケーション学修士号取得。卒業後、新築注文住宅の設計で風水との運命の出会い。しかし、設計は失敗。理想の未来を描けない東京の土地を離れ、2011年沖縄の離島へ移住。沖縄が東京から南西方位にあり、引っ越しのタイミングに風水的大吉方位だったので、風水の効果とやらを実験してみたかった。沖縄最初の新居は、築180年の琉球民家。離島の集落で王朝時代の風水集落に出会い、人生の使命を見つけたと確信して琉球風水師に転身。過去の新築住宅設計失敗の理由を徹底分析。2012年、親族も友人も誰も知り合いのいない宜野湾市で、琉球風水スクールを立ち上げる。ブログによる情報発信が新聞編集者の目に留まったことを機に、沖縄タイムス系新聞コラム通算80本以上執筆。有名企業・団体からの依頼でセミナー講師を務め、参加者の数は1000人以上に。新築住宅や商業空間の現場でも風水デザインを監修。2022年『琉球風水でナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書』出版。現在、聖地の点在する南城市の風水集落に住み、オンライン&対面のハイブリッド型のスクール、ロンジェ琉球風水アカデミー運営。少人数制の個別対応で、受講生に寄り添い、ひとりひとりの価値観にあった土地選び、家選び、室内装飾、生き方を一緒に考えている。県内の大学でも非常勤講師を務める。 「生き方に迷ったら、リセットボタンを押してみよ。人生はゲームさ。何度でもリスタートできるよ」 特典付きニュースレター「琉球風水インテリア通信」配信中 https://longe.jp/newsletter/