ロンジェ®︎琉球風水アカデミー学長の東道里璃です。
今月から、2023年度の「風水空間デザイン®︎講座」が開講しました。ロンジェ琉球風水アカデミーの2月の活動を、マンスリーレポートとして報告いたします。
オンラインで開催した「風水空間デザイン®︎講座」第1回の全体講義の内容や、首里城の風水を体感する現地実習の様子、受講生からの相談内容に対する私からのフィードバックなどを、一部抜粋してお届けします。
このレポートを読んでいただくと、既存住宅の玄関の心地よさを高める風水の実践法や、風水空間デザインを活用したリフォームのヒント、首里城の風水の楽しみ方まで分かります。
学びと実践を通して、人生と暮らしをより美しく、より心地よく楽しむヒントとして、風水空間デザイン®︎をお役立てください。
住宅の風水を調える3つのステップ 2月の全体講義の内容を紹介
今月から、風水空間デザイン®︎講座2級、3級がスタート。水曜コース、土曜コースの2コースがあり、今期は沖縄、兵庫、愛知、東京など、全国から素敵なメンバーが集まりました。毎月1回、オンラインで行う全体講義は3時間。住む人の夢の実現を後押しする美しく心地良い住環境について、私のレクチャーとワークを行います。第1回のテーマは、風水概論と玄関でした。
住宅の風水を調える方法には、「形を整える」「清浄化する」「美」の三つのカテゴリーがあり、取り組む順番が大切です。
琉球風水の大きな特徴は、心地良い氣の流れを作ること。つまり、形を整えることがベースになります。ですから、まず大切なのは氣の流れを調えること。これは、形=間取りや家具のレイアウトを整えることです。
氣の流れを調えた後に取り組むのは清浄化、片付けとお掃除です。これは暮らし方、行動習慣にあたります。そして最後が、空間を美しく彩ること。ディスプレイを飾る、天然の香りを取り入れるなど、美しい彩りは形が整い、清浄化してはじめて、目に入ってきます。
形を整えることで得られる効果は、氣の流れがスムーズになることです。心地良い氣の流れは、私たちの暮らしに安心・安全・快適・癒やしをもたらしてくれます。
清浄化を行うと、悪い氣を避けることができます。いくら間取りや家具レイアウトを整えて氣の流れがよくなっても、物が散乱していると邪気の発生につながり、氣の滞りが起きてしまいます。氣の循環を促すためにも、清浄化はとても大切です。片付けによって衰退した氣を排出することで心と体の健康が保たれ、運の停滞を防ぐこともできます。
美しく彩ることの役割は、氣を調和させ、活性化することです。お花や植物といったエネルギーの高いもの、美しいもの・上質なものを置くことで良い氣が発生。運氣が活性化してやる気も高まり、右脳も活性化していきます。
玄関は、人間の体に例えると「顔」です。住宅の氣の入口で、全体運を司ります。ご自宅の玄関は、家の顔としての品格があり、笑顔で家族の送り迎えをする場になっているでしょうか?
「形を整える」「清浄化する」「美しく彩る」の三つのカテゴリー別に、代表的なチェックポイントを3つご紹介します。
1)形を整える(間取りレイアウト)
- 【鏡の配置】鏡が玄関ドアの正面にはない。玄関ドアの左右どちらかに、適切な高さに設置された鏡がある
- 【鬼角】問題となる鬼角(人に向かっている柱や収納家具などの鋭い角)はなく、尖った先から生じる怪我などの不安がなく、安全である
- 【一直線のライン】玄関ドアから住宅の奥の部屋へ一直線につながっておらず、氣が広がり住宅を巡っている
2)清浄化する(暮らし方)
- 【たたき】たたきは清浄に掃除できている。酒、塩、重曹などで定期的に浄化し、良い氣が入ってくる
- 【片付け】玄関収納の中にモノがきれいに収まっている。定期的に整理整頓して、ストレスがない
- 【におい】においに問題がない。靴は定期的に汚れを落とす、磨くなどして、清潔な状態でしまわれていて快適
3)美しく彩る(インテリア)
- 【香り】天然アロマの良い香りを漂わせ、空気が美しくて安全。合成香料を使っていない
- 【小物】上質な小物、花や植物などのエネルギーの高いものが鏡に映り込み、良い氣を増幅させている
- 【ディスプレイ】視線の集まる場所に花、植物、置物、アートなど美しいディスプレイがあり空間の美を楽しんでいる
チェックしてみると自分の得意なところ、苦手なところ、住宅の心地悪さの原因が分かってくると思います。原因がわかれば、改善するポイントも見えてきます。問題のあったカテゴリー、項目の改善にむけて、できそうなことから一つずつ取り組んでみていただければと思います。
玄関の氣の流れについてのチェックポイントは、私の著書「風水空間デザインの教科書」p72-73に詳しく掲載しております。書籍をお持ちの方はご活用ください。
玄関の風水を良くしたいけど、何から手をつけていかわからない…という方は、次の三つの方法から実践してみてください。
1)たたきの水拭き
たきの水拭きは、日ごろから毎日のようにやりたいことの一つです。ぜひピカピカにしてください。氣の流れが本当に変わります
2)靴箱の掃除と片付け
靴箱を片付けるときはまず、靴箱から靴を全部出します。そして棚板を拭いて、靴屋さんのディスプレイのようにスペースをあけて、1足ずつ並べていってみましょう。靴箱のスペースは決まっているので、そのスペースにご自身のライフスタイルを合わせていくことも大切です。
3)アロマの美しい香り
アロマストーンなどを活用し、天然のアロマにぜひトライしてみてください。
講義では、家づくりの参考例として、私の新居のリフォームプランも紹介しました。新居は北に山、南に海がある全戸南向きの琉球風水集落にある築50年の空き家。フルリノベーション可能な賃貸物件で、床、天井、収納、壁、建具などをリフォームして、ワクワクするような理想の空間につくり替えます。
建物は鉄筋コンクリート造ですが、経年変化でいろいろな問題が生じています。リフォームにあたっては、オーナーさん、建築士、インテリアコーディネーター、職人さん、リフォーム会社の社長などのお力をお借りして、建物の構造部分の状態とこれまでの修理・修繕の経緯や過程などを把握。そのうえで、私自身で意匠デザイン、家具レイアウトの設計、収納のデザインイメージを作成しました。
私の場合、設計プランの基準にしているのは「主役の家具」です。今回は、スクールのレッスンルームとなる部屋で使うダイニングテーブルを軸に、その他の部屋の家具配置と収納を決めていきました。
主役の家具の風水レイアウトとサイズが決まると、家全体の家具の風水レイアウト設計ができあがり、装飾スペース、造作収納、造作家具のサイズが決まります。家全体のインテリアをトータルデザインしてみたことで改めて、家具の重要性を感じました。
新居の間取りは琉球民家と同じ。南面が全面開口になっていて開放的です。リフォームで玄関を設けますが、オープンな造りのためキッチンが丸見え。そこで、琉球民家のヒンプンの考え方にならって、玄関を入った正面に手持ちの腰高のチェストを置きます。チェストが目隠しと間仕切りの役割を担い、外からの視線を遮ると同時に、氣の流れもS字を描く緩やかな流れに変えることができます。
また、寝室にはベッドを置くことを考えていましたが、実際に現場で部屋のサイズを測ってみると家族分のベッドを置くには横幅が足りず、お布団を敷いて寝る計画に変更しました。家具レイアウトを考える際は、家具と部屋のサイズをしっかり測って把握しておくことが大切です。
氣の流れが良く、眠りの質の高い寝室のポイントは、ベッドの頭を壁に向け、斜め前方にドアが来るように配置できること。窓は頭上と足元にはなく、左右のどちらかに空けてあるのが理想です。頭上に窓があると気の流れが激しく、落ち着きません。
しかし新居の寝室は、枕を向ける方向が窓になっています。ベッドのヘッドボードを壁に向けて置けないというのは、受講生からも相談の多いお悩みです。今回は、木製の内窓を取り付けて対処します。
日中は内窓の戸を開けて光と風を取り込み、夜は戸を閉めることで、安心して眠れる環境になります。 家の心地悪さにつながる課題も、風水空間デザインの考え方を生かして改善することができますす。
住む建物が違うと、必要な知識や経験も全く変わってきます。築50年の住宅のリフォームは、大変ハードルが高いですが、家造りのアドバイスをする上で、とても良い経験になりそうです。得たノウハウや情報はスクールでの講義やメルマガなどを通して、たくさんの方にシェアしていきたいと考えています。皆様が理想の住まいを手に入れる参考になれば幸いです。
受講生の実践課題より〜個別運勢方位鑑定
受講生のご感想
提出した個別運勢方位鑑定に対してフィードバックをいただき、見直しを行いました。分析結果を文字として書くとき、氣の流れの鑑定など、ほかの鑑定法とごっちゃになってしまうところがあり、仕上げるのに時間がかかってしまいました。部屋の運氣に合わせた使い方と対処法を改めて考え、一つひとつの部屋に対する思い、感情を表現していきたいと思います。
◇ ◇ ◇
学長 東道里璃からのフィードバック
個別運勢方位鑑定は、新築の場合、個室の配置を決める際に活かします。ただし、氣の流れが良く、陰陽の調和が取れている環境であることを前提に取り入れることが重要です。良い氣を受けて生活できるよう、個別運勢方位鑑定で重視すべき空間は、氣の入口となる玄関、氣が流れ出るトイレ、そして過ごす時間の長い書斎と寝室です。家族で吉方位が異なる場合は一家の主人の方位を最優先にします。
個別運勢方位は、吉方位と凶方位が半々です。住み心地の良い家をつくるためには、吉方位よりも氣の流れが優先ですから、すべての部屋の配置を吉方位に合わせることはほぼ不可能。吉方位、凶方位それぞれの意味を理解して、与えられた運氣をどう活用していくかを考えることが大切です。いいところは活かし、悪いところは対策をする。個別運勢方位鑑定を行うことは、抱えているリスクを把握して、自分自身の暮らしと生き方を考える機会にもなります。
個別運勢方位鑑定は、①全体像を俯瞰して見る、②部屋の使い方を考える、③思いを入れるというプロセスで言語化します。空間に対する思い=感情を丁寧に見つめることで、使いた家具のデザインや色のイメージも湧いてくると思います。まずは主役の家具1つから、ご自身の世界観を決めて表現してみてくださいね。
首里城の壮大な風水景観を現地実習で体感
風水空間デザイン®︎講座の2級は、オンラインでの全体講義に加えて、沖縄の風水、そして自然との調和から生まれる心地良い氣の流れを体感する現地実習が2回あります。1回目の現地実習は首里城で、2月22日に開催しました。
首里城は狭くて起伏のある傾いた土地の上にあり、良い立地とはいえません。しかし、周辺環境まで含めた風水的視点で見ると、四神に取り囲まれ、氣脈が集まる「最上の地」だと、琉球王府の歴史編さん書『球陽』に書かれています。その全体像を首里周辺を描いた古地図や立体模型を使ってつかんでもらった後、城内散策へと繰り出しました。
守礼門からスタートし、歓会門、瑞泉門、漏刻門、広福門を通って、祈りの場である首里杜御嶽へ。観光で訪れた方が一般的によく通られるルートだと思いますが、風水的な視点として注目してほしい一つは、「門の向き」です。実は、各門の向きは違っています。クネクネとカーブを描くように配置された門の向きは、城内に集まった氣が一気に漏れ出ないための工夫なのです。
山や丘陵、川、海、島を四位に持つ首里城の風水景観は、数十kmに及ぶダイナミックなスケール。最高標高地点である東(アガリ)のアザナからは、その壮大な風水景観を360度見渡すことができます。
当日はお天気に恵まれ、風も心地よく、絶好の散策日和。東(アガリ)のアザナからは、首里城の玄武である弁之御嶽(びんぬうたき)、その先に神の島・久高島まできれいに見えました。また、城郭西側の物見台、西(イリ)のアザナでは、海を超え40km先にある朱雀・慶良間諸島がくっきり。参加した受講生からは、感激の声をあがっていました。受講生の感想です。
「内側と外側すべての四神を見ることができて、貴重な体験でした。場内の御嶽のことなども知ることができて新しい知識が増えました」
「何度も訪れ、何度も学長の解説を聞いていますが、その都度、違った気づきと学びがあります。今日は、正殿と四神が正体する位置関係を、改めて意識することができました」
散策終了後は、首里杜館内のレストランでのランチ。沖縄の代表的な食材を使用した伝統料理を12種類の小鉢で楽しめる「首里杜御膳」をいただき、沖縄の食と文化についての会話も弾みました。それぞれの気づきと感想をシェアし合い、体感した学びを深めました。
私がガイドを務め、一般の方もご参加いただける、学習型首里城ツアー「首里城の風水 謎解きツアー」も開催しております。新たな視点から首里城を楽しんでみたい、という方におすすめです。詳しくは、以下のページでご確認ください。
あなたも琉球風水師になれる 首里城の風水 謎解きツアー
最後までお読みいただきありがとうございました。
東道里璃 (とうどう りり)
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