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空間美学と風水を融合するロンジェ®琉球風水アカデミーの特別イベント開催レポート

1.はじめに


沖縄の建築家が、自らの理想を託して、世界的建築家に設計を依頼した家、KI-HOUSEを舞台に、ロンジェ®琉球風水アカデミーでは、「風水の哲理を空間で体感する」ことをテーマにして、2025年2月、特別イベントを開催しました。
座学だけでは伝えきれない“氣”の流れや東洋思想の奥深さを、建築空間そのものを通して感じ取っていただける機会として構想したものです。目に見えないエネルギーを、五感で味わい、空間美とともに体感していただく——そんな豊かな時間を目指した取り組みでした。

開催地:世界的建築家が設計した「KI-HOUSE」

世界的建築家、窪田勝文氏が設計した沖縄県の「KI-HOUSE」(外観)
写真 ©門一級建築士事務所

会場に選ばれたのは、世界的に活躍する建築家・窪田勝文氏が設計した「KI-HOUSE」。
設計思想に“氣の流れ”と“自然との調和”を宿したこの空間は、建築そのものがひとつの哲学となり、まさに風水の理想を具現化した住まいです。
訪れるだけで心と身体が調うような、凛とした美しさと温かみをあわせもつ場所が、今回の舞台となりました。

開催時期とその意味:旧暦の正月と立春

イベントを開催したのは、2025年2月13日。この時期は、太陽暦の「立春」と陰暦の「旧正月」で新しい年の訪れを感じる季節。東洋暦において最も大きな節目のひとつです。自然界の“氣”が入れ替わり、新たな流れが生まれるこの季節は、風水的にも「はじまりの時」。新しい一年の運氣をデザインするタイミングとして、最もふさわしい時期を選びました。


2. KI-HOUSEで体感する“氣の通う空間”で目指したもの

建築空間と風水空間デザインの融合

世界的建築家の設計によるKI-HOUSE(内観)|久高島へ向けて設えた祈りの場
写真 ©門一級建築士事務所

本イベントは、現代空間の中にある風水理論を解釈し、テーブルコーディネートによる陰陽バランスの調整により、「建築空間 × 風水空間デザイン」の融合を試みたものです。開催地である「KI-HOUSE」は、世界的建築家・窪田勝文氏によって設計された住宅建築。自然との調和を大切にした設計思想が組み込まれました。「自然と建築との調和」「宇宙と人との調和」を願って建てられた建築です。この空間を舞台に、参加者には自然と宇宙と調和する世界を、空間全体を通じて体感していただきました。

感覚から論理へ──風水を「感じて学ぶ」新しいアプローチ

琉球風水は、理論だけでなく「身体感覚」を通して理解を深めることが非常に重要です。風や光の流れ、方位がもたらす身体感覚、そこに生まれる“氣”の質。今回のイベントでは、こうした目に見えない要素を、風水解説を組み合わせながら、参加者自身が「感じる→考える→理解する」プロセスを大切に構成しました。このようなアプローチは、感覚的な気づきを、確かな風水理論へとつなげる架け橋となります。


3. 開催概要と空間構成

開催概要

  • 日 時: 2025年2月13日(旧暦1月16日)
  • 場 所: KI-HOUSE(オーナー:金城司・設計:窪田勝文)/沖縄県南城市
  • 参加者: 建築・インテリアデザイン関係者、住宅業界関係者、不動産関係者、一般参加者など
  • 主 催: ロンジェ®琉球風水アカデミー
  • テーマ: 東洋思想 × 空間美学で調える、わたしの「氣」

節目の時季にあたる旧暦新年・立春直後の開催は、「氣の切り替わり」を意識したタイミング。参加者一人ひとりが新たな一年の“氣”を調える機会となるよう、会場選定と日取りにもこだわりました。


4. テーブルコンセプト「立春の鳳凰」

インテリアデザインに活かす風水の本質|「氣」がめぐる東洋の美意識と空間演出

鳳凰のテーブルを久高島へと向けた風水的空間演出|ロンジェ®春の特別企画

琉球王朝の精神と久高島へのオマージュ

今回のテーブルテーマ「立春の鳳凰」は、琉球王朝の美意識と、神の島・久高島に受け継がれる「イザイホー」の精神に着想を得たものです。イザイホーは、久高島の女性が神女になるための神聖な儀式であり、その場で使われる「イチャティオージ(神扇)」は、神と人をつなぐ媒介のような存在。その精神を象徴するように、テーブルにはイチャティオージに描かれた鳳凰と牡丹のモチーフをテーブルに取り入れました。鳳凰は瑞鳥、牡丹は富貴と繁栄を象徴する花です。

陰陽五行に基づく立春の氣のデザイン

立春は、旧暦の正月を迎え、陰から陽への転換点にあたります。2月の寅月は五行で「木」のはじまりのとき。まだ芽吹いたばかりの弱い木の氣を支えるため、人は昔から火の力(=陽の氣)を用いて、その成長を促してきました。寅は午と出会うことで火に変化し、植物の生長=豊穣を意味する吉兆を生みます。その流れを反映し、今回のテーブルでは、陽の色である赤をテーマカラーとし、さらに火の氣を助ける緑たっぷりとを加え、春の氣の芽生えを祝う色彩構成にしました。白のクロスを合わせることで、陽のエネルギーの中に清らかな風を通し、大人の落ち着きを感じさせるコーディネートに仕上げています。


5. 琉球オリエンタルとクラシックが融合した空間美

紅型衣装を纏い空間の一部となった参加者たち|立春の風水イベント by 東道里璃

アフタヌーンティーという現代様式との融合

イベントの食事スタイルは、現代的なアフタヌーンティー形式を採用しつつ、その中に宮廷文化の精神と象徴性をしっかりと織り込みました。全員が琉球紅型を身に纏い、衣装そのものが空間の一部となって場のエネルギーを高めます。

センターピースには、韓国宮廷料理の器「クジョルパン」を脚付きある台に載せて高さを出し、螺鈿の輝きと牡丹・蝶の意匠で格調高い華やぎを演出しました。

人気やちむん作家・新里竜子の器で彩る、和食の風水テーブルコーディネート

新里竜子のやちむんによるエレガントな器使い|沖縄の工芸とテーブルコーディネートの融合

食器は、沖縄の人気やちむん作家・新里竜子さんの器でトータルコーディネートしました。透かし彫りやしのぎなどの繊細な技法を駆使し、やちむんでありながら洋食器のような気品を感じさせる器は、空間演出の要でもあります。

今回は、和食を美しく引き立てるために、デザイン・サイズをすべてオーダー。新里さんの工房を訪ね、器一つひとつをイロンジェ®のコンセプトに合わせて仕立ててもらいました。やちむんは一般的にセットで揃えることが難しい食器ですが、シリーズ展開の発想を取り入れ、西洋食器の“オープンストック”のように、同一作家による世界観で統一された貴重なコレクションが完成。今回は、そのコレクションの中から、アフタヌーンティータイムに利用できる器を使いました。竜子さんの器自体が空間の美意識を体現しています。

鳳凰の舞を象るフラワーアレンジ

テーブル装花は、「イチャティオージ(神扇)」に描かれた鳳凰をイメージし、鳳凰が向かい合うように左右対称に配置。長く伸びるグリーンは鳳凰の尾羽を象徴し、赤・ピンク・黄色のやわらかなグラデーションが、春の火の鳥のエネルギーを表現しています。
テーブルナプキンは黄色を選び、空間の「光」として視覚的なアクセントに。風水的象徴と琉球文化の融合によって、「立春」という新しいサイクルの始まりを祝い、参加者のエネルギー循環を促す空間となりました。

フラワーデザイン:美里 勇/花屋【Fuki】 @misatoisamu


6. 食の演出と風水的な意味

クジョルパンを台に置いた螺鈿のセンターピース|韓国宮廷器と風水空間演出

今回のイベントでは、食の演出にも風水的な意味を深く織り込み、五感を通じて“氣”が調う体験を目指しました。

クジョルパンと沖縄食材によるオードブルの融合

琉球王国では、冊封使など賓客をもてなす際、「東道盆(トゥンダーブン)」という高貴な漆器が用いられました。六角や八角の器に小皿を配し、上質な酒肴を盛りつけたもので、王朝時代最高のおもてなし料理とされています。現在では東道盆の入手が極めて難しくなっていますが、その精神を受け継ぐ器として、今回は韓国宮廷料理に用いられる「クジョルパン」を採用しました。

クジョルパンには螺鈿細工が施されており、宮廷の美意識と格式が感じられる逸品です。この器に、沖縄の旬の食材を使ったオードブルを組み合わせることで、土地のエネルギーと風土への敬意を表しました。沖縄には古くから、祝いの場などで多種多様な料理を盛り合わせる「オードブル文化」が根づいています。その背景には、王朝時代の宮廷料理である東道盆の影響が色濃く残っているのです。

クジョルパンに盛られた沖縄食材のオードブルは、視覚・味覚だけでなく、記憶や感情にまで働きかける「氣の調う」食体験となりました。

宮廷菓子に込められた「多幸」の象徴

デザートには、琉球王国最後の宮廷菓子職人から技を受け継いだ「新垣菓子店」による伝統菓子をご用意しました。

たとえば、「花ぼうる」は日本の“ボーロ”の語源にもなったお菓子で、沖縄にしか残っていない高度なカッティング技術によって、藤の花を模して作られています。「千寿糕(せんじゅこう)」は、蓮の花をかたどり、小麦粉とラードの皮でピーナツバターや橘餅(きっぱん)を包んだもの。「闘鶏餃(たうちぃちゃう)」は、鶏のとさかをイメージした形で、ごま餡を包み揚げたものです。どの菓子にも、「多幸」「繁栄」「長寿」などの象徴的な意味が込められており、食することでそのエネルギーを受け取るよう意図されています。

ドリンクに込めた五行のエネルギー

ドリンク類にも五行思想を反映させ、色・味・素材を通して氣のバランスを調える工夫を施しました。

ルビーレッドのハイビスカスティーは「火」のエネルギーを補い、内側から活力を引き出します。シークヮーサーの酸味は「木」の要素を呼び覚まし、リフレッシュと新たな芽吹きを促すものです。五行に対応する性質を意識して選定することで、参加者の心身を内側からやさしく調える時間となりました。


7. テーブルに宿る「氣」を感じて|体験動画でふりかえる一日

イベント当日は、陰陽五行や東洋の美意識に基づいたテーブルセッティングを、実際に手を動かしながら体験していただきました。
この5分間の動画では、参加者の皆さまが空間と向き合い、五感を通して「氣のめぐり」を実感する様子をご覧いただけます。

「観ているだけで空間の“氣”が整うような気がする」そんな声も届いた、特別な一日の記録をぜひご覧ください。


8. 建築・インテリアデザインと琉球風水|思想に基づく空間演出の実践

風水哲理と場所の氣の読み解き

今回のイベントでは、琉球風水の根幹をなす気の流れと陰陽の哲理を空間演出に織り込み、訪れる人々の氣が自然に調うことを最優先に考えました。斎場御嶽を背に、久高島を望む東の海という地形に位置するKI-HOUSEの氣の質を参加者に意識してもらい、背後の高台(玄武)、前方の水・島(朱雀)を読み解き、その土地の氣のバランスを体感いただきました。

陰陽バランスと五行の色彩素材の調和

室内インテリアはシンプルながら陰陽のバランスが絶妙です。窓の大きさや光の入り方、景色の取り込み方、色や素材の選び方の組み合わせを解説し、参加者に五感で氣の調和を体感していただきました。
テーブルコーディネートは「陰陽五行」の理念に基づき、陰と陽、五元素を象徴する色彩と素材を、バランス調整を目的に巧みに取り入れています。赤や緑などの色彩は陰陽五行のエネルギー調和の役割を果たしています。

自然をそのままにせず、「循環を促す」風水的視点からの空間設計

空間の中心に設えたメインテーブルは、「立春」という暦上の春の始まりに合わせて構成しました。とはいえ、立春はまだ寒さの残る時期。陰から陽、水から木へと季節が移り変わるこの節目に、風水では陽の氣木の氣を適切に補うことが重要とされます。

そこで、テーブルクロスにはあたたかさを象徴する「赤」を用い、空間全体に陽の氣をプラス。さらに、春の芽吹きを象徴する「グリーン」のアクセントで木の氣を活性化させ、調和と成長のエネルギーを引き出しました。正面には神の島・久高島を望み、自然の清らかな氣が流れ込む方位との呼応により、空間全体が静かに整えられていきます。

風水は、自然のエネルギーをそのまま受け入れるだけではなく、季節や空間の流れに応じて「調え」「巡らせる」ことを重視します。まさに今回は、自然と人の関係を再構築しながら、立春の「新しい流れ」を迎えるための空間演出となりました。

風水の実践知と現代住宅への応用

風水は単なる方位学ではなく、空間に集う人の心身や目的に応じて「どの氣を補うか」を見極める智慧です。現代住宅でも、玄関やリビングの「迎え入れる氣」「めぐる氣」の設計に意識を向け、家具配置や照明の工夫で氣を変えることが可能です。
今回のイベントでは実際の建築空間で氣の流れを体感し、風水が特別ではなく日々の暮らしの中で心を込めて調える実践的な知恵であることを共有できました。


9. 参加者の声 〜感性が開かれ、理論で納得する体験〜

これまでにない融合的な学びの場。自然と建築と人の氣が響きあう、まさに “宇宙と調和する体験” となりました。空間の氣を五感で感じ、東洋思想で納得する——その唯一無二の体験を、参加者の皆さまが言葉にしてくださいました。

参加者からのメッセージ

〈 会場参加 〉

上原桂子さん(インテリアコーディネーター/沖縄県浦添市)

 「無色透明な空間が、わたしの内側を映し出す」

「“感覚的にわかっていたこと”が、氣・陰陽・五行などの理論で腑に落ちた瞬間が何度もありました。空間が無色透明に整うと、自分自身の感覚も澄みわたっていく感覚を体感しました。これまでインテリアを表層の美でとらえていた自分に気づき、本質に近づいたような時間でした。」

比嘉千賀子さん(住宅専門誌ライター/沖縄県浦添市)

 「空間に魂が宿るとき、わたしの氣も目覚める」

「“調えられた空間”が、ただ美しいだけではない“氣の力”を持っていることを体感しました。空間が語る言葉に耳を澄まし、五感でその“氣”を感じ取ることができたことに深く感動しています。」

山下祐理子さん(自然療法セラピスト/愛知県名古屋市) 

「日帰り沖縄でも満たされた、心と空間の旅」

「ほんの数時間の滞在なのに、旅以上の体験を得られたのは、場の力と氣の導線が調っていたからだと感じました。色・形・配置すべてが陰陽五行の理にかなっていて、心身が自然と調和していくのがわかりました。」

加藤美穂さん(ピアノ講師・鍵盤ハーモニカ奏者/沖縄県南城市) 

「響き合う“氣”を、音と空間に感じて」


「風水もテーブルコーディネートも初体験でしたが、調えられた空間には“音”と同じように波動があるのだと感じました。空間と氣の調和が、演奏やレッスンの質にも関わることを実感。これからの音楽活動にも、活かしていきたいと思います。」

〈 オンライン参加 〉

黒石レイチェルさん(インテリアデザイナー/イギリス)

「画面越しでも伝わる、“陰陽美”の奥深さ」

「オンラインからでも、空間の“氣”や調和の力をこれほどまでに感じ取れることに驚きました。東洋の空間哲学をもっと学び、デザインに活かしていきたいという気持ちが強まりました。」

乙幡貴美子さん(一級建築士・不動産業/東京都)

 「生きた花が教えてくれた、氣のチカラ」

「理論と感覚の両方から空間を見るという視点に大きな気づきがありました。これまでの建築や不動産業の視野では見えていなかった“氣”という軸を、今後の提案や設計にぜひ活かしたいと思います。」

ご参加いただいた皆さまへ感謝を込めて

東道里璃より

この度は、KI-HOUSEでの特別講座にご参加くださり、それぞれの感性で空間と“氣”を受け取ってくださったことに、心から感謝いたします。

通常のセミナーとは異なり、今回は食事も含めた空間全体の演出を全て担うという新たなチャレンジでした。その分、自由度の高い空間づくりが可能になり、「テーブルコーディネートで陰陽バランスを調整する」というテーマを、より深く体感していただけたのではないかと思います。

KI-HOUSEは、強い建築的個性がありながら、内に入ると「無色透明」な空間。自然の変化そのものが陰陽のリズムを伝え、それを内包する建築とテーブルが響きあう、そんな体験でした。花が咲く瞬間のような、あの「空間が開く」感覚を、皆様と共有できたことを、心から嬉しく思います。

琉球風水師としての私の願いは、“本物の美しさ”が、日常の空間と人生に根づいていくこと。今回のひとときが、皆さまの内なる氣を磨く一助となりましたら、これ以上の喜びはありません。

今回ご参加くださった皆さまへ、改めて感謝申し上げます。

KI-HOUSE 金城司さん・金城大和さんへ感謝をこめて

KI-HOUSEオーナー 建築家 金城司さん @tsukaca_kinjo
KI−HOUSEスタッフ 金城大和さん(DJ)  @yamato.kj

東道里璃より

司さん、現地でのリハーサルにご協力いただき、本当にありがとうございました。テーブルコーディネートが建築と調和するまで、丁寧に時間をかけることができたのは、司さんの寛大なご理解とご厚意あってこそです。

大和さん、突然のお願いにも関わらず、動画・写真・配信サポートを完璧にこなしてくださり感謝しています。現場対応力、自ら動く姿勢、そして、細やかで優しいお気遣いに深く感動しました。

この場が実現できたのは、お二人の揺るぎない世界観と、空間に宿る氣を信じ、開いてくださった心の在り方によるものです。建築が“生きている”と感じられる稀有な体験に、私自身も深く学ばせていただきました。沖縄における空間美学の未来に、希望を感じています。本当にありがとうございました。


10. 実際の参加者の体験と反応

参加者の気づき:空間が変わると感じるエネルギーの変化

今回のイベントで特に印象的だったのは、「場所に流れる氣の変化を、体感としてはっきり感じた」という声が多く寄せられたことでした。たとえば、入り口から一歩足を踏み入れた瞬間、「静けさの中に流れがある」「呼吸が深くなった」と感じたという参加者も。
レクチャーの中で自然の読み解きをおこない、空間のエネルギー構造を可視化することで、「美しいだけの場所」ではなく「なぜ調っているのか」がわかるようになる。それが、多くの参加者にとって新鮮な驚きと気づきの連続だったようです。

感性が知識で裏打ちされる体験の価値

参加者の多くは、空間に入った瞬間の感覚や、五感に触れるしつらえの美しさに感動しつつ、それが風水の理論とどのようにつながっているのかを丁寧に知ることで、感性が一つひとつ「言語化」されていく喜びを感じていました。
「なんとなく心地よい」と感じていたものが、陰陽や五行の理論に裏づけされていると知ることで、学びが深く根づき、「自分でも再現してみたい」という意欲につながっていきます。

ロンジェ®ならではの「感性×理論」の学びの魅力

ロンジェ®琉球風水アカデミーでは、「感性で感じ、理論で再現する」ことを大切にしています。風水というと、「決まりごと」「難しい方位」といった印象を持たれることもありますが、実際には人の暮らしや美意識に寄り添う、とても柔らかな智慧です。
今回のイベントでは、五感をフルに使って風水空間を体験し、その背後にある思想と技術を学ぶという、ロンジェ®ならではのアプローチが多くの共感を得ました。感動の先に学びがあり、学びの先に新たな創造がある――そんな循環を、これからも育んでいきたいと考えています。


11. 終わりに 〜自然と宇宙に調和する、美しい暮らしのはじまり〜

空間と人、自然と哲学、建築と風水。それぞれが重なり合いながら、参加された皆さんの中で新たな「氣」が芽吹く場となりました。

私たちが本来もっている“感性”と、“理論”のどちらも大切にするこの学びは、暮らしを整えるだけでなく、自分自身を深く知る旅でもあります。「知ること」は変化のはじまり。

この体験が、これからの暮らしと仕事にやさしく調和をもたらしてくれますように。

今後も、東洋思想 × 空間美学をベースに、さまざまな講座やイベントを開催してまいります。あなたのタイミングで、またぜひお会いしましょう。


12. 年に一度の特別イベントと、日常へのつながり

通常の体験講座はオンラインを中心に開催しておりますが、毎年立春の頃には、「季節と風水」をテーマに、空間と感性を調える年に一度の対面特別イベントを実施しています。実際の建築空間に身を置き、テーブルコーディネートや設えを通して、琉球風水の思想に基づく「氣のめぐり」を、五感で体験いただける貴重な機会です。

この世界観にご興味をお持ちの方へ、まずは60分の特別映像【首里城の風水】をお届けしております。

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動画では、琉球王国の正史『球陽』に書かれた首里城の風水景観を読み解き、伝統と現代をつなぐ「調える」という美意識についても深く掘り下げています。映像をご覧いただいた後には、日常に活かせる「風水で調えるヒント」や、講座・イベント情報を二十四節気ごとにメルマガにてお届けしております。

琉球風水を暮らしの中で実践し、心と空間を調えたいと願う方へ——
まずはこの映像を通して、私たちの風水観にふれてみてください。

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琉球風水研究者/ロンジェ®琉球風水アカデミー学長 立教大学大学院修士(異文化コミュニケーション)。 沖縄国際大学経済学部地域環境政策学科 非常勤講師。 首里城や風水集落を通して、琉球王国の自然観と空間思想を研究。 ロンジェ®琉球風水アカデミーでは、風水×テーブルコーディネートを融合した講座を主宰し、伝統と現代をつなぐ実践教育を展開。 著書に『風水空間デザインの教科書』(ガイアブックス)。