【第一部 首里城の風水と宇宙の本質】

ロンジェ琉球風水アカデミー、学長の 横川 明子 (Akiko Yokokawa) です。

2019年12月12日、万国津梁館にて、 首里城から学ぶ琉球風水と幸福人生デザイン1dayセミナー が開催されました。

セミナーは二部構成で、第一部では、「首里城の風水と宇宙の本質」というテーマで、お話しさせていただきました。

まず初めに、300年前、蔡温によって書かれた、首里城の風水風水鑑定報告書を解説。琉球王府の歴史編纂書、「球陽」の第十巻に書かれているものですが、漢文と読み下し文でしか読むことができないため、ほとんどの方がその内容を知る機会はないと思います。

「首里城の風水は良い」と、聞いたことがある方も多いと思いますが、一体何が良いのかをご存知の方は、ほとんどいらっしゃらないと思います。

首里城は、狭くて、起伏のある、傾いた土地の上にあり、決していい立地とは言えません。しかしながら、300年前の風水鑑定では、首里城を取り巻く周辺環境に恵まれていたことによって、首里城の風水は守られていました。

今回の火災の後、「首里城の風水は良いはずなのに、なんで火事が起きるの」という意見も、私の周りでは多く聞かれました。

300年前に良いと言われた首里城の風水環境は、経済的価値観が優先された政策の中で大きく変容し、現在の首里城の風水は、決して良いと言えない状況です。

セミナーでは、「首里城が首里城であるために、沖縄が沖縄であるために。300年後の未来へ、私たちは何をつなぐのか。」をテーマに、グループディスカッションを行い、発表してもらいました。

皆様の発表には、首里城への想いが熱く込められていて、聞いている途中、涙がこぼれそうになるくらい、感動的なご意見をいただくこともできました。

首里城の風水続きは、また、改めて、2020年新春の新聞記事と連動してお伝えします。第一部のレポートでした。

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琉球風水研究者/風水空間デザイナー®/ロンジェ琉球風水アカデミー学長/沖縄国際大学非常勤講師 沖縄の伝統文化としての「琉球風水」を専門とする研究者。 首里城をはじめとする歴史的建造物や都市景観に見られる風水思想を、学術文献、漢文資料(『使琉球録』など)や発掘調査報告をもとに検証し、琉球王国の空間構造と自然観・世界観を、歴史文化の視座から紐解く研究を行っている。 立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科修了(修士)。現在、沖縄国際大学経済学部地域環境政策学科にて、これから世界へ羽ばたく学生を対象に、琉球風水・地域文化、異文化コミュニケーションを学ぶ「グローカルセミナー」を講義。 また、琉球風水の知見を現代空間に応用する専門家「風水空間プロデューサー」としても活動し、主宰する「ロンジェ琉球風水アカデミー」では実践と学術をつなぐ教育を展開している。 2022年には著書『風水空間デザインの教科書』(ガイアブックス)を出版。 さらに、首里城復興イベント「木曳式」では、沖縄県より公式認定を受けイベントを開催。沖縄タイムスなどの新聞・雑誌への寄稿や講演活動を通じて、琉球風水の文化的価値と現代的意義を広く発信している。 東京都世田谷区出身で、かつてはJARTIC日本道路交通情報センターでキャスターを務めた経歴も持つ。趣味はスクーバダイビングとトレッキング。自然と対話しながら、土地の「氣」を感じる時間を大切にしている。