ロンジェ琉球風水アカデミー、学長の東道里璃です。

2020年7月のマンスリーレポートとして、ロンジェ琉球風水アカデミーの進捗状況を公開させて頂きます。今月の月次のグループコンサルティングの内容を一部紹介します。

「これまでとは、全く違うプランが描けるようになりました!」

グルコンでは、それぞれが実践した課題に対し、取り組んでみた感想や、難しかったこと、わからなかったことなどをシェアしていただき、個別にフィードバックをしていきます。現在の受講生の皆さんが取り組んでいるステップは、ロンジェ®️のインテリアデザイン講座カリキュラムの後半で、難易度も高くなっています。

カリキュラムの前半は、風水の全体像を学びながら、ご自宅や、実務で実際にご自身で設計された図面を元に、その図面が、琉球風水の考え方から見た時に、どのような状態になっているのかを確認していきます。この現状チェックをすることで、心地よい空間が心地よい理由、心地悪い空間がなぜ心地悪いのか、その原因がわかります。

そして、カリキュラムの後半では、「どうしたら心地よい空間をつくることができるのか」と考えながら、琉球風水の考え方を取り入れて、改善プランを設計デザインしていきます。琉球風水を学んで、自宅の家具のレイアウトを、できる範囲で少し動かしてみるのと、建築士やインテリアデザイナーとして、設計デザインするのでは、全然仕事のレベルが違います。

なぜ、琉球風水の考え方を取り入れると、心地よい氣の流れの設計プランを再現性をもって描くことができるのか?

その秘密はこれです。

このように、氣の流れを図面に描き、風水の考え方にしたがって、氣の流れを分析する力をつけていきます。すると、再現性をもって、感覚的ではなく、意図的に狙って、氣の流れの良いプランを描くことができるようになります。

今月は、「これまでとは全く違うプランが描けるようになりました!」と、ご報告をいただいた受講生の実践内容と、それに対する私のフィードバックの一例ご紹介します。

琉球風水設計で、インテリアコーディネーターとしてできること、建築士としてできること

これまでに描いた図面を一つ選んでもらい、その図面を、琉球風水の考え方を取り入れて修正してもらいました。その時に、2つの課題を出しました。

課題1:インテリアコーディネーターとしてできること

課題2:建築士としてできること

インテリアコーディネーターとしてできることというのは、言い換えれば、「構造に関わる場所は触らない」ということです。具体的に言えば、柱や梁の位置、窓の場所や大きさは変えられないということです。建築の構造に関わらない扉や壁、造り付けの収納、エアコンの位置などは変えることができます。

建築士としてできることとしては、設計段階を「基本設計がはじまって3ヶ月程度経ち、大まかな間取りはほぼ決まっている状態」に設定。今から大きく間取りの変更はできないけど、まだ構造計算や建築確認申請の前なので、上記のインテリアコーディネーターとしてできることに加え、「窓の位置や大きさを変えられる」のが、大きな違いです。

私は、風水師として様々な状況で呼ばれます。設計段階によって、できることが違うので、依頼をいただいた時点でできることを判断し、その段階でできる最善のプランを提案するのが風水師の仕事です。

多くの方が、風水の使い方を、「出来上がったものに対して、診断をしてもらうもの」と思っている方が多いですが、琉球風水は、ゼロから設計プランを作り上げていく時に、最もその威力を発揮します。むしろ、できあったばかりの建物に対しては、コメントができません。「ゼロからやり直す以外、改善方法はありません」とは、とても言えないからです。このような理由もあって、一般の方を対象とした風水鑑定は行っておらず、建築・インテリアの設計に関わる方だけを対象に指導を行っています。

図面はお見せできませんが、今回のサンプルとなった図面は、建築基準法上では合法ですが、風水的視点から見れば、致命傷をもつ住宅でした。住宅の中央の水回りのあり、氣の留まらない構造でした。

こういうお話も、まずその図面が、どういう図面かを確認してからアドバイスします。つまり、その方の新築したばかりの家だったら、致命傷であることは伝えないという選択肢もあります。今回は、その方の家ではなかったので伝えましたが、風水師は風水というツールを、人の感情に合わせて、使いこなしていく必要があります。決して人を傷つけるツールとして、風水を使ってはいけません。そういった、風水というツールの使い方の指導もしながら、コンサルティングを行っていきます。

今回は、致命傷の部分には目をつむり、住宅全体の氣の流れを見て、家具のレイアウトを考え、内装を琉球風水で設計していただきました。一見、図面を表面的に見れば、住み心地の良さそうな家でしたが、結果的に大幅な修正プランとなりました。

さて、琉球風水では、どのように寝室を設計するのでしょうか。風水には、自然界の原理原則に従った一定のルールがあります。空間設計には、その一定のルールを、現代住宅の空間にカスタマイズしながら、落とし込んでいきます。ロンジェ®️の寝室設計におけるチェックポイントと手順は以下の通りです。

寝室の造り付けの収納は、ほぼ全部取り壊し【インテリアコーディネーターとして】

まずは、琉球風水の考え方で、全部屋の家具をレイアウトしてもらいます。LDのダイニングとソファの配置、寝室のベッドの配置、子供部屋のベッドや机の配置です。

氣の流れの良い理想的な家具のレイアウトができる家というのは、実は、本当に少ないのです。私の風水の相談を受けてきた経験値からみると、日本の建築で、ベッドが良い配置できる家は、1割くらいです。その理由は、設計者が、氣の流れの良い理想的な家具のレイアウトの方法を知らないので、理想的なレイアウトから逆算して、住宅のフレームを作ることができないからです。

今回も、まず、主寝室と2つの子供部屋にベッドを置いてみたところ、良い配置でベッドがおける部屋は一部屋もありませんでした。

良いベッドの配置とは、このような状態です。

そこで、その受講生の方は、造り付けの収納を全て撤廃して、別の場所に移動。頭を壁につけて、ドアが足下にくる理想的な配置にベッドをレイアウトしてから、逆算して、収納とエアコンの位置をプランし、インテリアコーディネーターとしてできるベストプランの設計が出来上がりました。

実は、既存住宅でベッドがうまく配置できない場合、造り付けの収納を取り壊して、別の場所にすることで、風水リフォームができるケースが、多々あります。それくらい、造り付けの収納一つで、住み心地が全く変わります。

窓を開ける場所がない、、、【建築士として】

続いて、建築士としてできることという視点で、さらに設計上の制約が外れて、窓の大きさや位置も変えられるようになりました。そこで、ベッドの頭が安定するように、ベッドの頭上にしっかりと壁がくるよう、設計変更したプランができあがってきました。すでに、インテリアコーディネーターとしてできるプランは、ベストプランを提出した方ですが、建築レベルになると、また違ったポイントに配慮が必要になります。

問題となったのは、頭を向ける壁や窓が、駐車場に隣接している状態でした。

寝ている頭上の壁の向こう側には、駐車場がありました。車を車庫入れする際に、車がバックで寝室の壁、すぐ近くまで向かってくる状態です。窓は、ベッドの頭上にはありませんが、頭上側の壁に窓があり、排気ガスや、車庫入れする車の音、車が迫ってくる不安を、頭上から取り入れるという環境でした。このレベルになると、内側のレイアウトだけでなく、住宅そのものの配置、部屋の間取り配置などを根本的に見直さないと、心地よい空間ができないということに氣づくことができます。

内側だけを見て、外側の環境を見なければベストプランでしたが、建築設計は、外側の環境も含めて考える必要があります。しかし、実際は、他の収納の位置なども考えると、駐車場側にしか窓は開けられない状況で、修正そのものに無理がありました。

では、こういう場合、私がどのようにフィードバックをするかというと、チェックポイントは、以下の3点について、認識や指摘できているかどうかです。

●住宅そのものの配置、部屋の間取り配置などを根本的に見直さないとならない状況であることを認識できているか

●外的な環境条件を調整することで、このままの間取りを生かす方法はないか

●次にゼロから住宅を設計する際に、心地よい寝室をつくることから逆算して、どのようなことに気をつければ良いか

こうして、実際の図面で風水レイアウトを練習していくことで、心地良い氣の流れる空間を暮らしのレベルから見つめることができれば、そこから逆算して、住宅のフレームを作ることができるようになっていきます。既存住宅のリフォームでは、窓や梁によって氣の流れが悪くなっている場合、改善はできませんが、新築の時に琉球風水の設計手順に従ってデザインすれば、完璧に氣の流れの良い寝室を作り込むことが可能です。新築での設計手順は以下の通りです。

このように、ロンジェ®️では、風水の基礎、全体像を学んだ後に、実際にご自宅で氣の流れを整えて体感してもらい、その後、実際の図面を使って、琉球風水設計の練習をしていきます。設計は何千通りもの可能性がありますので、風水の上達もスポーツと同じ。練習すればするほど、うまくなっていきます。自然界の原理原則がベースにありますので、誰でも練習すれば、琉球風水のテクニックを使いこなせるようになります。

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東道里璃【Lily Todo】 株式会社ロンジェ 代表取締役 立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士 著書「琉球風水で叶うナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」(ガイアブックス刊) 東京世田谷区出身。成蹊大学経済学部卒。財団法人日本道路交通情報センターに入社し、JARTIC道路交通情報キャスターとしてNHKテレビ、J-waveなどに出演。夢を叶え、充実した人生であったが、忙しい生き方に疑問を抱く。「自然が好き」という価値観に素直に生きることを決意し、退職してニュージーランドへ。1年間、スクーバダイビング、スノーボード、トレッキング、アフタヌーンティーの旅に出て、東京の経済優先の価値観が音を立てて崩れる。「豊かさとは一体なんなのか?」を自分に問いかけるきっかけとなる。帰国後、立教大学大学院へ進学。在学中、乗馬の練習中に落馬して骨盤を骨折し2ヶ月入院。うつ病になるも、なんとか修士論文を書き上げ異文化コミュニケーション学修士号取得。卒業後、新築注文住宅の設計で風水との運命の出会い。しかし、設計は失敗。理想の未来を描けない東京の土地を離れ、2011年沖縄の離島へ移住。沖縄が東京から南西方位にあり、引っ越しのタイミングに風水的大吉方位だったので、風水の効果とやらを実験してみたかった。沖縄最初の新居は、築180年の琉球民家。離島の集落で王朝時代の風水集落に出会い、人生の使命を見つけたと確信して琉球風水師に転身。過去の新築住宅設計失敗の理由を徹底分析。2012年、親族も友人も誰も知り合いのいない宜野湾市で、琉球風水スクールを立ち上げる。ブログによる情報発信が新聞編集者の目に留まったことを機に、沖縄タイムス系新聞コラム通算80本以上執筆。有名企業・団体からの依頼でセミナー講師を務め、参加者の数は1000人以上に。新築住宅や商業空間の現場でも風水デザインを監修。2022年『琉球風水でナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書』出版。現在、聖地の点在する南城市の風水集落に住み、オンライン&対面のハイブリッド型のスクール、ロンジェ琉球風水アカデミー運営。少人数制の個別対応で、受講生に寄り添い、ひとりひとりの価値観にあった土地選び、家選び、室内装飾、生き方を一緒に考えている。県内の大学でも非常勤講師を務める。 「生き方に迷ったら、リセットボタンを押してみよ。人生はゲームさ。何度でもリスタートできるよ」 特典付きニュースレター「琉球風水インテリア通信」配信中 https://longe.jp/newsletter/