ロンジェ琉球風水アカデミー、学長の東道里璃です。

枕の向き、氣になりますか?
日本では、小さい頃から親に、「北枕で寝てはいけない」と言われた方も多いと思います。

また、沖縄では、「西枕で眠ってはいけない」と、言われています。私は東京出身ですので、沖縄で「西枕が良くない」という意味が、わかりませんでした。

沖縄には、太陽信仰が根付いており、太陽が昇る「東」は、良い方位で、太陽が沈む「西」は、物事の終わりを示す方位で、あまり縁起の良い方位ではありません。

王朝時代の民家では、西枕は亡くなった方の眠る方位なので、西枕は避ける信仰が今でも残っています。

風水の視点から言えば、一番のおすすめは北枕です。光穏やかな陰の方位なので、落ち着いて眠ることができること。そして、地球の磁力線に沿って眠るので、最も身体に良い方位です。

北枕については、お釈迦様が亡くなった際に向けた枕の向きが北向きであったことから、死者が枕を向ける方位と伝わってきています。もともとは、昔の中国で、亡くなった方を北枕で眠らせたところ、身体が、地球の磁力線に沿って氣の流れがよくなったことで、生き返ったという説があります。お釈迦様の枕が北向きなのは、生き返りを願ったためだそうです。

そして、沖縄の「西枕」に関しては、風水や迷信ではなく、信仰です。

民族学や、社会人類学の領域で、風水師としては、その方の考え方次第で、アドバイスを変えています。

西枕で眠ることができれば、快適な寝室になるのに、「西枕がいけない」という根拠がわからない状態で西枕を避け、ベッドが落ち着かない配置になってしまっている場合。「西枕は、風水的には全く問題ありません」と説明します。

他の風水の鑑定法を使えば、その方の生年月日によってですが、西が吉方位のケースもあります。

しかし、「小さい頃からずっと西枕はいけないといわれてきたので、抵抗があります」といった信仰が強い場合や、「新築して、西枕であることを、両親が知ったら怒られます」という場合には、その方々が、将来的にも、精神的な安心感が得られるように、西枕を避けたレイアウトをご提案します。これは、その方の心が穏やかになったり、親子関係が良くなるのであれば、西枕を避けたほうが良いからです。風水的な理由ではありません。

大切なのは、昔から伝わってきていることだからといって、全て鵜呑みにしないことです。先人の知恵には、大切なこともたくさん含まれています。しかし、途中で誰かが便宜上、作り上げているものもあります。間違った思い込みもありますし、数百年前には正しくても、今の時代には合わないものもあります。

何かしらの決まりごとが氣になったのであれば、ネット上で検索すれば大抵のことはわかりますし、そのトピックに関連する本を10冊も読めば、だいたいの答えが見つかります。迷信や言い伝えに限らず、本質を伴わない方法論には、限界があります。

風水の方法論の情報も氾濫していますが、風水を実践する時は、その方法論の本質を、是非調べてから、実践すると、しっかり効果を感じることができると思います。

さんざん、方位について書いてきましたが、最終的には、方位など、大して氣にする必要はありません。

大切なのは、氣の流れです。

最後に、風水が良くなる、快適な寝室の具体的な作り方は、新聞コラムをご覧ください。

吉方位に関しては、是非、決まりにとらわれることなく、ポジティブに解釈して、うまく利用してくださいね。

新築住宅の風水設計プランを成功させる、間取りや家具配置のポイントを記事でまとめています。詳しくはこちら。

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東道里璃【Lily Todo】 株式会社ロンジェ 代表取締役 立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士 著書「琉球風水で叶うナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」(ガイアブックス刊) 東洋哲学の陰陽五行、琉球王朝の風水思想を、働き方・暮らし方・生き方に活かす「陰陽ライフスタイリスト講座」を主宰。宇宙の法則「陰陽論」を、脳科学・色彩心理学・西欧伝統インテリア・ライフデザインと統合。オリジナルの”陰陽ミキサー”を使った再現性の高い「陰陽バランス調整法」を提唱する。女性経営者、社長夫人など、会社経営に関わる女性の悩みやストレスに寄り添う。人間関係や心の在り方はお金には換算できないが、失った時の損失は計り知れないことから、会社と家庭の双方における、関係者との関わり方、室内環境の調え方、役割、心得など、陰陽の調和の取れた理想のライフスタイルへと変革するための支援を行っている。 「幸せになるには原理原則があります。他人を変えることはできませんが、自分を変えることはできます。古代中国から伝わる宇宙の法則「陰陽論」で人生のバランスを取り、新しい生き方の扉を開きませんか」 特典付きニュースレター「陰陽ライフスタイル通信」配信中 https://longe.jp/newsletter/