ロンジェ®︎琉球風水アカデミー学長の東道里璃です。
風水空間デザイナー®︎養成講座の2022年5月の活動を、マンスリーレポートとして報告いたします。
コミュニティメンバー限定で、毎月開催しているグループコンサルティングや、新聞連載コラム第2回の内容、受講生からの相談に対する私からのフィードバックなどを、一部抜粋してお届けします。
このレポートを読んでいただくと、要望をきちんと実現してもらうためのディレクションのヒントや、沖縄の伝統的な風水集落の魅力と生かし方、聖地を訪れる心得まで分かります。
クリエイティブな力と、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)=生活の質を高める実践として、琉球風水をお役立てください。
家づくりにも役立つ! イラストディレクション グループコンサルティングの内容を紹介
2022年5月の全体グループコンサルティングでは、執筆している琉球風水の書籍に掲載するイラストのディレクションプロセスを解説しました。その一部をご紹介します。
なぜこのテーマを選んだのか。それは、ディレクションスキルが、これから家を建てる施主様にも、風水空間デザイナー®︎が現場で職人さんに指示を出していく際にも役に立つスキルだからです。
風水師は、三国志で例えるなら諸葛孔明。軍師であり、計略を立てて実際に動いてくれる人へ的確に指示を出すことが大きな仕事です。いい作品を生み出すカギは、ディレクション能力だと感じています。
目指すゴールに向かって的確なディレクションを出せる力があり、それを実現してくれる人を選ぶ力があれば、建築でもインテリアデザインでも、イラストでも、素晴らしい作品が出来上がります。
私は今回、琉球風水でも一番難易度の高い「首里城の風水」を、イラストにするディレクションにチャレンジしました。そのプロセスが、これから施主として、プロとして家づくりの要望を出す皆さまの参考にしていただければ幸いです。
まずこちらが、完成したイラストです。6回の修正を重ねて仕上がりました。原画は、私が首里城の風水に関するセミナーを開催した時に作成した、パワーポイントのスライドです。
琉球の歴史書『球陽』には、王府の役人で、琉球風水を国策にも取り入れて発展させた蔡温による、300年前の首里城の風水鑑定報告書が記されています。その内容をもとに作成したスライドには、首里城を中心にどんな風水の構成要素があるかを図で示しています=下写真。
今回のイラスト作成の目的は、『球陽』で蔡温が書いた首里城の鑑定報告書のポイントを風景的なイメージとして再現すること。そのゴールに向かって一つ一つ、ディレクションを出していきました。ディレクションを出す際は、コンセプト=ゴールがとても大切です。ゴールを明確にして、そこに向かって進んでいることを関係者ときちんと共有しておくことで、途中で変更があっても理解していただけます。
こちらは1度めの修正を終えたイラストです。家づくりに置き換えると、1回めの基本設計図の段階。完成版と何が、どのように違うのか、皆さんも一緒に考えてみてください。
事前に入念な打ち合わせをし、イラストレーターさんはパワーポイントスライドになんとか近づけようと努力してくださったのですが、細部までは伝えきれていない部分がありました。修正したポイントは、首里城を中心にした四神の位置や山の高さ、川の流れ、コンパスの方角、色使いなどです。
例えば、首里城の背後を守る玄武にあたる「弁之御嶽(びんぬうたき)」。首里城の真後ろにあるべきですが位置が少しずれていたので、正殿と弁ヶ嶽の中心を合わせて、真後ろに来るように修正してもらいました。また、弁ヶ嶽は中南部の最高標高地点。ですから、その背後にある西原島尻の丘陵は、弁ヶ嶽よりも低くしていただくようお願いしました。
イメージがつきやすいよう、首里城の「東(アガリ)のアザナ」から見た弁ヶ嶽の写真も一緒にお送りしました。多くの緑が失われ、当時とはだいぶ風景が変わっているとは思いますが、地形的に弁ヶ嶽より高い山は見えません。青い煙突の横には実はちょっとだけ海が見えて、晴れた日には久高島もくっきり見えます。「首里城からは、久高島が見える」という事実とストーリーを、本を通して後世に伝え残していきたい。その思いをイラストレーターさんにお伝えし、修正を進めていただきました。
イラストレーターさんは、沖縄の方。地元の文化をよくわかっていらっしゃって、私以上に沖縄らしい絵を描いてくださいます。ディレクションの際は、イラストレーターさんが長けている部分に関しては私のイメージだけをお伝えして、こちらのほうがより詳しい情報を知っている場合は、事細かにお伝えしていくようにしました。
川については、首里城から三つの港に流れ込む三つの川を描いています。河川図やGoogleアースで河口から源流までたどり、首里城を守るように伸びたり、縮んだりする独特の流れを説明=上左写真。『球陽』に「形を変えてはならない」と記された流れを再現してもらいました。 首里城正殿の向きも1度単位で指示を出し、正殿から守礼門までのクネクネした門のラインにもこだわりました。その結果、球陽に描かれている要素が全て収まった、完成度の高いイラストが仕上がりました。
ディレクションにあたり、イラストレーターさんがどのようにお仕事を進められているのか、わからないことは一つひとつお聞きしました。実際に作業を行う方が、どの工程にどれだけの手間や時間を掛け、どのような気持ちでお仕事をされているかを知っておくと、声を掛けるタイミングも、選ぶ言葉も変わってきます。相手の仕事がスムーズに進むために、自分に何ができるのかを考えて提案する。それが、ディレクションを成功させる大きな要因です。
風水でも建築図面でも、イラストでも、ディレクションを出すうえでもう一つ、重要なポイントがあります。それは、見た瞬間、頭で考える前に、感覚で違和感を感じられるかどうかです。
風水は、ものすごく直感力が試されます。直感力の鍛え方はいろいろありますし、直感力のレベルも段階があります。でも、直感として出てくるのは、自分の頭に入っていることだけということが基本です。全く知識のないことはイメージすらできないので、違和感を感じることもできません。
脳には、たくさんの情報の中から必要な情報だけをフィルタリングするRAS(ラス)機能があります。自分が作りたいもの、見たい、行きたい世界があるなら、きちんと知識や映像でインプットすることが大切です。
さらに、インプットした情報を自分の中に落とし込むためには、何らかの形でアウトプットすることが重要です。何回も、何回も使って、経験を通して自分の体に落とし込んでいくことで、知識が知恵に昇華します。
私が首里城の風水のイラストディレクションができたのも、首里城に100回以上足を運び、『球陽』も何度も何度も読み返して講義や執筆でアウトプットし、自分の中に落とし込んでいるからこそです。知識と経験、そして知恵がなければ、直感力は磨かれていきません。学ばれたことはぜひ、実践していただければと思います。
『沖縄の伝統集落は地球の宝石』 住宅専門紙で連載コラム
4月からスタートした、沖縄タイムス副読紙「タイムス住宅新聞」での連載コラム「Lily’s スペースジャーニー」。2回目となる今月は、沖縄の「集落の風水」についてお話しています。
琉球王朝時代、集落は風水師によって設計されました。自然から恩恵を受けるため、誰もが当たり前に良い立地に家を建てられるよう考えられて造られた風水集落。国家政策レベルで造られた伝統集落は、世界的にも貴重な存在。景観破壊が進む中、誇り高く守っていきたい地球の宝石だと感じています。
私が風水師になることを決意したのは、離島での風水集落の出会いでした。この美しい風水集落を次世代の地球へつなぎたい。その一心で、これまで仕事をしてきました。先人の叡智を、現代の街づくりに活かす方法を、一緒に考えてみませんか?
新聞紙面で、沖縄の風水集落への旅をお楽しみください。次回のコラムは、6月10日(金)の掲載です。コラムはこちらからお読みいただけます。
▼琉球風水からひもとく
Lily’s スペースジャーニー Vol.2 WEB版
https://sumai.okinawatimes.co.jp/commons/special/detail/15879
受講生の実践課題より〜風水鑑定図面
受講生のご感想
子供部屋一部屋の鑑定報告書を仕上げるのに、20時間ほどかかりました。ここまで徹底的に現状を風水分析して、改善策の方向性までまとめたことで、漠然としていた思考が整理されました。
部屋のコンセプトは「麗しさ×癒し」。壁紙の老朽化によるくすみや汚れ(氣の質の低下)、建材の色の相性の悪さ(陰陽バランス)がネガティブな気分になる一番の原因だったので、壁と天井のクロスの張り替えが最優先。躯体はそのままに、娘の好きな色を活用したプチリフォームで改善するプランを計画しました。最終的には床材と家具も変えて、ファブリックまでトータルコーディネートし、娘の理想の部屋を実現できました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
学長 東道里璃からのフィードバック
ここまで解説できたらお客様にきちんと伝わる、というレベルまで言語化できています。素晴らしい仕上がりですね。
鑑定報告書ではまず、氣の流れ、陰陽方位、個別運勢方位、八方位の四つ鑑定を通して、お客様が抱えているお悩みや、空間に心地悪さを感じる根本原因を明確にすることが重要です。悩みの原因とそれを生み出している要素には、「氣の流れ」「個別運勢方位」「陰陽方位」「八方位氣の質と量」「インテリアスタイル」の六つの要素に大別できます。まず、どの要素が、どのような影響を及ぼしているのかを端的に書くこと。そのうえで、具体的な状況さらに細かく特定することで、解決策もよりピンポイントで的確に実行できる内容になります。
例えば、氣の流れの不具合は、家具レイアウトによるものなのか、構造や使っている素材によるものなのか。氣の質が低下する要因も、建具や建材の老朽化、電磁波や有害物質などさまざまです。家具のテイストが合わないのは、インテリアスタイルの不調和です。解決策では、それぞれに対応する具体的な手法を、優先順位の高い順から書いていきましょう。そうすると、何を、どこまで実行するかの判断もつきやすくなります。
風水空間デザイナー®︎は、空間リセットの魔術師。風水鑑定報告書をお客様へ説明する場合は、できるだけ専門用語を使わずに、わかりやすく、イメージがつきやすい言葉でお伝えできるようにしましょう。ご自身で、風水空間デザイン™️を生かしたお部屋の模様替えをした経験があるからこそ、お客様の気持ちにもしっかり寄り添うことができると思います。
受講生からのご質問
Q. なぜ聖地へ足を運ぶといいのですか? 訪れる際の心構えも教えてください。
A. 最高にいいエネルギーを感じ、自分自身をα波の状態にチューニングできるからです。
私が聖地に足を運ぶ理由、そして受講生の皆さんにお勧めするは、自分の周波数をα波の出る状態に調整できるからです。脳がα波の状態になると、企画やアイディアなどもいろいろひらめいたりします。いわゆる、降りてくるという状態です。まずは、最高にいい磁場のエネルギーを体感すること。何度も足を運ぶことで、いいエネルギーが感覚として分かるようになります。体感覚でその場のエネルギーを知り、チューニングする練習を繰り返すことで、いざというときにいつでも、その周波数の状態に合わせることができるようになります。
土地、環境が持っているエネルギーは、ものすごくパワフルです。私が師匠から教わったのは、「聖地に行くときは、計画なんか立てるな」ということです。聖地にはその場のエネルギーをいいと思っている人が訪れるので、同じような価値観を持った人が自然に集まります。私自身、自分がいきたい場所に行ったら、会いたい方にバッタリ出会ったり、初対面で意気投合して、必要な情報を教えていただくこともよくあります。そういうご縁を大切にすると、自分にとって必要な情報がどんどん入ってくるようになります。
場のエネルギーという視点から日常生活に置き換えると、ミーティング一つ、お茶飲むこと一つとっても場所選びは重要です。初めてお会いする方とどこでお茶をするのか、どこで食事をするのか。場に求めるエネルギーの価値観が同じ人なら、安心できるのではないでしょうか。
聖地でどんなパワーをいただくことができるかは、心のあり方が大きく影響します。訪れた際は手をあわせ、その場に来ることができた感謝の気持ちをお伝えしましょう。聖地を訪れると、自分自身の内側から変わる力も高まります。
次の風水空間デザイナー®︎養成スクールの開校は、2022年10月です。
現在、スクールに関する資料請求を受け付けております。スクール資料をご希望の方は、右下の「風水空間デザイナー®︎養成スクール」をクリックして、ご請求ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
東道里璃 (とうどう りり)
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