浴室の風水1 『プライベート感保ち 清潔に』

王朝時代は、当然ですが、電気・水道・ガスの無い時代です。水は井戸で汲み、お風呂は無く、井戸端で行水をしました。このような暮らしにも風水が関係しています。今回は、琉球民家の浴室について、ご紹介します。

琉球民家の水回り~排水の良さと湿気対策

井戸は、基本的に母屋から見て、右斜め前方にありました。この位置は、外から入ってくる際、ヒンプンから左側の動線にあり、プライベート空間です。来客の動線には当たらず、また客間である一番座の座敷からは見えない位置になっています。琉球民家の敷地を立体的にみると、家の背後である北側と一番座のある東側の敷地が高く、家の前面である南側や西側の敷地が低くなっていました。水はけが良く、雨水や生活排水が母屋の下を通らないように配慮されています。

古民家の風水を現代住宅に生かすポイント

現代住宅では、浴室がプライベート空間に配置され、来客の動線や視線を気にする必要がないかをチェックします。視線や動線が気になるようなら、パーテーションや観葉植物などを置いて、プライベート感が保たれるよう対処します。排水の良さと湿気対策が重要ですので、排水口の清浄化や浴室使用後の湿気対策が、快適さを保つポイントとなります。

健康運と愛情運に影響

浴室を人体に例えると、腎臓や膀胱などの泌尿器や生殖器に相当するため、健康運、愛情運に影響するとされています。また、玄関(口)から住宅に入った財運の出て行く場所でもあります。琉球民家のエッセンスを取り入れて、快適な空間をつくることで、浴室に影響のある運勢アップを期待できます。さらに、アロマの香りや、目に映るものに美しいアイティムを選んでいくことで、心も身体も癒される空間づくりをしていきましょう。次回は、アロマ活用した具体的なお掃除法やバスタイムの楽しみ方をお話します。

 

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琉球風水研究者/ロンジェ®琉球風水アカデミー学長 立教大学大学院修士(異文化コミュニケーション)。 沖縄国際大学経済学部地域環境政策学科 非常勤講師。 首里城や風水集落を通して、琉球王国の自然観と空間思想を研究。 ロンジェ®琉球風水アカデミーでは、風水×テーブルコーディネートを融合した講座を主宰し、伝統と現代をつなぐ実践教育を展開。 著書に『風水空間デザインの教科書』(ガイアブックス)。