ロンジェ琉球風水アカデミー、学長の横川明子です。

今回は、少しマニアックなエリアでもある、首里城御内原の北城郭をご案内します。

北城郭

首里城には、内郭と外郭があります。御内原から北側に出る内郭の門が淑順門(しゅくじゅんもん)。そして、そこから右掖門(うえきもん)を通って久慶門から外郭を出る形になります。この淑順門から久慶門までの内郭と外郭の間のエリアが北城郭地区です。

久慶門と右掖門の間の北城郭西地区が、一足先に平成28年3月28日にオープン。そして、右掖門の東側のエリアである東地区が、平成29年3月31日オープンしています。

北城郭西地区

首里城の見学ルートでは、2019年1月までの御内原のOPEN前までは、有料エリアの見学を終えると、右掖門から坂を下り久慶門から出るようになっていました。有料エリアを見学した後の出口ルートです。正殿を拝観してから、右掖門を出て坂を下ると、銭蔵が新たに建築されました。

右掖門(うえきもん)

銭蔵(ぜにくら)

ここは、泡盛を貯蔵していたと伝えられている場所。小説の「テンペスト」でも、よく出てきた場所ですね。現在は、休憩所になっています。ベンチや自動販売機があり、首里城見学後のほっと一息つく場所として、そして、急なスコールの避難場所としても、活用されています。銭蔵をさらに下っていくと、久慶門があります。

久慶門(きゅうけいもん)

この久慶門は、主に女性の利用する通用口として使われていたと伝えられています。

北城郭東地区【寄内(よせうち)】

さて、御内原から淑順門を出て、右側に出ると、北城郭東地区があります。このエリアは寄内(よせうち)と呼ばれ、古絵図で植物が描かれていたとのことで、植栽空間が再現されています。ここは無料エリアで、憩いの場として開放されています。

 

いちごの植栽の記録があったとのことで、いちごが植えられていました。

ひのきの香りがするトイレ

これは復元ではなく、利便性を考えて整備されたそうですが、首里城の他のどこのトイレよりもすごいことがあります。それは、天然のヒノキで作られているようで、中に入るとヒノキの香りが漂ってくる首里城内でも品格の高いトイレです。ただ、残念ながら、手洗い場は龍の蛇口ではありません。

ガマ遺構

女官たちが休憩していたと伝えられる洞窟。御嶽だったとも考えられています。

東のアザナへ行く階段

一番奥に見える階段は、首里城の最高標高地点(140m)、東(あがり)のアザナへ行く階段です。アザナとは、見晴台のことです。御内原のOPENにより、ここもようやく上ることができるようになるんですね。素晴らしい眺めです。首里城の四神相応を是非ご確認下さい。

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琉球風水研究者/ロンジェ®琉球風水アカデミー学長 立教大学大学院修士(異文化コミュニケーション)。 沖縄国際大学経済学部地域環境政策学科 非常勤講師。 首里城や風水集落を通して、琉球王国の自然観と空間思想を研究。 ロンジェ®琉球風水アカデミーでは、風水×テーブルコーディネートを融合した講座を主宰し、伝統と現代をつなぐ実践教育を展開。 著書に『風水空間デザインの教科書』(ガイアブックス)。