【写真資料:首里城公園ニュースレター】

首里城の大奥 御内原公開

沖縄での2019年の大きなニュースと言えば、首里城正殿の裏側、御内原(おうちばら)エリア【11ha】が、いよいよ公開されます。

御内原とは、江戸城で例えると大奥のような空間で、国王の家族と、首里城で働く女性たちが過ごす場所です。

四方を建物に囲まれた広場 後之御庭(くしのうなー)

正殿の前は、南殿、北殿、奉神門によって、四方が囲まれた御庭がありますが、正殿の裏側にも、四方が建物に囲まれた広場があります。

正殿と、二階御殿、世誇殿、女官居室により、四方が囲まれた後之御庭(くしのうなー)があり、ここで、儀式が行われたいたそうです。

東(アガリ)のアザナOPEN

また、これまで、首里城の見晴台は、西(イリ)のアザナから、首里城の西側を中心とした景色を見ることができましたが、正殿の後ろ側にある東(アガリ)のアザナが、今回OPENします。

首里城の最高標高地点で、久高島や、弁ヶ嶽など、首里城の東側の風景を臨むことができるようになります。

十嶽(とたけ)が全て参拝可能に

さらに、首里城の城郭内には、重要な拝所である10か所の御嶽があり、御内原のOPENで、十嶽(とたけ)全て参拝できるようになります。

これまで参拝できた、奉神門の斜め前にある首里森御嶽、京の内の4御嶽、黄金御殿の後ろにある、かわるめ御嶽、右掖門の近くにある2つの御嶽。

そして、御内原エリアのOPENで、これまで参拝できなかった美福門(びふくもん)と、白銀門(はくぎんもん)の近くにある御嶽にも行くことができ、十嶽全てに、参拝できるようになります。

これまで訪れることができた首里城は、男性中心の表側の世界でした。

この御内原のOPENで、国王や女官たちの生活していた女性中心の裏側の世界にも触れることができるようになり、首里城をより深く楽しむことができるようになるでしょう。

楽しみですね。

沖縄の伝統風水を最も体感できる場所

首里城ほど、風水を体感でき、風水の学びを深めることのできる場所は、他にはありません。

王朝時代の風水に関する書物は、ほとんど残っていません。しかし、先人が残してくれた遺産が今も存在し、首里城建設に秘められた想い、メッセージを受け取ることはできます。

風水の仕事を始めてから、人間と話すより、自然、風景、建築といった、言葉を発しない存在と対話することのほうが、多くなったかもしれません(笑)。

是非、新しくなる首里城へ、訪れてみてくださいね。

この御内原エリアは、2016年~2017年にかけて、月に一回工事現場の見学ツアーが開催されおり、私は毎月のように通っていました。

工事中の写真が100枚以上ありますので、御内原OPEN記念として、この後、随時ご紹介していきたいと思います。

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琉球風水研究者/ロンジェ®琉球風水アカデミー学長 立教大学大学院修士(異文化コミュニケーション)。 沖縄国際大学経済学部地域環境政策学科 非常勤講師。 首里城や風水集落を通して、琉球王国の自然観と空間思想を研究。 ロンジェ®琉球風水アカデミーでは、風水×テーブルコーディネートを融合した講座を主宰し、伝統と現代をつなぐ実践教育を展開。 著書に『風水空間デザインの教科書』(ガイアブックス)。