2026年1月4日、沖縄タイムス副読紙「タイムス住宅新聞」にて、年始特別コラムが掲載されました。 2014年から始まったこの年始コラムも今年で13回目。今回は初めての「単独・喉抜き見開き一面」という大舞台での掲載となりました。

タイトルは、「理(ことわり)と美の風水史」

これまでの九星を軸とした発信から装いを新たに、首里城、中城御殿、久高島、そして日々の食卓まで、約300年の時空を一本の線でつなぐ内容に挑戦しています。

13年目の挑戦:点と線が繋がる瞬間

これまで13年間、琉球風水を軸に多角的な活動を続けてきました。 長年積み重ねてきたフィールドワークや文献研究、ロンジェ琉球風水アカデミーでの学びと実践、そして日々の暮らしの中でのテーブルコーディネート。それらがようやく、琉球風水の思想という軸を通して「一本の線」として見えてきたように感じています。

今回のコラムでは、歴史と現在を行き来しながら、琉球風水の知恵が日々の暮らしに温かく寄り添うような発信を目指しました。

難解な一次史料『中城御殿御敷替御普請日記』への沈潜

今回の執筆にあたり、私は現在進行形で取り組んでいる研究内容を初めて世に問うことにしました。 それは、琉球王国の世子の住まいである「中城御殿(なかぐしくうどぅん)」の移設をめぐる、漢文の一次史料『中城御殿御敷替御普請日記(おしきがえごふしんにっき)』の翻刻・翻訳です。

全体で約300丁に及ぶこの史料は、その約3割が風水鑑定に関する記録。特に中国・福建の風水師による鑑定報告は、保存状態も良く、当時の高度な風水的判断を今に伝える貴重な記録です。

しかし、その解読は困難を極めます。

  • 虫食いの多い箇所はOCRでも読み取れず、一文字ずつ原書を確認。
  • 草書体の行政資料は判読が難しく、手書き入力で一字一字補う地道な作業。
  • 専門書と照らし合わせながら進める、中国伝統風水の高度な理論体系。

執筆にかけた時間は、これまでで最長となりました。解読はまだ1割にも満たないかもしれませんが、解釈を加えず、ニュートラルに事実を確認していく作業を何より大切にしました。

次の世代へ手渡す「空間の哲学」

なぜ、これほどまでに地道な作業を続けるのか。 それは、この資料に記された知恵を、単なる歴史の記録として終わらせず、次の世代へ手渡していくためです。

首里城、中城御殿、風水集落、そして久高島のニライカナイ信仰。 これらはすべて「理(ことわり)」で繋がっています。その精神性を日常の空間(テーブル)に表現する「陰陽五行テーブル哲学講座」という新しい試みも、今年からスタートいたします。

記事をご覧いただくには

今回のコラムでは、中城御殿の鑑定記録の「結論部分」と、移設に至った背景を中心にご紹介しています。1713年から現代まで、琉球の精神文化がどう流れてきたのか。ぜひ紙面またはWeb版にてご覧ください。

▼タイムス住宅新聞 特集コラム(WEB版)

『理(ことわり)と美の風水史|タイムス住宅新聞』はこちらをクリック

さらに深く知りたい方へ:研究の舞台裏を公開中

今回の新聞執筆のベースとなった一次史料『中城御殿御敷替御普請日記』。私がなぜこの難解な史料の翻刻に挑むのか、その情熱と調査のプロセスを、以下の記事で詳しく綴っています。

▼あわせて読みたい

『中城御殿御敷替御普請日記』解読への道:琉球風水の粋を極めた「世子の空間」を読み解く

これから1年をかけて、日記の内容を少しずつ紐解いてまいります。新聞コラムとあわせて、ぜひこの探究の旅をご一緒いただければ幸いです。

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琉球風水研究者。 立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士。 沖縄国際大学経済学部地域環境政策学科 非常勤講師。 首里城や風水集落を通して、琉球王国の自然観と空間思想を研究。 著書『風水空間デザインの教科書』(ガイアブックス)。