心身の健康や幸福度、ビジネスの創造に活用できるとして、ビジネスの世界で注目されている「アート思考」。アーティストが作品を生み出す時の考え方や思考プロセス
この記事では、創造性を発揮してビジョンを描き出す「アート思考」になるための、2つの習慣をお伝えします。
風水スクールを開講して10年。風水師として建築・インテリアの設計にも携わってきた私が、この10年、風水術を磨くために続けている方法を公開します。
この記事を読んでいただくと、右脳と左脳のバランスをとり、アート思考を発揮するヒントが得られます。自分の価値観を基準に試行錯誤を繰り返し、自分なりの答えを導き出す考え方、思考のプロセスがわかります。
「風水師になりたいです」
「風水を仕事にしたいです」
というご相談をいただくことがあります。
私が沖縄で風水スクールを開講したのが、2012年9月。風水師の仕事がちょうど10年となります。この10年、風水術を磨くために続けている2つの習慣があります。
習慣1:文献調査 年100冊〜500冊
習慣2:風水さんぽ 年20回〜40回
まず、文献調査・読書は、論理的言語化力に磨きがかかります。
風水師の仕事は、基本的に次の2ステップです。
- STEP1 直感で感じる
- STEP2 感じたことを論理的に言語化する
ただ、直感で感じ取ることができるのは、次にお話する直感力を磨くだけではなく、瞬時に言語化できるための知識と経験があることが必須です。知識や経験があるから、直感的にわかることがあります。
本の種類は、一般書も読みますが、風水に関するリサーチや風水講座のカリキュラムを作成する時は、基本的に、参考文献は学術論文と風水の専門書です。3年ほど前に年間500冊くらい読んだ年がありましたが、これはさすがにほとんど一般書でした。
電磁場過敏症を自力で回復させるためのリサーチに、約100冊。
不動産投資の勉強で、投資額の計算法から、リフォームや長期修繕計画のコスト算出、賃貸や民泊の運営についてまで勉強した際は、150冊に読みました。
電磁波の勉強は、風水の「氣」とは何かを知るのにとても勉強になりましたし、不動産投資の勉強は、建築プロデュースの全体像を理解することができました。
建築設計やリフォームは、数字の感覚が甘いと途中で設計プランが止まったり、ひっくり返ったりしますので、数字を把握する力は必須です。読みたい本を読んでいるといつの間にか、膨大な量になっています。
本を読む時間は、一般書であれば2時間程度。専門書の場合は、量より質なので、一回で読み終えられるケースは少なく、重要な論文は1週間かけて30回以上読んだりします。
四柱推命の専門書を読んだ時は、毎日1ヶ月間読み続けて、やっと基本を理解できました。
琉球王朝時代の風水術の論文などは、10年間の間に、何度も読んでいます。未熟な内は理解できなかったことが5年後、10年後にようやく理解できたりします。
よく、「風水は実はよくわからないのですが…」と言って、相談にくる方がいらっしゃるのですが、せっかく専門家と話す機会があって、質問できるのであれば、少なくとも風水の本30冊くらい読んでから相談されると良いと思います。
質問のクオリティに応じて答えの質も比例しますので、知識もないまま専門家に質問しても、一般書に書いてあるような基本的なことをお答えする程度で終わってしまいます。
その辺に売っている本に書いてあるようなことは、自分で事前に情報を入手できるわけですから、より突っ込んだ質問をできるレベルにまで自分をもっていければ、同じ時間でも、質の高い情報を入手できます。
ちなみに、私はもともと論理的思考力は弱い方でした。ロジカルシンキングの基礎は、大学院で論文の読み書きをしている時に身についたと感じています。
その後、人に何か教えた経験もないのに風水スクールを立ち上げて、この10年、カリキュラムを完全オリジナルで作っています。記憶の定着率が最も高いのは、学んだ知識を人に教えることだといいます。自分で理解していないことは、人に説明できないですからね。
あと、教育コンテンツを作っていく時にとても重要なのは、何を、どのような順番で実践するか、手順を体系化していくことです。これが、「アイデアを構造化する」とても良いトレーニングになっています。
風水さんぽは、直感力を磨くために続けています。といっても、がんばって継続しているわけではなく、出かける予定を考えると風水さんぽか、トレッキングやシュノーケリングの自然に入ることしかほとんど頭に浮かびません…。
風水師は氣の流れをあやつる職業なので、「氣の流れ」「氣の質」に敏感であることが必須です。そのためには、「上質な氣」に常に触れ、体で覚えておく必要があります。なんでもそうですが、上質なものを自分の中で「特別」ではなく、「標準」にしておくこと。これがすごく大事です。
沖縄は、首里城から、集落、民家まで、風水は最も良い地形とされる、四神相応の考え方でつくられた風水スポットがそこらじゅうにあります。こんなに風水を体感できる贅沢な土地は、他にはありません。私が10年前に琉球風水の師匠に入門した時は、まず初めに、沖縄本島にある60箇所の聖地巡礼リストが渡されました。これは、3年かけて全部まわりました。
聖地を訪れる時は、基本的に一人でのソロ参拝です。一人でないと、対話ができないからです。その他は、スクールの野外講義として、パワースポットツアーを実施しています。
1度しか行っていなところもありますが、首里城が一番多く、通った数は100回以上。年間30回以上通った年もあります。琉球風水の教科書的存在なので、氣の流れは首里城で勉強しています。
そして、沖縄には素晴らしい風水集落があります。私は集落を訪れると、だいたい1〜2時間散策するのですが、集落の四神、玄武、青龍、白虎、朱雀を探し、王朝時代の風水師がここに立ったであろう場所を探し、そこから集落全体を眺めるのを一番の楽しみにしています。
こうして、王朝時代の風水師が作った風景を体感して自分の体の中に落とし込んでいきます。すると、仕事で土地を見た時、直感である程度の情報をダウンロードできます。新築の間取りをイメージする時も、インテリアの建材、家具、ファブリックを決める時も、基本は直感的に映像でイメージしています。そして、そのイメージを提案する時に、風水理論を使って論理的に言語化します。
これは、イメージしたものがたまたま風水がよかったのではなく、普段から風水理論を脳と身体にインストールしていると、直感で、風水の整った世界をイメージできるようになります。
「どうやったら、風水が上達するのでしょうか?」。この問いに対する答えは、この二つです。
- 難しい世界を楽しみながら、知識を学び続ける力。
- 本物の風水の氣に「意識的」に全身で触れ続ける力。
氣に触れる時は「意識的」であることが重要です。同じ環境にいても、脳が何を認識しているかで、感じ方や得られる情報が全く違うからです。首里城を歩くにしても、なんとなく散歩するのか。王朝時代の風水師の「意図」を読み取りながら歩くのかで、見える風景、感じる世界が全く異なります。
風水の理論や哲学がインストールされているかどうかで、風水の風景が見えるかどうかが決まります。「金運アップ」「開運」などと表紙に書いてある一般書の風水の本ではなく、風水の専門書や学術文献を読むことができると、風水はぐっと面白くなりますよ。
風水術を磨くために続けている2つの習慣。
- 習慣1:文献調査 年100冊〜500冊
- 習慣2:風水さんぽ 年20回〜40回
これは、まさに今ビジネスの世界で求められている「アート思考」を身に着けるにもぴったりです。
左脳と右脳のバランスを取ることが、アート思考の一つの条件です。最も重要なのは、ゴールを設定する時。左脳的思考で、できる理由を積み重ねて、階段の下からゴール設定するのではなく、右脳的思考を使い、直感イメージで宙に浮いているとんでもないゴールを先に設定して、後からできる理由を考えていくという思考法を使うことです。
この「直感でとんでもないゴールをイメージできる力」を発揮するためには、左脳的に文献調査で知識を積み重ね、右脳的に風水さんぽやアウトドアスポーツで、氣を体感する本能レベルの野生的感覚に、磨きをかけていくことが役に立ちます。これを積み重ねると、「直感でまず解決策をイメージできて、それを論理的に言語化できる」という力につながります。
「そんなことくらい、知ってるよ。一般書のレベルに書いてあることじゃない」
その通りです。でも、なかなか本を読んだだけでは、できるようにならないですよね。「一人でやるきるのは自信はないけど、体系化されたカリキュラムと、講師や仲間がいれば…」、あなたにもできるかもしれません。
東道里璃 (とうどう りり)
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