ロンジェ琉球風水アカデミー、学長の東道里璃です。

インテリアコーディネート、難しいと思っている方も多いと思います。洋服と違って、範囲も広いですし、コストもかかります。インテリアのトータルデザインは、ハードルが高いですよね。

今回は、高級感と統一感のあるインテリアのカラーコーディネートについて、ご紹介したいと思います。インテリアを心地よく美しくするために、とても大切な存在は、カラーパレットです。

日本では、インテリアの色数の黄金比率は、以下のように言われています。

  • ベースカラー(薄くて、壁や天井などに使う色):70%
  • テーマカラー(部屋のテーマになる色:25%
  • アクセントカラー(スパイスになる濃くて強い色)5%

確かに、この比率はとても参考になる数値です。洋服の色のコーディネートも、よく「3色まで」と言われますよね。しかし、実際にインテリアの色をみてみると、3色のみで収まっている空間というのは、あまり見当たらないと思います。

アメリカのインテリアデザイン講座を受講しているのですが、ここで、インテリアのカラーバレットの”考え方”を習いました。

インテリアのテーマカラーを決める時は、まず、インスピレーションピクチャーを探して、気に入ったインテリアのカラーパレットを抽出します。淡く薄いベースカラー、存在感のあるミドルカラー、スパイスなるアクセントカラーを、それぞれ2色〜3色程度抽出します。様々な家具やインテリアアイティムを、3色で統一するというのは難しいなぁと思ってきたのですが、6色〜9色程度抽出できると、とても現実的だと思います。

イメージカットの写真は、私の大好きなウィリアム・モリスの壁紙、ピンク系のゴールデンリリーの柄で、カラーパレットを抽出しました。7色抽出していますが、色のトーンに統一感があります。

色番号が書かれていますが、これは、アメリカのペイント会社Sherwin Williams社のHPで検索しています。

部屋の一面だけに、アクセントクロスとして使いたいと思う、気に入った壁紙が見つかったら、そこで使われているカラーパレットを抽出してみましょう。そして、カラーパレットの中から、カーテンや、家具、ファブリックを選んでいくと、色の調和が取れます。

今回は、自然を感じながら、高級感のあるイメージで、コロニアルスタイルの家具を選び、モリスの壁紙からとった色で、クッションを選んでみました。コロニアルスタイルにもいくつか種類がありますが、私がお手本にしているのは、シンガポールのラッフルズホテルのような、イギリスのネオクラシカルスタイルが、熱帯のリゾートで、自然を感じるかたちでカスタマイズされたものです。

壁紙は全体的に、淡くて、少し彩度が抑えられていますが、1割程度、花の色で、濃いめの朱赤やビンクが、アクセントで使われています。このアクセントになっている花の色に合わせて、クッションの色を選び、置いてみました。

壁紙の柄が華やかなので、このアクセントクロス以外の3面は、カラーパレットにあるクリーム色のPeper whiteの壁紙でまとめ、巾木、周り縁などの白いモールディングで装飾すると、インテリア全体が美しくまとまりそうですね。

ちなみに、こちらのゴールデンリリーについては、琉球風水の陰陽バランスの視点からいいますと、玄関やLDなどのパブリック空間におすすめです。それは、明るく、温かみがあって、華やかなので、陽のエネルギーが高いからです。水周りは陰の空間ですが、洗面所のアクセントに使うのもいいかもしれません。鏡に映り込んでも美しいですし、色が淡いので、狭くて暗い水回りも、明るめの色なので、程よく陽の氣を補って、上品な華やかさを演出してくれそうです。

ユリの花自体が、陽の氣が強いので、陰の空間の「寝室」には控えた方がよさそうです。

高級感があって、美しくても、陰と陽のバランスが崩れると、心地悪い空間になります。

モリスのカラーバレットは、このゴールデンリリーよりも、全体的に、もう少し暗い色が使われているものが多く、私の好みの明るさの壁紙は、あまり多くはありません。そして、モリスのカラーパレットは、明るめのものでも、彩度は低めで、くすみがあり、落ち着きがあります。

私が、インテリアの陰陽バランスをとっていく時、空間の性質ごとに黄金比率のようなものがあります。インテリアに使う色に関しては、基本的に明るめの色で陽をとり、彩度をやや低めにするか、淡くして陰をとると、陰陽バランスがうまくとれることが多いと感じていました。

そして、昨年、モリスの本を読んだ時に、同じことが書いてあり、驚きました。モリスの考えるインテリアも、「色は明るいものを選び、やや彩度を低くするのがベストである」と。これは、時代や地域を超え、高級感が出て、落ち着いた部屋になる配色のコツでもあると思います。

同じことを考えているから、全くモリスの思想も知らない時に、モリスの作品を選んでしまうのだなぁと、感慨深かったです。

今回は、インテリアのカラーパレットについて、お話しました。インテリアのコーディネートをする時は、まず、気に入った壁紙や、気に入ったインテリアのインスピレーションピクチャーを探し、そこで使われているカラーパレットを抽出して、イメージボードを作成してみましょう。

心地よく美しいインテリアの作り方を、さらに学びたい方は、体験セミナーに、是非起こしください。

住宅の”質”の高さに、こだわりをお持ちの方で、風水を基礎から体系的に学びたいという方であれば、どなたでもご参加いただけます。

The following two tabs change content below.
東道里璃【Lily Todo】 株式会社ロンジェ 代表取締役 立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士 著書「琉球風水で叶うナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」(ガイアブックス刊) 東京世田谷区出身。成蹊大学経済学部卒。財団法人日本道路交通情報センターに入社し、JARTIC道路交通情報キャスターとしてNHKテレビ、J-waveなどに出演。夢を叶え、充実した人生であったが、忙しい生き方に疑問を抱く。「自然が好き」という価値観に素直に生きることを決意し、退職してニュージーランドへ。1年間、スクーバダイビング、スノーボード、トレッキング、アフタヌーンティーの旅に出て、東京の経済優先の価値観が音を立てて崩れる。「豊かさとは一体なんなのか?」を自分に問いかけるきっかけとなる。帰国後、立教大学大学院へ進学。在学中、乗馬の練習中に落馬して骨盤を骨折し2ヶ月入院。うつ病になるも、なんとか修士論文を書き上げ異文化コミュニケーション学修士号取得。卒業後、新築注文住宅の設計で風水との運命の出会い。しかし、設計は失敗。理想の未来を描けない東京の土地を離れ、2011年沖縄の離島へ移住。沖縄が東京から南西方位にあり、引っ越しのタイミングに風水的大吉方位だったので、風水の効果とやらを実験してみたかった。沖縄最初の新居は、築180年の琉球民家。離島の集落で王朝時代の風水集落に出会い、人生の使命を見つけたと確信して琉球風水師に転身。過去の新築住宅設計失敗の理由を徹底分析。2012年、親族も友人も誰も知り合いのいない宜野湾市で、琉球風水スクールを立ち上げる。ブログによる情報発信が新聞編集者の目に留まったことを機に、沖縄タイムス系新聞コラム通算80本以上執筆。有名企業・団体からの依頼でセミナー講師を務め、参加者の数は1000人以上に。新築住宅や商業空間の現場でも風水デザインを監修。2022年『琉球風水でナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書』出版。現在、聖地の点在する南城市の風水集落に住み、オンライン&対面のハイブリッド型のスクール、ロンジェ琉球風水アカデミー運営。少人数制の個別対応で、受講生に寄り添い、ひとりひとりの価値観にあった土地選び、家選び、室内装飾、生き方を一緒に考えている。県内の大学でも非常勤講師を務める。 「生き方に迷ったら、リセットボタンを押してみよ。人生はゲームさ。何度でもリスタートできるよ」 特典付きニュースレター「琉球風水インテリア通信」配信中 https://longe.jp/newsletter/