ロンジェ琉球風水アカデミー グループコンサルティング活動レポート

琉球風水の思想を、現代の住まいや暮らしにどのように生かすことができるのか。

ロンジェ琉球風水アカデミーでは、毎月第一土曜日に3時間のグループコンサルティングを開催しています。メンバーそれぞれの研究や実践を持ち寄り、互いに学びを深める場です。

グループコンサルティングは、私からの最新情報の共有やメンバー同士のチェックインから始まり、受講生による研究発表、実践事例の紹介へと続きます。

琉球風水の思想を学ぶだけでなく、それぞれの専門分野や日々の暮らしの中でどのように生かしていくのか。メンバーの発表や意見交換を通して、新たな視点や発見が生まれる時間です。

今回も、私からは現在水面下で進めているプロジェクトの最新情報を共有したほか、受講生からは住宅や空間デザインに関する発表がありました。

なかでも今回ご紹介したいのは、英国カーディフ在住のレイチェルさんによる発表です。

テーマは、「カーディフで見つけた心地よい空間の秘密」。

築100年以上のヴィクトリアン・テラスハウスを題材に、英国の住宅文化を読み解きながら、琉球風水の視点を取り入れた住宅分析と改装デザインを紹介していただきました。

琉球風水の視点を、沖縄とは異なる歴史や文化を持つ英国の住宅に応用して読み解く。そこには、私たちが学んでいる琉球風水の可能性を改めて感じさせてくれる発見がありました。

英国カーディフから届いた「ヴィクトリアン住宅」のレポート

今回レイチェルさんが取り上げたのは、英国カーディフにある築100年以上のヴィクトリアン・テラスハウスです。

ヴィクトリアン・テラスハウスとは、19世紀のヴィクトリア朝時代に発展した、隣家と壁を共有する連続住宅のこと。英国の都市景観を特徴づける伝統的な住宅形式の一つです。

レイチェルさんは、住宅の歴史的背景や当時の暮らし方を踏まえながら、建物の配置、間取り、庭との関係、光の取り入れ方などを丁寧に読み解いていきました。

今回の住宅は東向きで、建物の前後にはそれぞれ庭があります。前庭と裏庭という異なる性格の空間を持ち、自然光やプライバシー、室内外のつながりが住宅の構成に反映されています。

また、当時の英国社会の階級構造や生活習慣も、住宅の間取りに影響を与えていました。

例えば、上流階級の住宅では使用人のための地下空間が設けられる一方、中間層の住宅では異なる生活動線が形成されていました。

住宅の間取りとは、その時代の社会や文化、人々の価値観を映し出すものでもあります。

伝統を残しながら、現代の暮らしに合わせて再構成する

レイチェルさんの発表で特に興味深かったのは、既存の住宅を読み解くだけでなく、その分析を具体的な改装計画へと展開していたことです。

発表では、改装前後の平面図を比較しながら、キッチンとダイニングの配置を反転させるなど、現代の暮らしに合わせた空間構成が紹介されました。

歴史ある住宅の魅力を残しながら、日常の使いやすさや生活動線を見直していく。

また、琉球民家の表座と裏座の原理が、ヴィクトリアン住宅にも読み取ることができたという興味深い発表もありました。そして、こたいらが、レイチェルさんの改修イメージ画像です。

これまでの客間やリビングの使われ方が、現代のライフスタイルの変化によってどのように変わってきたのかという話題にも広がりました。英国の住宅文化と日本の住宅文化を比較すると、客人を迎えるための空間と家族が日常的に過ごす空間の考え方にも違いが見えてきます。

こうした文化的な背景を理解することは、住宅を表面的な間取りやインテリアだけで評価しないためにも大切です。

琉球風水の「風水メガネ」で、世界の住宅を読み解く

今回のレイチェルさんの発表は、私たちがアカデミーで目指している学びを象徴するものでもありました。

私が大切にしているのは、琉球風水を開運の知識やインテリアのルールとして学ぶのではなく、その背景にある思想や空間形成の原理を理解し、実際の空間に応用できるようになることです。

そのために取り組んでいるのが、琉球風水の「風水メガネ」で空間を読み解くこと。

住宅の方位や地形、周囲の環境、建物の配置、間取り、室内外のつながりなどを観察し、そこにどのような空間の秩序や意味があるのかを考えていきます。

そして、読み解いた内容を現代の暮らしに合わせて翻訳し、具体的なデザインへとつなげていく。

レイチェルさんが英国で取り組んでいるのは、まさにこの実践です。

沖縄の伝統的な住宅と英国のヴィクトリアン住宅。建築様式も気候も文化も異なりますが、琉球風水の思想を手がかりに空間を読み解くことで、新たな発見やデザインの可能性が生まれます。

琉球風水を学ぶことは、沖縄の住宅を理解するだけではありません。世界のさまざまな空間を、自分自身の視点で読み解く力を身につけることでもあるのです。

それぞれの専門性から生まれる、新しい発見

ロンジェ琉球風水アカデミーのグループコンサルティングでは、メンバーがそれぞれの関心や専門性を生かして発表を行います。

同じ空間を見ても、建築、インテリア、暮らし、文化など、持っている知識や経験によって着目するポイントは異なります。

今回も、英国と日本の住宅文化の違いや、客間の役割、住まう人の居心地と建築家の設計思想など、さまざまな視点から意見が交わされました。

また、後半には他のメンバーの発表で、沖縄の住宅を題材にした住宅に対する「問いかけ」もありました。住まう人の暮らしと空間構成の関係について考える時間となりました。

さらに、Kさんからはお月見をテーマにしたテーブルコーディネートの実践発表もありました。学んだ思想を日常の暮らしの中で表現することも、琉球風水の大切な応用の一つです。

それぞれが異なるテーマに取り組みながらも、琉球風水という共通の視点を通してつながっている。それが、このグループコンサルティングの面白さです。

学んだ知識を、自分の視点とデザインに変えていく

琉球風水を学ぶことは、自分の住まいを見直したり、住宅の設計に生かしたり、地域の空間文化を読み解いたりするための知恵を身に着けます。そして、学んだことを、それぞれの専門分野や日常の暮らしに結びつけていくことで、学びは少しずつ自分自身の力になっていきます。

ロンジェ琉球風水アカデミーでは、知識を学ぶだけでなく、実際の空間を題材に考え、発表し、メンバー同士で意見を交わすことを大切にしています。

今回、英国カーディフから届いたレイチェルさんの発表は、琉球風水の思想が国や建築様式を越えて、空間を読み解くための視点になることを教えてくれました。

それぞれの場所で、それぞれの専門性を生かしながら、琉球風水の可能性を探究する。

そんな仲間と一緒に学びを深めていくことも、ロンジェ琉球風水アカデミーの魅力です。


ロンジェ琉球風水アカデミー

琉球風水の思想と空間の原理を学び、現代の住まいや暮らしに応用する力を身につける学びの場です。

知識を学ぶだけで終わらず、自分の視点で空間を読み解き、考え、形にしていく。

琉球風水をもっと深く学びたい方、空間デザインに生かしたい方、自分の専門性を広げたい方のご参加をお待ちしています。

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琉球文化空間デザイン研究所 代表 歴史地理学会・沖縄文化協会会員。 ロンジェ®琉球風水アカデミー 学長|株式会社ロンジェ 代表取締役。 研究分野:風水思想・文化空間論 専門:琉球風水(近世琉球の空間設計思想) 立教大学大学院 異文化コミュニケーション学修士。 沖縄国際大学経済学部地域環境政策学科 非常勤講師(2024~2025年)。 研究活動では、首里城・中城御殿・伝統的風水集落などを対象に、現地調査、古文書・絵図等の史料翻刻を通して、琉球王国における空間思想や自然観を研究している。 また、琉球風水の専門家として、多良間島琉球風水集落探究フィールドワークのプログラム造成、探究BOOKの執筆、琉球風水監修など、研究成果を地域や空間づくりの現場へ展開している。 教育事業では、風水とインテリアコーディネートを好む女性を中心に、琉球風水の思想を暮らしや住空間に活かすための講座を展開。さらに専門的に学びたい方に向けて、琉球風水の思想をベースとした「風水空間デザイナー®資格講座」を開講している。 著書に『風水空間デザインの教科書』(ガイアブックス)。