ロンジェ®︎琉球風水アカデミー学長の東道里璃です。
ロンジェ琉球風水アカデミー6月の活動を、マンスリーレポートとして報告いたします。
風水空間デザイン®︎講座第5回の講義の内容や、沖縄国際大学で行なった講義への学生たちの声、受講生の実践や相談に対する私からのフィードバックなどを、一部抜粋して報告いたします。
このレポートを読んでいただくと、住宅への方位と運気の生かし方、美しく集中力を高める書斎の整え方、琉球風水にみる現代の環境政策のポイント、寝室リフォームのヒントなどがわかります。 住まいも人生もより美しく、心地よく充実させる学びと実践法として、風水空間デザイン®︎をお役立てください。
運気を生かす間取りの考え方 6月の全体講義の内容を紹介
今月は、風水空間デザイン®︎講座2級、3級の第5回(全6回)、個人の吉凶方位を鑑定する「個別運勢方位」、そして「書斎・子ども部屋」をテーマに講義を行いました。今回は、玉城本校で対面受講される方と、オンライン(Zoom)での受講者が一緒になって、ロンジェ初のハイブリッド講義となりました。
ロンジェ®の「個別運勢方位鑑定」は、中国伝統風水の「八宅法」の一つで、個人の運勢から風水を看る方位鑑定です。自分にとって良い氣を受ける方位を知り、部屋に居るだけで良い氣が受けられる環境をつくることが、個別運勢方位鑑定を行う目的です。
生年月日から導き出す家族それぞれの吉方位が分かると、新築の間取り設計で部屋の配置を決めるときや、枕や椅子などの家具の向きを決めるときに役立ちます。ただし、方位鑑定は氣の流れが良く、陰陽の調和が取れている環境で取り入れることが前提です。
風水空間デザインは、形勢法の「氣の流れの鑑定」と「陰陽鑑定」、そして方位を看る「個別運勢方位鑑定」と「八方位鑑定」、この4つの鑑定法を総合的に看て風水判断を行い、全体の調和をとるように、設計デザインの方向性を出していくのが特徴です。
琉球風水鑑定は、部分ではなく全体を見るホリスティックなものの見方をしていく点で、東洋医学とよく似ています。それぞれの鑑定法に特徴があり、ある鑑定法では吉と出て、ある鑑定法では凶と出るのということが当たり前に起こります。そういう時が一番、戸惑いますよね。大切なのは、鑑定の優先順位を決めて、何を鑑定したいのかという目的を明確にしていくことです。
形勢法の鑑定で看るのは、座向(背中はどちらで、どこを向いているか)や全体的な間取り配置、ドアや窓、家具の配置など、住宅が完成した後では変えることが難しい決定事項です。家具については、できあがってから配置すればいいじゃないかと思われがちですが、家具配置をきちんと作り込んで住宅を設計するとすごく心地がいい。住宅に心地よさや安心感をもたらしてくれるのが、形勢法です。
一方、方位鑑定は、全体的な間取りの配置、八方位では方位に適した色や形などを当てはめてきます。そして、座る向きや枕の向きなどを合わせていきます。これは主に、運勢を看ています。形勢法と方位鑑定では、看る目的が異なります。 私たち人間の体は、さまざまな臓器が複雑に連携しあって一つの命を作り出していますが、住宅も同じ。全体的なエネルギーの流れで、住宅の風水が決まります。ですから鑑定法に囚われず、柔軟な思考で全体の調和を看ていくことが重要です。
個別運勢方位は、「方位」と「向き」の両方を看るのが大きな特徴です。「方位」というのは間取り配置。住宅の平図面に羅盤をあて、玄関や書斎など部屋の配置がどちらの方位にあるかを面で捉える二次元的な世界です。一方「向き」は、枕や椅子の座る向き。枕の場合は、頭がどこに向いているか。座る場合は、座った状態で顔がどちらを向いているか。人を中心に線で捉えて、その体勢から立体的に見る三次元的な世界です。
ワークでは、自分の個別運勢方位(八宅周書法の本命卦)を求め、サンプル図面に書き込みました。八宅周書法の本命卦の求め方は、著書「風水空間デザインの教科書」29ページにワークシートを掲載しておりますので、ご参考になさってください。
本命卦は、下画像のように東四命と西四命に分かれます。東四命と西四命の大きな違いは、吉方位が真逆になるということ。つまり、東四命の吉方位は西四命の凶方位にあたります。
東四命の吉方位は「北」「南」「東」「南東」、西四命の場合は「南西」「西」「北西」「北東」です。ご夫婦で東四命と西四命が逆だった場合、吉方位も真逆という事態が起こります。こういったときは一家の主人、経済的に家を守っている人の方位を優先するのが基本です。個室の配置や家族それぞれの机の向きや枕の向きは、個別運勢方位鑑定の結果を活かせないか確認してみてください。
吉方位はできるだけ玄関や書斎、寝室、リビングなど、人が長く過ごす場所が吉方位に来るといいと言われています。一方、凶方位にも、相性のいい部屋があります。それは、トイレや洗面台、お風呂、収納です。水廻りは、悪い氣を水が流してくる。収納なら、悪い氣を閉じ込めてくれるという考え方がありますので、凶方位もうまく活用していただければと思います。
吉方位が上手く取れなくても残念に思わないでください。100%完璧な風水はありません。風水はポイント制のようなもので、できることを一つでも多く実践することが大切です。凶方位は当たっちゃったらイヤだなと思うかもしれませんが、残念ながら八つの方位のうち半分は凶方位。凶方位であっても吉方位であっても、その意味を知り、ご自身が住居とともにどんな運命を持って生きているかを理解することが、凶意の予防につながります。
受講生からは、「向きを看ると、今の家もすごくいい方位、場所だなと思いました。今回で2度目の鑑定。新しい家のイメージも膨らみ、前にイメージができなかったところも明確化できたので、あとはしっかり言語化していきたい。」「はじめての鑑定でしたが、わかりやすく説明してくださったので、スイスイできました。わが家は書斎とLDは吉方位。キッチンのコンロは凶方位にあるけど、吉方位を向いているのでそれほど悪い間取りではないとわかりました」などの感想がありました。
書斎は仕事運、出世運を司り、人体に例えるなら論理的な思考を司る左脳です。書斎、そして勉強机の置いてある子ども部屋の風水を良くするエッセンスは次の3つ。最適にカスタマイズして、仕事運、勉強運をアップしましょう!
- 理想的な机の配置と向き
- 安心感、集中力
- 快適な机、イスの高さ
書斎における机の良い配置例は、入口の対角線上にある壁が背中に来るレイアウト。壁が玄武、そして前方に入口があって、ある程度開けたスペース(朱雀)があるのが理想です。机の真後ろにドアがあったり、ビューのいいカフェによくあるような、机の前に窓があるという環境は、仕事や勉強をするには氣が散ってしまって集中できません。
清浄化という面では、本など物がきちんと収まり、スッキリとした環境を保つこと。ものがあふれ出てしまっている場合は、この先どんな生活がしたいのかを考えていきましょう。ここは住んでいるあなた自身の決断です。PC関連機器の電磁波対策も、健康な身体を維持して持続可能な仕事ができるかという点で、すごく気をつけたい場所です。
書斎で特に重視したいのは、身体のサイズにあった机と椅子の高さです。身長を入力すると、人間工学上の計算式で最適なイスの高さを出してくれるWebサイトもありますので、ご活用ください。
机やイスは、既製品だと自分に合ったサイズを探すのが難しいです。書斎の机とイスに関して、私がお勧めしたいのはオーダーメードです。仕事運、出世運と直結するお部屋ですので、クオリティーに関してもサイズに関してもこだわっていただきたいと思います。
座面に深く腰掛けて、かかとがぴったりと床につく高さが最適なイスの高さ。その高さに合わせて、机の高さが決まります。身長が低いと、イスと高さを合わせるために、既製品の机の脚をカットしてもらう必要があります。猫足など、机や椅子の脚のデザインに装飾が入っていると、カットした時に見た目のバランスがおかしくなってしまう。ですから私は、できるだけストレートな脚を選んで、カットしてもらえる家具屋さんで購入するようにしています。
集中力が高まり、幸せを感じる空間に整えるために、香りやディスプレイを活用してみましょう。集中力、記憶力を高めるアロマとしてよく知られているのは、ローズマリーです。ミントもいいと言われています。
そして、花や植物、アートなどのディスプレーについても考えてみましょう。書斎、特に机の背後に飾るのは、山の絵がお勧めです。私の書斎は、深山桂子さんが描いた「風水空間デザインの教科書」の表紙のイラストの原画を飾っているのですが、首里城とその玄武である弁之御嶽が描かれていて、山の絵が入っています。この絵をみているとすごく癒されるし、元気が出るので、書斎にいる時間は幸福度が高く、深山さんに出会えことに感謝です。
書斎を作り込むときは、風水で氣の流れを設計し、装飾的なデザイン性を美しく。椅子の背後には、お気に入りの絵、特に山の絵が飾れるような場所をぜひ作ってみてください。
沖縄国際大学経済学部で講義 琉球風水×グローカル
先月は、沖縄国際大学(沖縄県宜野湾市)で、琉球風水の講義をさせていただきました。沖縄国際大学講師の砂川かおり先生とのご縁で、経済学部 地域環境政策学科の「グローカルセミナーⅠ」と「エコビジネス論」の2科目で、教壇に立たせていただきました。
「環境」と「経済」…、あまり相性の良くない関係性です。どちらか一方を優先すると、もう一方に負担がかかる…。バランスを取るのが難しい関係にある概念です。この両者のバランスを考えて持続可能な未来を考えるのが、沖縄国際大学の地域環境政策学科です。
琉球風水が含む学術分野は多分野に渡ります。学術分野として一番心地よいのは、やはり私自身が大学院で研究した異文化コミュニケーション学ですが、地域環境政策学科は私の研究分野と一番近いと感じる場所でした。
琉球風水は、「快適な住宅」という物資的な豊かさを手に入れるだけでなく、風水思想にふれることで、精神的な豊かさを手に入れ、人間力を磨くために学ぶものでもあります。価値観の軸となる思想の土台ができる大学時代。琉球風水の考え方が、少しでもお役に立てたのであれば、幸いです。
講義の内容はブログで書いておりますので、ここでは講義を受けた学生からのレポートを抜粋してご紹介致します。
グローカルセミナーⅠのご感想
◆これからの沖縄にふさわしい環境をつくっていくためには、琉球風水の考え方を活用し沖縄の気候や地形、水場などの自然の恩恵を最大限に活かすことが重要になってくると考えました。沖縄の気候を活かした建築法は、電気などのエネルギーがなくとも、効率的に室内の温度を変化させることができることからも、エネルギーの削減に大きく貢献することができると思っています。
◆王朝時代の風水思想から、沖縄にとって望ましい環境水準を作り出すための環境政策のヒントとなるキーワードは、四神相応と山林政策です。四神相応の形で街づくりを行うことで、環境により効率の良い街になると思いました。また建築用材を自給自足することで、遠い国々から運ぶ手間が省け船などから出る汚染物質の排出も抑えられると思うからです。
◆琉球風水を参考に、沖縄にとって望ましい環境水準を作り出すための環境政策は、森林が重要になるのではないかと考えました。森林伐採を必要最低限にし、植林をすることで周りに緑が増え、王朝時代のような環境をつくります。そうすることでエアコンいらずの自然の力だけで涼しく過ごせることができるようになる。そうすると二酸化炭素を排出しません。電気代も抑えられます。不便にはなると思うけど、環境にも自然にも懐にも優しい環境政策ではないかと思いました。
エコビジネス論のご感想
エコビジネス論では、前半は琉球王朝時代の風水思想とSDGsの関係性についての講義を行い、後半は、ご自身の価値観、才能、得意なことをかけあわせて、どんな仕事したいのか考えていただきました。
◆価値観の軸に、才能と情熱を掛け合わせて、働き方を考えるという話は、自分の事を考えるきっかけになりました。私の価値観は、環境保護とビジネスや快適な生活を両立させること。得意なことは、周囲を観察し自分の行動を考えることや冷静な判断力です。興味・関心は、ファッションと環境問題です。これらを組み合わせ、環境に配慮したアパレル業を展開したいと考えています。人や自然にやさしく、人々が求めるファッションを提供することを目指します。
◆漫画を描くこと、その中でも「アイディアを出す」ことが最も好き。それを生かして、モノづくりやサービスを提供する仕事がしたいと考えています。「好きなことに一生懸命に取り組む」という価値観を大事に、古いやり方にとらわれず、新しい方法を積極的に取り入れてモノづくりをしていきたい。難しいからと言って挑戦することをあきらめたくない。失敗を恐れず、ゼロから自分で企画して、いろいろな人に自分が創った漫画を見てもらい、楽しんでほしいと思っています。
◆私の人生で大切なこと(価値観)は、沖縄の観光経済に貢献することです。得意なこと(才能)は、俊敏性と決断力。そして、興味関心があること(情熱)は環境問題について考えることです。私は興味のあることについてじっくり考えることが好きなので、価値観である観光経済への貢献と、情熱である環境問題について考えることを掛け合わせ、沖縄の観光を盛り上げられるような企画を考えたり、環境に配慮した観光プランを考える仕事がしたいと思いました。
私が「グローカルセミナーⅠ」で、一体どのような講義を行なったのか?
興味のある方は、ブログをご覧ください。
受講生の実践課題より〜寝室の風水鑑定報告書
風水空間デザイナー®︎試験に向けて、寝室のリフォームプランのご提案で、風水鑑定報告書を書いています。
リゾートスタイルをイメージした寝室で、壁色やベッドスローは白で統一。北のお部屋なので、八方位の象意としても相性のいい色です。素材は、装飾的な織り目の入ったものを選んで、より豊かな雰囲気に仕上げます。ベッドのヘッドボードも装飾的に作ってもらう予定です。
また、八方位鑑定で相性の良い金の氣を取り入れるため、円形のラグを取り入れます。消防法の関係で収納スペースを広く取る必要があり、想像していたより壁面が狭くなってしまったのが残念な点。空間のアクセントとして、ウォールパネルを縦長型に変えると、バランスが取れると考えています。
◇ ◇ ◇
学長 東道里璃からのフィードバック「理想のインテリアを見つけたら徹底分析を」
素敵な空間に仕上がってきましたね。リフォームの場合、現状のどこに不具合や悩みがあるかをひもとき、それを解決するための方向性、対処法をご提案することが風水空間デザインの最重要ポイントです。ですから、現状分析がものすごく大切です。
新築住宅と違い、既存住宅の場合、すでに方位と空間が固定され、インテリアも出来上がっています。現状の方位と空間、そして施工された空間の状態がどうなっているのか。その空間で過ごすお施主様は、どのように感じてきたのか? 心地いいと感じているのか? それとも違和感があるのか? 空間でお施主様が過ごす時の気持ちを踏まえて、風水鑑定で分析を行なった結果を、インテリアデザインに反映させていきましょう。
ご提案のお部屋は北にありますので、水の氣をもつ寝室とは相性良し。五行の考え方で調和が取れているので、氣を漏らしたり、増やしたりする必要はなく、「氣を維持」してあげる方向でインテリアをつくっていきます。
風水の八方位鑑定の結果から色や形を取り入れる時は、現状分析を元に、その空間の氣の状況をどう変化させたいかを基準に選びます。北は五行では「水」です。同じ「水」の性質を取り入れると水の氣を維持できます。 ラグで取り入れる円形は、五行の「金」の形です。「金」は「水」の氣を強める相生(そうせい)の関係にあり、水の氣を強める役割があります。水の氣が過剰になりすぎると心地悪くなりますので、重要なのはバランスです。
デザイン的にはきれいにまとまっていますので、あとは、風水的な意味づけの言語化です。五行の関係性は、理解を深めるのが難しい部分です。感覚ではデザインができていますので、できあがった世界の中にある、風水理論やRさんの意識を、しっかりと言葉にすることができれば、合格です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
東道里璃 (とうどう りり)
最新記事 by 東道里璃 (とうどう りり) (全て見る)
- 【ロンジェ琉球風水アカデミー】月次実践レポート2024.4 - 2024年5月9日
- 3月3日上巳節・浜下り/中国・日本・沖縄を比較検証 - 2024年5月3日
- 2024年二十四節気「清明」4月辰月の過ごし方 活かす点と注意点 - 2024年4月4日
この記事へのコメントはありません。