2019年10月31日、沖縄の象徴である首里城の正殿や南殿などが焼失しました。
大変ショッキングができごとでした。しかし、ここから、私たちは、いろいろな氣づきを得ることができたのも確かです。
首里城の焼失をきっかけに、2019年12月12日、ロンジェ琉球風水アカデミーのイベントとして、「首里城から学ぶ琉球風水と幸福人生デザイン1dayセミナー」を開催。
そして、このセミナーの準備中に、沖縄タイムス副読紙のタイムス住宅新聞社から、新年特集号で、首里城とかかわりの深い建築関係者ら11人に、首里城にまつわる思い出や建築的・文化的意義、再建のアイデアを寄せてもらうという趣旨のコラムの執筆を依頼されました。
首里城に関するセミナー開催と新聞コラムの執筆が重なり、この年末は、責任の重い発言をする状況になりました。それは、とても大きなプレッシャーでしたが、同時に、首里城の風水について、真剣に改めて調査をする機会に恵まれました。
風水スクールを立ち上げたころ、2012年~2013年ころに、風水学の学術文献をかなり読んでいましたが、ここ数年は、現場での実務が中心でした。
今回、改めて、琉球王国の歴史書「球陽」の原文を読み返し、首里城に関する学術文献の参照しながら、「球陽」の中に書かれた、蔡温(さいおん)の「首里地理記」と呼ばれる風水鑑定報告書を、一語一語を翻訳していきました。そうすると、今までの理解とは違った側面が見えてきて、これまでの首里城の風水に関する理解が甘かったことに氣づきました。
首里地理記は、ほんの2ページ程度の短い文章ですが、その内容は奥深く、簡単に理解できるものではありません。文章の向こう側にある時代背景や首里城の風景を理解しながら解釈していく必要があります。また、理論だけでなく、理論を実際に現場で使った経験がないと感覚的にわからない部分があります。
私は、ここ8年にわたり、琉球風水理論をベースにした上で、住宅の設計、店舗の設計、インテリアコーディネートなど、現代の住まいに王朝時代の風水理論を応用し、現実レベルで実践してきた経験が積み重なった今だからこそ、首里地理記への理解を、一歩踏み込んで理解することができたのだと思います。
ちょうど、このコンテンツの準備中に、久米国鼎会主催の琉球王国の風水師に関する講座がありました。琉球大学名誉教授の高良倉吉先生や仲間勇栄先生
先生がたのお話から、当時の風水師のステイタスや、風水師が必要だった背景などのお話
この時、会場の外には古書店が出店しており、琉球風水関連の学術文献がズラリ。
図書館でかりて読んだものの、廃番で購入出来なかった文献や、最近発売されて気になっていた文献などがあり、10冊くらい、一気に購入しました。
学術文献は一冊5000円から10000円くらいしますので、かなりの金額になりました(笑)。
家に文献を持ち帰ってから、こんなに大量の資料を読めるだろうかと思ったのですが、1週間でほぼ読み切りました。それは、本当に興味深くて、今の私にとって必要情報がぎっしり詰め込まれており、思い悩んでいたセミナ―や新聞コラムのコンテンツづくりに、欠かせない情報ばかりでした。
これまで、実際に現場で使ってきた風水は、戸建住宅や、集合住宅がメインでしたが、王城の風水は、国造り、都市計画のレベルにまで影響を及ぼすので、非常にスケールの大きいものでした。
王朝時代は、壮大なプロジェクトに風水が用いられており、当時の風水師のレベルの高さの形跡を、今でも、いたるところで見ることできます。
首里城の未来を考えることは、沖縄の未来を考えること。そのような想いでコラムを執筆いたしました。
首里城について、深く考える機会を与えてくださった全ての方に、心より感謝いたします。
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東道里璃 (とうどう りり)
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