ロンジェ琉球風水アカデミー、学長の東道里璃です。
2020年8月のマンスリーレポートとして、ロンジェ琉球風水アカデミーの進捗状況を公開させて頂きます。今月のグループコンサルティングの内容を一部紹介します。
今回は、琉球風水インテリアデザイン講座の「STEP11陰陽論と八方位の鑑定法によるインテリアデザイン提案」の課題です。全12ステップのロンジェ®️のインテリアデザイン講座ですが、STEP11までくると、最後の仕上げに入っています。
ご紹介する受講生は、現役のインテリアコーディネーターです。ご自身がお客様にご提案するインテリアの中に、琉球風水の鑑定法を取り入れて、プレゼンボードをつくっていただきました。
提出されたプレゼンボードと、それに対する私からのフィードバックをご紹介します。
※著作権の関係で、写真にモザイクがかかっておりますので、ご了承くださいませ。
陰陽バランスを整えたインテリア提案〜プレゼンボードに対するフィードバック
キッチンの提案
琉球風水では、風水の鑑定法ごとに、鑑定図面を作成していきます。図面の上に羅盤をのせて、どの間取りが、どの方位にあるのか、わかるようにしてあります。
こちらのキッチンは、南西の方位にあります。キッチンは陰の空間なので、北側の陰の方位と相性が良いですが、こちらのキッチンは、南西は陽の方位にあります。ただ、窓がないので、午後の日差しによる強い陽エネルギーの影響はなく、意図的に陰の色を大きく補う必要はなさそうです。
キッチンの陰陽バランスのポイントは、氣の流れのスピード調整です。キッチンは、掃除がしやすいようにツルツルした素材が多く使われています。しかし、ツルツルした素材は、氣の流れが早く、多すぎると落ち着かない空間になってしまいます。ファーストフード店のインテリアなどが、氣の流れが速い典型的な例です。落ち着かないので、そこでゆったり過ごそうと思いませんが、回転率の速さで利益を上げるファーストフード店にとっては、戦略的な内装です。
今回の受講生の方は、システムキッチンに、木製の扉を選びました。インテリアの広い面積をしめるシステムキッチンの扉ですが、木製は相性が良いです。それは、適度にデコボコした素材感が、氣の流れを穏やかにして、居心地よくなるからです。
窓がなく、暗くなりがちなスペースに、明るい白を持ってくるのも、明るさで陽を補い、清潔感があって、陰陽の調和をとっています。
リビングの提案
リビングは、南東にあります。陽の空間であるリビングは、明るく活気のあるエネルギーを必要とします。太陽光がたっぷり入る陽の方位の南東にあり、空間と方位の相性は合っています。この場合、高層階などで日当たりが強い場合は、陽エネルギーが過剰になるので、ほどよく陰を補います。南東にあっても、低層階や、周囲に高い建物があって日差しが弱い場合は、陽エネルギーを意図的に補っていきます。
南東方位の五行は「木」で、八方位では「風」を表します。五行の「木」と相性の良い色は「緑」。グリーンのコーディネートをご提案くださいました。
落ち着いた色がお好みという設定なので、ソファや壁のアートが、彩度が低く、陰が強めになっていました。お客様の好みで、陽のエネルギーが必要な空間に、こうしたやや陰性のテーマカラーを選ばれることもあります。そういう時は、まず、お客様のご要望を第一に取り入れて、それ以外のインテリアアイティムで、陽の色を補っていけば、きちんと陰陽の調和が取れます。
お客様の強いご要望で、「深い緑のソファを取り入れたい」という場合には、ラグマットをグレーでなく、もう少し明るいベージュやクリーム色にしてみたり、壁のアートに、陽性の温かみのある色、明度の高い色を持ってくると、バランスをとることができます。
アクセントとなるクッションに、赤やオレンジを入れていくのも、陽のエネルギーを補いながら、反対色のスパイスにもなっておすすめです。
書斎の提案
やや陰の空間である書斎が、陰の方位の北側にあって、相性は良いです。北は八方位で「職業運」の方位でもあり、また、こちらのご主人にとっては、北が「才能運」の方位でもあり、書斎としては、相性のよい方位にあると言えるでしょう。
気になったのは、照明の色ですが、仕事をする場所であり、趣味を楽しむリラックスする場所もかねているので、照明は白とオレンジ色を調光できるタイプのものを選びたいということでした。このように、風水インテリアや、陰陽バランスといっても、決まりきった方法があるのではなく、理論を元に、そこで過ごす方の得たい感情に合わせて、インテリアを整えるのが、ロンジェ®️の琉球風水です。
現役で活躍されているインテリアコーディネーターの方なので、感覚的には、すでに素敵なデザイン提案ができていらっしゃいます。その上に、琉球風水の考え方を取り入れることで、ご自身のプランを言語化し、プランの価値の高さを論理的に伝えられるようになることで、より説得力のあるプランの提案ができるようになりますね。
課題を実践してみてのご感想
ロンジェ®️には、詳細な現状分析シートがあって、現状分析を丁寧にしていくことで、お客様が今の空間に抱えている課題を明確にできると感じました。これまでは、自分の感覚だけで進めていたものが、現状分析の内容をお客様と共有することで、どのような空間にしたいのかというゴールを設定できます。ロンジェ®️では、最初にコンセプトの設計をしっかりするのですが、そこで軸を決めれば、そこから大きくずれることがないので、プランニングもスムーズに進むことを実感しました。このロンジェ®️の現状分析シート、是非、実務で使わせていただきたいです。
現状分析の内容から、インテリアの陰陽バランスを見ることで、なんとなく心地悪い原因を明確にでき、改善するためのプランが自動的に出来上がります。そのベースには、きちんとした理論があるので、私も自信をもってプランを提案できます。素晴らしいツールだなと感じました。
今回、いろいろ提案した内容をみてみると、陰陽バランスを知らなければできなかった提案がいくつもありました。感覚だけでやっていると、「高級感があるから」「お洒落だから」という理由で、陰陽バランスが崩れてしまう様な提案もしてしまうと思います。陰陽バランスが崩れると、「なんとなく心地悪い」、「違和感がある」という感覚があっても、原因がわからないまま過ごすことになってしますね。
インテリアの提案をする時に、私がとても大切にしているのは、その空間で過ごす気持ちに寄り添いたいということです。その空間で、どんな気持ちで過ごしたいのか、お客様がなりたい気持ちになれる空間を作るのに、陰陽バランスで空間を整えることは、とても説得力があり、効果も高いんじゃないかなと感じました。
北東の寝室について
受講生から「北東にある寝室のインテリアを整える際に、『夫婦仲があまり良くないので、改善できるようなインテリアにしてほしい』とお客様からご要望があった場合、Lily先生ならどう答えますか?」というご質問を受けました。
八方位の象意からすると、「浄化と再生」の方位で、基本的には、浄化を表す「白」を貴重に空間を整えます。夫婦仲があまり良くないというお悩みがあれば、情熱を表す赤やオレンジなどの「火」のエネルギーをポイント使いします。具体的には、クッションやフットスロー、カーテンのタッセルなどで、5~10%程度の比率にしてアクセントを入れます。北東は五行では「土」の方位です。「土」の氣は、「火」の氣によって活性化される関係があるので、五行の相性も良いのです。
ただし、ここは陰の空間なので、「赤」を入れる際は、彩度を下げて、落ち着いた赤の色味を選ぶのがポイントです。先ほど例にあげた南東のリビングは、陽の空間なので、赤を使う時、彩度が高くてもOKです。
八方位は、赤、青、黄色など色味の方向性を出すことができます。ここに、陰陽バランスを配慮することで、眠る空間であれば、彩度や明度を下げる、人が集まる空間であれば、彩度や明度を上げるなど、得たい感情に合わせて色を微調整できます。
八方位には、各方位に決まった象意があり、相性の良い色、悪い色があります。インテリアの方向性を出す際に、八方位で色を決めるは簡単に思えますが、八方位の使い方は、本来、風水ではとても難しく、上級者の技です。
琉球風水でインテリアの方向性を出すステップは、以下の順番です。
- お客様のご要望をヒアリングし、改善したい課題を明確にする
- お客様がその空間でなりたい気持ちになるように、陰陽バランスの方向性を出す(陰を補うか、陽を補うか)
- テーマカラーを絞り込む時に、八方位の象意に配慮する(ただし、方位の象意にこだわらず、全体の調和から判断すること)
- 陰陽バランスで、色の彩度、明度、濃淡を微調整する
風水インテリアというと、その空間でなりたい感情や、陰陽バランスを整える前に、「八方位で部屋のテーマカラーを決めようとする」方が多いですが、これは間違いです。八方位の鑑定法は、最後にアクセントを入れたり、調和をとる時に使うことで、生かされます。
質の高いインテリアデザインを行うためには、様々な鑑定法の特性を知り、状況によって、鑑定法を使い分けることが大切です。
そのためには、風水を知識として知っているだけではなく、実際のインテリアをデザインする際に、風水の鑑定法を取り入れ、その空間での得たい感情に合わせたインテリアのデザイン提案を繰り返していくことが大切です。
さて、寝室の風水について、「気になった」「もっと知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。寝室の風水の基本や、枕の向きについて、お話しています。
東道里璃 (とうどう りり)
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