写真:沖縄タイムス副読紙「タイムス住宅新聞」2014年4月18日掲載紙面

あなたの家を幸運を引き寄せるパワースポットに

「パワースポット」とは、感覚的な概念ではありません。最高に心地いい空間を再現性高く作るための方法が、きちんと存在します。

こんにちは。琉球風水師の東道里璃です。沖縄の大手メディアの新聞コラムでも書かせていただいたコンテンツに、さらに詳しい解説を添えてお届けします。

この記事では、そもそも本場中国から伝わる風水思想とは一体どういうものなのかを知ることにより、「パワースポットととはどのようにつくられるのか」その考え方をお伝えします。基本的な考え方を理解することで、あなたの家に幸運を呼び込むためのヒントを得ることができるでしょう。

場の力で人生に追い風を吹かせる

あなたの家は、あなたの手でパワースポットにすることができます。最高に居心地のいい空間で過ごすことができれば、場の力により、あなたの人生に追い風を吹かせることができます。

あなたがパワースポットをつくることができる理由。それは、風水の考え方の中に、すでに再現性の高い方法が存在するからです。本場中国から風水が伝わり、国家政策として風水を取り入れてきた琉球風水の歴史と事例から、パワースポットの作り方をご紹介します。

沖縄への風水の伝来は、14世紀頃。中国より伝わってきましたが、中国の風水術をそのまま取り入れるのではなく、沖縄独自の発展を遂げています。なぜならば、風水は自然と人が調和して共存することを目的としているからです。「自然との調和」という思想の軸は中国も琉球も同じです。しかし、中国の気候と沖縄の気候は大きく違いますので、風水の本質を沖縄の気候にカスタマイズして取り入れていく必要がありました。

琉球風水のキーワードは「氣の流れを整える」と「抱護」(ほうご)です。そして、抱護によって守られた、良いの氣のとどまる場所が「パワースポット」です。

王朝時代の川の治水事業や農地の排水溝整備では、風水の考え方をいかして、水の氣の流れを整えています。そして、王朝時代の文献では、良い氣が風に散らされず、また、洩れ出ないよう、山々や木々が包み込むように、その土地を抱いているような状態を「抱護」と表現し、抱護の状態が良い所を「吉なる土地」(=パワースポット)として大切に守りました。抱護の形とは、氣を留めるための風水の四神相応(しじんそうおう)の地形に一致します。抱護が欠け、氣が洩れ出るところは植林によって補い、良い氣を守りました。

沖縄は、冬に北側から吹く季節風と、夏場の台風による東風の影響が大きいため、四神相応の概念も、「風害」に対応できるようアレンジされました。一般的な日本の風水のイメージと比べると、琉球風水は、現実に即し、機能的です。電気、ガス、水道などのライフラインがない時代に、人々が安心安全な環境で暮らしていくために、風水の考え方が、実用的な技術としていかされていたのです。

また、風害に強いなどの機能性と共に、景観としても美しいことからデザイン性も高いのが琉球風水の特徴です。風水の良い場所は国が守っていました。言い換えれば、現在の風致地区であり、また、豊かな自然は様々な生物の生きる場所を維持する役割もありました。

氣を守る樹木は、100年後の未来の人口増加に備え、住宅を建てるための木材として使われるなど実用的な一面をもちます。その上、木々によって抱き守られるという状態は、私たち人間にとって感覚的な心地よさを生み出します。

あなたが幸せになる空間をつくるために大切なこと

現代の沖縄では、台風に強いコンクリート住宅が主流となり、電気が当たり前にある生活では、室温の調整も簡単にできるようになりました。風水の機能性や実用性のメリットだけに着目すれば、現代の技術の方が優れている点もたくさんあります。

しかし、風水が大切にしているのは、「自然との調和」です。自然と共に過ごし、五感で自然を感じることで、そこに美しさを見出し、心地よさを感じることにつながります。風水を取り入れて、氣の流れを整え、守られた空間で過ごすことは、「心地が良い」「守られている」という感覚を得ることができる、一つの理由になるのかもしれません。

心地よい空間で私たちの脳はどうなるのでしょうか?脳が「快」の感情になれば、脳幹から幸福ホルモンが分泌されます。良い氣の流れる環境というのは、科学的に私たちを幸せにしてくれるのです。パワースポットの考え方を住まいに取り入れることで、あなたが幸せになる理由が科学的にも証明できるのです。

風水の本質的な考え方を理解できると、置物などのテクニックに振り回されることがなくなります。表面的なノウハウ風水を知っただけで終わってしまうのか。それとも、生き方の軸となる知的財産としての風水を日常生活にいかすことができるのか。風水の存在がどちらになるかは、あなたの学び方次第です。心地よい氣の流れを描く原理原則は非常にシンプル。風水をあなたの知的財産にしたいと思われた方は、このサイトで琉球風水の考え方に基いた現代住宅の整え方をお伝えしていますので、あなたの人生を豊かにするために是非お役立てください。

あなたが風水を実践する時は、常に現場に立って、その場の氣を感じて判断して下さい。住宅に心を傾け、そこに住むあなたとご家族の心が、美しく豊かになる空間をつくるために、琉球風水を利用していただければと思います。

琉球風水に興味をお持ちくださった方は、是非、このコラムの続きもお楽しみください。住まいの全空間の風水の整え方について解説しています。

新築住宅の風水設計プランを成功させる、間取りや家具配置のポイントも記事でまとめています。詳しくはこちら。

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東道里璃【Lily Todo】 株式会社ロンジェ 代表取締役 立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士 著書「琉球風水で叶うナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」(ガイアブックス刊) 東京世田谷区出身。成蹊大学経済学部卒。財団法人日本道路交通情報センターに入社し、JARTIC道路交通情報キャスターとしてNHKテレビ、J-waveなどに出演。夢を叶え、充実した人生であったが、忙しい生き方に疑問を抱く。「自然が好き」という価値観に素直に生きることを決意し、退職してニュージーランドへ。1年間、スクーバダイビング、スノーボード、トレッキング、アフタヌーンティーの旅に出て、東京の経済優先の価値観が音を立てて崩れる。「豊かさとは一体なんなのか?」を自分に問いかけるきっかけとなる。帰国後、立教大学大学院へ進学。在学中、乗馬の練習中に落馬して骨盤を骨折し2ヶ月入院。うつ病になるも、なんとか修士論文を書き上げ異文化コミュニケーション学修士号取得。卒業後、新築注文住宅の設計で風水との運命の出会い。しかし、設計は失敗。理想の未来を描けない東京の土地を離れ、2011年沖縄の離島へ移住。沖縄が東京から南西方位にあり、引っ越しのタイミングに風水的大吉方位だったので、風水の効果とやらを実験してみたかった。沖縄最初の新居は、築180年の琉球民家。離島の集落で王朝時代の風水集落に出会い、人生の使命を見つけたと確信して琉球風水師に転身。過去の新築住宅設計失敗の理由を徹底分析。2012年、親族も友人も誰も知り合いのいない宜野湾市で、琉球風水スクールを立ち上げる。ブログによる情報発信が新聞編集者の目に留まったことを機に、沖縄タイムス系新聞コラム通算80本以上執筆。有名企業・団体からの依頼でセミナー講師を務め、参加者の数は1000人以上に。新築住宅や商業空間の現場でも風水デザインを監修。2022年『琉球風水でナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書』出版。現在、聖地の点在する南城市の風水集落に住み、オンライン&対面のハイブリッド型のスクール、ロンジェ琉球風水アカデミー運営。少人数制の個別対応で、受講生に寄り添い、ひとりひとりの価値観にあった土地選び、家選び、室内装飾、生き方を一緒に考えている。県内の大学でも非常勤講師を務める。 「生き方に迷ったら、リセットボタンを押してみよ。人生はゲームさ。何度でもリスタートできるよ」 特典付きニュースレター「琉球風水インテリア通信」配信中 https://longe.jp/newsletter/