こんにちは、琉球風水師の東道里璃です。

幸運が舞い込む新築住宅の風水設計プランを成功させたい方へ。琉球風水のエッセンスを理解できると、新築住宅の風水設計に必要な判断基準を持つことができます。

納得いく設計プラン作成のためには、1)建築アウトライン設計、2)間取り設計、3)インテリアデザイン、4)家具配置、5)片付く仕組みの5つの要素に対し、「要望やプランを論理的に言葉にできること」が鍵になります。必要な知識を持たずに、感覚だけでプランを判断してしまうと、住み始めてから起きる不具合を予測できないからです。

心地いい空間にいると、私たちは幸福感を得られます。心地いい空間とは5つの氣の流れが整った空間です。氣の流れが整うと、無意識レベルで心地良いと感じます。5つの氣の流れとは、「光」「風」「水」という自然の氣の流れと、「生活動線」「視線」という人工的な氣の流れです。自然の氣の流れは、建築と自然を調和させます。人工的な氣の流れは建築と人を調和させます。心地いい空間を作り出す5つの氣の流れを再現性高く設計できるその秘密が、琉球風水のエッセンスです。

この記事では、間取り図面を見る上で特に重要な「間取り」と「家具配置」について、住宅の全空間の風水チェックポイントをお伝えします。これを読んでいただくと、間取りやモデルルームを見た時に、見た目のデザインはよかったとしても、住み心地の悪い家を見抜くことができます。あなたの家づくりに是非お役立て下さい。

「新築」「注文住宅」で検索キーワードを調べてみると、「後悔」「失敗」というキーワードと組み合わされ、多くの人が検索しています。キーワード検索ツールを使って調べたところ(2021年10月現在)、月間検索件数は以下の数値がでてきました。

  • 新築+後悔 1520回
  • 新築+失敗 576回
  • 注文住宅+後悔 1520回
  • 注文住宅+失敗 1280回

他人の後悔談や失敗例から学ぶことは、とても大事です。なぜなら、家は物質としての形が出来上がると、やり直しが利かないからです。最初に小さな失敗があると、雪だるま式に積み重なり、取り返しがつかなくなります。事前に十分な準備をしてからスタートすれば、設計はスムーズに進みます。家を買う前に、知っているか、知っていないか。これだけで、その後の人生が大きく変わります。心地よい家を手に入れるということは、その先30年以上にわかり、家にいるのが幸せな人生を手に入れるということ。是非、風水の知恵をご活用下さい。

【玄関】理想はS字に氣が流れるライン

 全ての氣の入口である玄関の理想的な氣の流れは、S字動線をイメージします。入口から家の奥が見えず、プライバシーが守られている状態です。直線的な氣の流れはスピードが速く、この氣が当たると心地悪いと感じます。場合によっては人に危険を及ぼします。門から玄関ドアへのアプローチ、玄関ドアから家の奥へつながるラインは、一直線になっていないか注意して見て下さい。

 玄関ドアの目の前にトイレや浴室のドアがある間取りを、財運が漏れる「漏財宅(ろうざいたく)」と呼びます。せっかく玄関から入ってきた氣が、住宅内を巡ることなく、水と一緒に漏れ出てしまいます。この間取りは、購入しないように。一方、玄関ドアを入って左右どちからに鏡を設置できると、良い氣が増幅して住宅内を巡ります。風水では、とがった形状のものは「刃物」とらえ、そこから生じる鋭い氣は人に悪い影響を与えると考えます。玄関ドアを入ってすぐの場所に、柱や収納が飛び出て鋭い角が向かっていないかチェックして下さい。

 快適な暮らし方から逆算し、十分な収納スペースの確保を。玄関は、家族の人数分の靴と、ディスプレイして見せるもの以外は、収納にしまえるスペースがあるかどうかチェックします。

注文住宅を設計する時の玄関の注意点は、新聞コラムでイラスト付で解説しています。詳しくはこちら。

トイレ】トイレの配置で財運は決まる

 玄関から様々な氣を取り込み、住宅内に十分に氣が巡った後、最後に衰退した不要な氣を排出する場がトイレです。家族の健康運に影響し、また、風水では水は財を表すことから財運を司ります。玄関から入った財運の出て行く場所です。 

 玄関の解説の中でもお伝えしていますが、トイレの配置が悪いと財運が漏れ出ていきます。「トイレ・浴室のドアが玄関ドアの正面にある」「トイレ・浴室が住宅の中心にある」間取りは漏財宅です。間取り図を見る時は、一番初めにトイレの位置をチェックします。漏財宅の場合には購入の選択肢から外し、別の家を探しましょう。

 トイレが玄関近くにあっても、玄関ドア正面ではなくサイドにあったり、玄関ドアの正面にトイレのドアがなければ、致命傷ではありません。玄関ドアから入る氣が一直線にトイレのドアを通って水に入り流れ出ているかを確認してください。

 トイレが玄関近くにある間取りは住み心地も良いとは言えません。プライベート空間のトイレが、パブリック空間の玄関の近くにあれば、落ち着いて過ごせないのも当然です。トイレの配置は設計者の「生活の質」に対する配慮が出るところです。生活動線への気遣いがあるかどうかが現れるので、設計会社を選ぶ時の参考にもなります。

注文住宅を設計する時のトイレの注意点は、新聞コラムでイラスト付で解説しています。詳しくはこちら。

【洗面所・浴室】浄化して美しく輝かせる空間

 洗面所と浴室は、プライベート空間に配置され、来客の動線や視線を気にする必要なく、プライベート感が保たれているかをチェックします。トイレ同様、浴室の配置が漏財宅になっていないか、まず確認します。住宅の中心に浴槽がある間取り、玄関ドアの正面に浴室のドアがる間取りは、購入の選択肢から外します。

 洗面所は、プライベート空間ですが、来客も利用するパブリック性がある場合も多いと思います。洗面所にパブリック性をもたせるポイントは、生活感のあるものを表に出して置かないということ。歯ブラシや化粧品などの小物がきれいに収納できるかどうか、洗濯バスケットをむき出しに置かなくても生活できるか確認しましょう。

 洗濯動線もチェックしてください。できるだけ物干し場と動線が近いと毎日のお洗濯も楽です。洗濯物の部屋干しを前提にして家を買わないこと。生活感が出て美しくないだけでなく、住まいの水の氣が淀み、氣の質も落ちます。

 洗面台や浴室は、健康と美と向き合う空間。自分を大切にする、美しい空間になるよう心がけて下さい。目に映るものに美しいアイティムを選んでいくことで、心も身体も癒される空間づくりをしていきましょう。

注文住宅を設計する時の浴室・洗面所の注意点は、新聞コラムでイラスト付で解説しています。詳しくはこちら。

【キッチン】生命エネルギーを入れる聖域

 キッチンは生命エネルギーを入れる神聖な空間です。家事動線の良さに意識が行きがちですが、水回り空間は基本的に汚れを落とす場所。衰退した氣が排出される空間です。洗面所や洗濯場との家事動線の良さは大切です。しかし、同時に不浄な氣がキッチンに入りこまないよう、氣の流れをチェックしましょう。

 玄関から冷蔵庫への買物動線、LDとの飲食に関連する動線に加え、配膳や後片付けなど、お手伝いをしてもらいやすい環境をイメージしておくことも大切です。「作業台として使えるスペースが十分にある」「複数の人がキッチンに入ることができる」「LDからキッチンの中の人の様子がわかる」と、自然と人が集まりやすくなります。家庭で主婦が孤立しない環境造りは、ダイレクトに家族の幸せにつながります。キッチンで作業をしながら、家族の様子が見えることも、安心感のある毎日を送ることができる要素です。

 固定された設備が多く、住み始めてからではほとんど変更できません。家電を快適に使うことができ、十分な収納スペースとゴミ箱を置く場所があるかどうか、確認しておきましょう。設備のデザイン性の美しさにもこだわって。

注文住宅を設計する時のキッチンの注意点は、新聞コラムでイラスト付で解説しています。詳しくはこちら。

【寝室】人生の質が高まる環境を徹底する

 寝室の風水というと、まずは枕を向ける方位が気になる方も多いと思います。確かに琉球風水でも枕の方位も見ますが、優先順位は高くありません。暮らし心地のよさを考え、住まいに風水を取り入れるのであれば、眠りの質を高めることを優先します。風水で寝室の形を整えると、健康な毎日を過ごすことができます。

 氣の流れ良くベッドを配置するには、そのフレームとなる住宅の壁や窓、ドアの位置が、適切であることが条件になります。ですから、家を買ってしまってからでは、変更ができません。しかし、購入の時点で正しい知識があれば、風水の良い寝室を選ぶことができます。寝室の最優先ポイントは、ベッドの配置です。理想的なベッドの配置は、ベッドのヘッドボードを壁に向け、足元をドア側に配置します。理想的なベッドの配置から窓、ドア、収納、エアコンの位置が決まります。

 凹凸のないきれいな四角形できた立方体の中で眠ることができる環境が、理想的な寝室の形です。頭上の梁、斜め天井は避けます。眠り心地に大きく影響し、対処が難しことが多いです。壁の張り出しがある場合、コーナーガードで保護して下さい。寝ている間に地震が来ても不安がないよう、背の高い家具は寝室に置かないように。寝ている身体の上の照明は安全性の高さを優先して下さい。

注文住宅を設計する時の寝室の注意点は、新聞コラムでイラスト付で解説しています。詳しくはこちら。

【書斎】亀の甲羅、高い山の如き後ろ盾を

 書斎や勉強部屋など、デスクワークスペースについてお話します。意識するのは、椅子の配置と向きです。これだけで、集中力が上がります。

 住まいの中での「座る場所」は、仕事用デスク、勉強机、ソファ、ダイニングに分類されます。ここに四神相応の考え方を当てはめることで、その空間の機能性を高めることができます。仕事用デスク、勉強机の場合、風水レイアウトで集中力が上がります。書斎や子ども部屋などの個室の間取りをチェックする時は、理想的なレイアウトで机を配置できるかどうかを確認します。

 四神相応の考え方はシンプルです。背中に玄武、前方に朱雀を探します。デスクワークスペースでは、玄武は壁、朱雀はドア、及び開けたスペース。既成の住宅では、窓の位置がネックになるケースが多いです。

 仕事や勉強と一言でいっても、作業内容により適した空間も異なります。創造的な仕事をする時は「陽」の氣が強いほうがクリエイティブなアイデアが浮かびます。天井が高く、前方が広く開けている空間です。一方、PCに向かい集中して作業する時は、「陰」の氣が優勢な閉じられた空間のほうがはかどります。脳の使い方、作業内容に応じて空間を使い分けて下さい。 

注文住宅を設計する時のデスクスペースの注意点は、新聞コラムでイラスト付で解説しています。詳しくはこちら。

【リビング・ダイニング(LD)】自分も家族も幸せになれる空気感

 トイレや個室などのプライベート空間を通過せず、玄関からリビングへ入れる動線が理想です。注意するのは、玄関ドアを開けると同時に、リビングが丸見えになる間取り。プライバシーが守られず落ち着きません。玄関からリビングへS字のラインを描いている間取りを選びましょう。 

 リビングはソファの配置次第で、快適さが決まります。建売住宅の場合はTV配線の位置により、自ずとソファの配置が決まるでしょう。入口から入ってくる人を前方から迎え入れるようにソファを配置します。しかし、リビングは開放的な空間なので、背中を壁に向けることを理想とする風水の四神相応の考え方にこだわると、ソファの置き場がなくなります。家族が集まるLDにするための最優先事項は、ソファとダイニングチェアの真後に、入口がこないようにします。座る位置の上に梁が来ていないかも現場でチェックして下さい。

 LDの開口部が大きく、いつも美しい景色を眺めて暮らせると、毎日がより豊かになります。植物や自然の風景が見えると理想的です。LDは家族が集まる場所で、モノがたくさん集まってくる場所でもあります。「見せるもの」「見せないもの」を分けること。暮らしの中で使うモノは隠す収納に。一方、ディスプレイを美しく飾れるスペースがあるかどうかもチェックして下さい。

注文住宅を設計する時のリビングの注意点は、新聞コラムでイラスト付で解説しています。詳しくはこちら。

注文住宅を設計する時のダイニングの注意点は、新聞コラムでイラスト付で解説しています。詳しくはこちら。

家を買う「前」に判断基準を身につける

「理由はよくわからないけど、なんとなく家が心地悪い」と感じている方の話を聞くのが、風水師の仕事です。住まいに悩みを抱えた方が改善法を求め、風水師の元へいらっしゃいます。

私の主宰する風水スクールのコースレッスンを終了した受講生の方々に、このような質問をします。

「もし、今から自由に家を買えるとしたら、今と同じ間取りの家を買いますか」

すると、「いいえ、絶対に買いません」と、答えが戻ってきます。

「今なら、もっといい家を建てられそうですか」とお聞きすると、

「はい、心地よく生活ができる家がどのような間取りか、判断できるようになりました。買ってはいけない家を選ぶリスクもないですし、考え方の違う建築士を選ぶこともありません。」と答えが戻ってきます。

設計会社を選ぶ前に、最適な選択をするための判断基準をもっていること。これが、「家づくりを成功させる鍵」であるということです。

住み心地の良い家を選ぶ判断基準となるのが、琉球王朝時代の国策にも使われた自然と調和する「風水思想」です。

「家づくり戦略は、国家の政治的経済成長戦略に同じ」

風水思想を軸に国の持続可能な発展を支えた、琉球王朝の国家戦略のスタイルがあります。ロンジェ®琉球風水アカデミーの風水空間デザイン実践会では、この風水思想を軸にした国家戦略を、新築の家づくり戦略のモデルにしています。

琉球王朝は、自然と調和した安心安全な国造りをするため、風水思想を国家の持続可能な発展のためのツールとして使いました。現代のSDGs(持続可能な開発目標)の具体的実行プランを、300年前に実践していたのです。ロンジェ®は、各家庭の持続可能な発展と幸せのために、風水思想を軸にした家づくりをサポートします。

幸運が舞い込む新築住宅の風水設計を成功させたい」という方には、建築家と風水師のコラボレーションによる間取りからインテリアまで一気通貫の風水設計サービスがあります。また、家づくりの前に必要な知識を学びたい施主様や、建築・インテリアのご専門家で琉球風水の考え方を学び、ご自身の設計プランに取り入れたい方へ。全国対応のオンラインで受講できる「風水空間デザイナー®養成講座」もございます。

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東道里璃【Lily Todo】 株式会社ロンジェ 代表取締役 立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士 著書「琉球風水で叶うナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」(ガイアブックス刊) 東京世田谷区出身。成蹊大学経済学部卒。財団法人日本道路交通情報センターに入社し、JARTIC道路交通情報キャスターとしてNHKテレビ、J-waveなどに出演。夢を叶え、充実した人生であったが、忙しい生き方に疑問を抱く。「自然が好き」という価値観に素直に生きることを決意し、退職してニュージーランドへ。1年間、スクーバダイビング、スノーボード、トレッキング、アフタヌーンティーの旅に出て、東京の経済優先の価値観が音を立てて崩れる。「豊かさとは一体なんなのか?」を自分に問いかけるきっかけとなる。帰国後、立教大学大学院へ進学。在学中、乗馬の練習中に落馬して骨盤を骨折し2ヶ月入院。うつ病になるも、なんとか修士論文を書き上げ異文化コミュニケーション学修士号取得。卒業後、新築注文住宅の設計で風水との運命の出会い。しかし、設計は失敗。理想の未来を描けない東京の土地を離れ、2011年沖縄の離島へ移住。沖縄が東京から南西方位にあり、引っ越しのタイミングに風水的大吉方位だったので、風水の効果とやらを実験してみたかった。沖縄最初の新居は、築180年の琉球民家。離島の集落で王朝時代の風水集落に出会い、人生の使命を見つけたと確信して琉球風水師に転身。過去の新築住宅設計失敗の理由を徹底分析。2012年、親族も友人も誰も知り合いのいない宜野湾市で、琉球風水スクールを立ち上げる。ブログによる情報発信が新聞編集者の目に留まったことを機に、沖縄タイムス系新聞コラム通算80本以上執筆。有名企業・団体からの依頼でセミナー講師を務め、参加者の数は1000人以上に。新築住宅や商業空間の現場でも風水デザインを監修。2022年『琉球風水でナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書』出版。現在、聖地の点在する南城市の風水集落に住み、オンライン&対面のハイブリッド型のスクール、ロンジェ琉球風水アカデミー運営。少人数制の個別対応で、受講生に寄り添い、ひとりひとりの価値観にあった土地選び、家選び、室内装飾、生き方を一緒に考えている。県内の大学でも非常勤講師を務める。 「生き方に迷ったら、リセットボタンを押してみよ。人生はゲームさ。何度でもリスタートできるよ」 特典付きニュースレター「琉球風水インテリア通信」配信中 https://longe.jp/newsletter/